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何度召喚されるのか  作者: 美川彼方


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74話 アリスとレナ

初投稿から2年が経ちました


「ん……、ここは……」

 目を覚ましたセレナータは、自分がふわふわのベッドで寝ていることに気がついた。

 しかし、知らない天井である。

「え、どこですの?ここは」

 慌てて起き上がり、辺りを見回す。

 質素ではあるが、明らかに安物では無い調度品が揃った部屋だ。


 そう認識した時、部屋の戸が開かれた。


「あら、起きたの」


 そこから入ってきたのは、セレナータがよく知る人物だった。



「ティア!?貴方、生きて……!?今までどこにいまして!?」

 セレナータは興奮気味に布団を跳ね除け、その人物に縋り付く。


「落ち着いて、レナ姉様。ちゃんと説明するから。

 それと、ここでは『アリス』と名乗っているの。ここの主は私の素性も知っているけど、知らない人もいるからそう呼んで」

 アリスはセレナータをベッドに座らせた。


「アリス……。全然理解は出来ませんが、とりあえずわかりましたわ」


 アリスはセレナータの隣に腰掛けながら話を始めた。

「ん。

 じゃあまず、ここはセレスティスの勇者邸。私たちは保護して貰ってる」

「セレスティスって、敵国ではなくて?それに勇者だなんて、余所者じゃない」

「それはリースベルトが一方的に思ってるだけだよ。セレスティスは中立を保っている。もちろん他国から攻め込まれたりなんてしたら敵対するだろうけど。

 余所者嫌いは健在ね。勇者なんてって言ってるけれどその余所者の勇者を召喚したのは矛盾してると思わないのかしら」

 後半は独り言のようにぼそっと言った。

「保護、とは?」

「文字通りよ。奴に見つからないように」

「奴、とは?」


 アリスはその話をするために、一息呼吸を入れる。


「落ち着いて聴いてね。今、リースベルトは魔神の支配下にあるのよ。

 2年前、急に現れた魔神はあっという間に王都中を洗脳しちゃったの。

 私はそれがうまく効かなかったみたいで、でも時間の問題で。だから、元々予定してた留学の移動中に脱走したのよ。とにかくおかしくなった国を出なきゃって。

 しばらくはセレスティスの片隅で身分を隠して生活してたのだけど、ここの勇者にバレちゃって。そこから事情を話して保護してもらったの」


 アリスはそう一気に語った。


「細かい事情がわかったのは最近なのだけどね。危険を承知で潜入してくれた人がいたの」

 アリアドネもその1人ではあるが、直接の接点はない。


「急にそんな事を言われましても、理解できませんわ。……でもティアの。いえ、アリスの言うことなら嘘ではあるはずがありませんわよね。

 ねえ、アリス。とりあえずもうひとつだけ訊かせてちょうだい。どうしてわたくしを、このタイミングで連れ出したのかしら?」


「元々、レナ姉様は迎えに行きたいと思っていたの。でもきっかけがないうえに必ず監視が着いていた。

 だから、ちょうど城の外に出ていて、監視の目が外れた今しかないと思ったのよ」

 手が出しやすい城外、護衛兼監視が別行動と死亡により居なくなった。この好機を逃すことは出来ないとすぐに行動した。


 オブシディアン近郊でセレナータを見かけたアリスは王都まで行くはずだった隊商を近場で離脱。そして雫と合流し、タイミングを図っていたのだ。


 森が炎上していた時も近くにはいたが対処法がなくオロオロしていただけだったのは秘密だ。

 もう少しユナが来るのが遅ければ、セレナータだけでも助けに行こうとしていた。

 そこで近くにいたルーが合流し、出ていくタイミングを待っていたのだ。ちなみにルーはユナが近くまで来ていて、この状況をなんとかすることも余裕だと知っていたので待機という選択肢を選んだ。


 ちなみにユナが刺されていたくだりは水蒸気と距離もあって見えていない。



「そろそろ入ってもいいかしら」

 ふたりが黙った所でそう声がかかった。


「雫さん、どうぞ」

 アリスが立ち上がってドアを開ける。

 すぐに雫が入ってきた。


「はじめましてね。私は雫。セレスティスで勇者をしています」

 セレナータの前に立つと、そう挨拶をした。

「えっと。こんな姿で失礼いたしますわ。リースベルト第一王女、セレナータと申します。この度は、助けて?いただきありがとう存じますわ」

 セレナータはそれに少々焦りながら返す。

「いいのよ、アリスの頼みだったもの。ある程度はお話きいたのよね。

 今後、セレナータ様にはアリスと同様、身分を隠して生活していただきます。ある程度状況が落ち着くまで……リースベルト側の捜索が落ち着くまでですね、それまでは基本ここで身を隠して貰おうと思っています。

 しばらくは不自由かもしれませんが、その間はアリスがフォローしてくれることになっています。久しぶりの姉妹団らん、楽しんでね」

 そう言って雫はアリスに微笑みかけた。

「配慮ありがとう。そうさせてもらうね」


「じゃあ話すことも話したし、あとはおふたりで。何かあったら声かけてね」


 雫はそう言い残してさっさと立ち去った。



「そういうことになったから。慣れるまでは時間かかると思うし、しばらくは一緒にいるわね」

 レナ姉様の洗脳のこともあるし、とセレナータには聴こえない程度の音量で呟いた。

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