63話 明日に備えて
「結構話し込んじゃったわね。そろそろ戻らないと」
今後の事について話し合っていたが、時間を確認した神子がそんなことを言った。
「明日、また来るわ。それくらいの時間は作れるはずだから」
そう言いながら魔法具を切る。
簡単に会いに来ているようだが、本来は教会に詰めていなくてはいけない身なのだ。
「うん、また」
ユナもそう返した。
神子が出て行った後、ユナはサリーの隣に腰掛けて様子を確認していた。
まだ起きる様子はないが、呼吸もマナも落ち着いている。
ユナは少し考えたあと、サリーの額に手を当てて、エネルギーを吹き込んだ。
朝は普通に食事をしたものの、昼は軽めだったのに夜は眠ってしまったので食事が出来ていないことを思い出したからだった。
サリーの身体が淡く光り、すぐに吸収されるように消えた。
「忘れてた」
ユナはふと呟いた。
そして、野営でも使う魔法具を取り出した。
それを部屋の四方へ置いて起動させる。前にも使った結界の魔法具だ。
部屋用なので人避けの効果は薄めに設定しているが、防音や対物理、対魔法はガッツリの設定になっている。
正直、ルーが使っていたものよりもかなり性能が良い物である。ついでに言うと、効果の種類やレベルを随時更新できるという高性能だ。
きちんと作動したことを確認したユナは、収納から携帯食を取り出した。ご存じ、オレンジ色の箱のアレの、メープル味。
程よい甘さのそれをもそもそと食べながら、持っていかれた口の中の水分をスポーツドリンクで潤した。
これらの備蓄はまだそこそこの量をストックしてあるので、多少減らしても問題はない。
備蓄食料以外にも食べるものは持っているけれど、簡単に栄養補給のできるそれを選んだ。
軽く栄養補給を終えて、時間を確認すると、まだ日が沈んですぐくらいの時間だった。
休むにはまだ早い時間帯だが、さっきの話し合いで、明日から動くことになっている。
そのことを考えて、早めに休もうと思ったユナは洗浄魔法で身を清めた。ついでにベッドに寝ているサリーにもかけた。
宿にはお風呂もあるが、わざわざ移動するのも面倒だということと、結界があるとはいえ部屋にサリーひとりを置いていくのは、と考えた結果、室内で済ませたのだ。
そして、休もうと部屋を見て気が付く。
ベッドはひとつだけだと。
「仕方ない、か」
ユナは少しだけ考え、サリーの隣へ、同じベッドへと潜り込んだ。
とはいえ、さすがは教会の宿。ふたりが入ってもまだ余裕のある大きさだった。
布団に包まり、目を閉じると、すぐに眠気がやってきた。
やはりユナも疲れはあったのだろう、すぐに寝息をたて始めた。
少し短めだけどキリがいいので




