表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何度召喚されるのか  作者: 美川彼方


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/94

83話 異常発生?

「ねえ、少し気になったことがあるんだけど」

 露店をいくつかまわり、お腹も満ちたところでサリーがそんなことを言った。

「なにかあった?」

「うん。最初の露店で食べたやつ、滅多に出回らない高級肉って言ってたよね。でも私、その系列のものをすごく頻繁に食べてるなって。

 運がいいだけなのかな?」

「言われてみれば、そうかも」


 そのうちの2回は自力取得だが、ラピッド系の魔獣はそうそう見つかるものではない。

 それも別々の種類となると確率はもっと下がる。同種ならば同じ群れから産まれたと想定できるのでまだ可能性はある。


 元からこの近辺に生息しているのならば問題はないが、もしもそうでなければ異常発生が起きているのかもしれない。


「ちょっと、ギルドに寄って訊いてみたほうがいいかもしれない」

 そう呟いたとき。

「それには及ばないのです」

 どこからかルーが現れた。


「わっ、ルーちゃんいつの間に」

「近くに居たのです」

 もちろんユナは気付いていたので出てきたことには驚かなかったが。

「この事について知ってる?」

「はいなのです。ちょうど調べている所なのです」

 ルーが急に現れたことで驚いていたサリーは顔を赤らめていたが、あの話題を出す前に話が進んでしまった。


 ルーの話によると、最近リースベルトのいろいろな場所で魔獣や魔物が生息域を変えているという。

 今回のようにあまり見られなかった魔獣が現れるようになったり、逆にあったはずの群れが消えていたりしているという。


「そういえば、街道付近に魔物が出てきていた」

 ラーザに協力を頼まれたアレである。

 街道には魔物が近づきにくいように対策がされているはずなのに、戦闘回数は比較的多かったように思う。

「それも増えているのです。だから、街道を使う商人も護衛を増やさないと危ないって情報が出回っているのです」

「商人からするとコストが増えて大変だし、依頼を受ける冒険者からすると仕事が増えて嬉しいかもしれないけどその分危険も増えている、と?」

「なのです。冒険者ギルドの方も対策を立てている途中なのです」


 そこでサリーがふと気付く。

「リースベルトのって言ってたけど、その他の地域はどうなの?」

「それが、今のところ全く異常は見られないのです。調べられる範囲で、というのが頭につくのですが」

 ウィスタリアもセレスティスも、各王女であるエリーゼとフィオニアが指揮をとって調べているので、その情報が回ってきている。

 問題のリースベルトはツテがなく、潜入中のアリアドネや身軽なルーが動いているが。


「今度の定期連絡で改めて確認するのですが、王都を中心に異常が大きくなっているようなのです」


「王都といえば、ちょっと変だったよね。もしかしてそれも関係ある?」

 思い出したようにサリーが言った。

「王都全体が、って言ってたっけ」

「そう」

 サリーが言っているのは、水晶眼で見えた灰色の靄の事だった。

 あの時は余所者嫌いなお国柄だからだと思っていたが、この話を聞くと気になる点が出てくる。


「もう一回行って確認する?」

「ダメ」

 提案するサリーに被せるようにユナが反対する。

「でも、気になるじゃん。ユーナちゃんが一緒なら大丈夫でしょ?」

「そりゃあサリーには危険が及ばないようにするけど……。あ、せっかくこの町にいるのだから神子に見てもらってからでもいいんじゃないかな。今日も来るって言ってた?」

 どうしてもサリーを危険地帯(推定)に行かせたくないユナはなんのためにこの町に滞在しているのかを思い出した。


「抜け出すの大変って言ってたけど、多分来ると思うよ」

 昨夜神子と話したサリーが答える。

「じゃあその時にこの話もしてみよう。

 ……とりあえず、宿に戻ろうか」


 食べ歩いたり話をしたりしていたら、辺りは薄暗くなり始めている。


「そうだね。ちょっと冷えてきたし」

 サリーも同意し、宿の方向へ進み始めた。



「あ、ちょっとギルドに寄ってお金おろしてくるから先に戻ってて」

 露店では大きなお金は使えなかったので、小銭が少し心許なくなっていた。

 ラーザが振り込んでくれているはずの報酬もあるし、まだだったら手持ちを両替する方法もある。


 ユナはそう言って、ふたりから離れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ