幼馴染「砂糖と間違えて覚醒剤いれちゃってた!」
キーンコーンカーンコーン
オレ「やれやれ、やっと昼休みか。しっかし、今日はバレンタインかぁ。また幼馴染のやつお菓子作ってくるんだろうな」
戸がガラガラと開く。
幼馴染「お菓子渡しにきてやったわよ」
オレ「でも、あいつ料理下手だからなぁ! 憂鬱だ……」
幼馴染「なんか言った!?」
オレ「いや、なにも」
幼馴染「クッキー焼いてきてやったわよ」
オレ「今から昼ご飯食べないといけないんだ」
幼馴染「クッキーくらい入るでしょ、ほら食べなさいよ」
オレ「でも、ご飯の前にお菓子食べるとママに怒られちゃうから」
幼馴染「あんた何歳よっ!」
オレ「私……もうお腹いっぱいだから、あんたが食べて良いよ」
幼馴染「息子に美味しいものを食べさせたい貧困家庭の母親かっ!」
オレ「……美味しいもの?」
ボコッ!
幼馴染「息子のほうにひっかかりなさいよっ!」
ボコッ!
幼馴染「とにかく、食ええええええ」
口、モガァ
クッキー、ズボォッ
パリパリ、モグモグ
オレ「あれ、案外普通」
幼馴染「ふふん」
オレ「むしろ、美味しすぎる」
パリパリ、モグモグ
脳汁、ドバァー
オレ「美味しいを通り越して、なんか気持ちいい」
幼馴染「あんた、何、恥ずかしいこと言ってんのよっ!」
パリパリ、モグモグ
脳汁、ブッシャ―
オレ「あああぁああぁああああぁああ」
オレ、ビクビクビクビクッ
幼馴染「あんた、いったいどうしちゃったのよ。 まさかっ」
幼馴染がクッキーをペロリ。
幼馴染「砂糖と間違えて覚醒剤いれちゃってた!」
オレ、ドキドキ、ハアハア
オレ「マジかよっ!」
パリパリ、モグモグ
幼馴染「もう食うなー!」
バシッっとクッキーを叩き落とす幼馴染。
幼馴染「わたしって、ほんとドジ、自分で自分のこと嫌になっちゃうわ」
オレ「気にしないで」
幼馴染「グスン、慰めてくれるの? 優しいのね……あんた」
オレ「ネズミの背中のそろばんをはじいたら、明日の献立は決まるから」
幼馴染「頭おかしくなっちゃってるし」
オレ、ぐったり
幼馴染「とにかく、保健室で休ませないと」
オレ、ベッドからむくり
幼馴染「ごめんね、私が砂糖と覚醒剤を間違えたばっかりに……」
オレ「気にしないで」
幼馴染「……ネズミの背中のそろばんをはじいても、明日の献立は決まらないわよ」
オレ「……何言ってんの?」
ボコッ!
幼馴染「あんたが言ったんでしょ!」
オレ「ごめん……一緒に、ネズミの背中のそろばんをはじこうね」
幼馴染「何でも共感しとけば、女子は丸め込めるって思ってるでしょ!!」
オレ「来年は、一緒にクッキー作ろうね」
幼馴染「ッッ! ……うん」