表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何度召喚されるのか  作者: 美川彼方


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/94

67話 森、炎上

 ユナは小道を歩いていた。

 草を踏み固めただけの獣道だが、ユナにとって辿るのは造作もない事だった。


 それよりも。


「この辺りはしばらく人が通った形跡がないな」

 既に道を見失っているのだろう。いつの間にか小道からは完全に痕跡がなくなっていた。


「もうすぐ道に出るし、一旦そこまで行ってみるか」

 そう呟いて、道を急いだ。




「道に出たけど」

 周囲に人の気配はない。

 確かにこの小道を無事に抜けられたのなら良い迂回路になったのだろう。魔獣が出てくることもなかった。

「仕方ない、戻って痕跡探そう」

 聞き込みをしようにも周囲にそんな存在はいないので、元来た道へと歩き始めた。




「あ、ここで逸れていたのか」

 痕跡がなくなっていることに気が付いた所の少し前まで来ると、新しめの木が折れている所を見つけた。

「やっぱり小道通るのは無理があったんだ」

 ラトスは完全に厚意で教えてくれたのだろうが、相手が悪かった。

 状況が悪化してしまった。


「迷ってるだけならまだいいけど、魔獣と遭遇してないといいけど。

 ……してるだろうな」

 そう呟いた、ユナの予感は当たっていた。


 ユナから少し離れたところから、狼煙のように煙が一筋上がっていた。


――――――――――


「こんな森の中で火を使わないでくださいまし!!」


 そう叫んだセレナータの周囲の木は燃え始めてた。


「わ、悪い……。魔法これしか使えなくて」

「その腰に下げた剣は飾りですの!?それを使えばよろしいのです!」



 そう言い合う横では、護衛がなんとか魔獣を撃退していた。

 周囲には魔獣の血の臭いと、燃える木の煙が立ち込め始めている。


「おふたりとも言い合うのは後にしてください!はやくここを離れないとまずいです。この臭いにつられて魔獣が集まって来てしまいます!」

 剣を収めた護衛がふたりの元へ走ってきた。


「で、でもこの火どうしよう」

「消せませんの?あなたが出した火でしょう?」

「魔法、慣れていなくて」

「そうでしたの?」

 すぐに城を出されていたので、セレナータはリョウの実力を知らなかった。それが大きな誤算になって状況は更に悪化していく。


「下がってください!」

 護衛が火を消そうと試み始める。

 今は数本だが、これ以上延焼してしまうと手が付けられなくなってしまう。


 しかし、1本処理しているうちに他の所から燃え広がってしまう。


「もう、手が付けられませんわ……」

 護衛の必死の努力も空しくセレナータが言うように、延焼はとんでもないことになっていた。



「危ないっ!!」

 火を処理するのに必死になっていた護衛は、魔獣が近くに来ていたことに気が付かず、あっさりとその直撃を食らい、弾き飛ばされてしまった。

 しかも弾かれたその場所は運悪く燃え盛る木の中だ。


「護衛!?」

 助けに行こうにも魔獣はターゲットをリョウとセレナータに変更していた。

 また突進しようとしているのか、後ろ足で土を蹴っている。



「きゃああああ!」

 魔獣に気を取られていたセレナータに、燃えた枝が落ちてきてしまった。

 そして、その大きな隙に、魔獣が地面を蹴り上げ、リョウに向かって突進した。




「え。何?この状況……」

 そんな危機一髪の瞬間、煙に気が付いて向かっていたユナが到着した。

「何があったらこうなるの。

 まあいいや、とりあえず」

 ユナは向かってくる魔獣を黒鎖で止め、セレナータに水魔法をかけた。前にギルドで見せたアレだ。

 セレナータは火が付いた時のショックで気を失っているようだ。


「この火は結構面倒だなあ」

 黒鎖で縛って戦意が消えた魔獣は、解いてやるとすぐに逃げ出していった。縄張りを荒らされたと来ていたようだが、身の安全の方を優先したのだろう。

 ユナは追撃せずに見送った。


 残りは燃え盛る木々だ。


「この範囲ならギリギリいけるかな」

 そう呟くと、一気に魔力を練り上げる。


 そして、次の瞬間には燃える木の一本一本に水球が張り付き、一気に消火し、辺りには大量の水蒸気が立ち込めた。


 ちゃんと消えたかどうかを確かめようと、一歩踏み出した時。



 どん、と背中から衝撃が走り、胸から刃が突き出していた。


やっと書きたかった所に辿り着きました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ