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2話

の?」」

「多いんじゃないかしら。ついついあの変態じじいを殺したくなるわ」

「それは千夜だけじゃないかしら」

 既に身体測定は開始しており、4人しかいないD組の女子生徒の内、千夜と夏織以外の二人は、それぞれ身長と体重を測定している所だ。

 そんな時、千夜が何かに気付いたかの様に、目つきが変わり、いきなり左腰に着けている小型ナイフを窓の方向に投げ出した。ナイフは窓のフレームに刺さり、夏織がそれに驚いたが、それ以外に人は、千夜がナイフを投げた事にすら気付いてはいなかった。

「ど、どうしたの?いきなりナイフ投げるなんて。まさかホントに先生を」そのタイミングで千夜は夏織の口を片手で塞ぐ。千夜は辺りをキョロキョロしながら言った。

「なーんか誰かに見られてる感じがするによね~。さっきから」

「そうかなぁ~。あたしはそんな感じしないけどな~」

 その勘は事実当たっていた。屋上では次の作戦会議をしていた。

「おいおい早速一機破壊されてんじゃねーか。大丈夫なのか?」心配そうに信二を見る歩。

「大丈夫だって。ここまでは想定内想定内」

「それにしても、さすがとしか言いようがありませんよね。目を凝らさないと見えない極小サイズのドローンにナイフを投げて斬るなんて、殆ど奇跡ですよ。死神キラーと呼ばれるのも納得です」

「まぁそう慌てるな。涼太、残りの7機を起動も起動しろ」

 涼太は「はいはい」と言い、パソコンをいじり、ドローン7機を起動させた。ドローンは浮かび校舎の中に入り、教室に向かった。

「このドローンは俺の作ったプログラムで自動で目的地まで飛びます。教室に入ったら伊藤先輩に言われた場所に各機移動して撮影って感じです」

「けど教室にはどうやって入るんだ?教室の扉はもちろん閉まっているし、入れる所なんてどこにも」

「あぁ~そうか、1機目が侵入した所、見てなかったのか」その問いにコクリと頷く。

「このサイズになると、ドアのちょっとした隙間から入れるんだよ。このドローンは1ミリも無いからな」

「そういう事か。納得した。それでこれからどうするんだ?7機のドローンもまた破壊されるかも知れないぞ?」「いや、それで良い」

 ドローンは教室に入り、配置に着いた。

「おぉ~。何だ、まだ脱いでないじゃないですか」モニターを見ながら涼太が言った。

「慌てるな慌てるな。ここに、極秘ルートで手に入れた身体測定のプログラムがある」

 信二は紙を取り出し、皆に見せつける。

「えぇ~ここに書いてある事から分かる事は、この後に心電図検査がある」その言葉に二人は驚き、顔色を変えた。

「もし、その事が本当なら…」三人はパソコンを覗きこんだ。

 女子たちは服を脱ぎだし、心電図のをするためにベットに寝転がった。

「こうやって全員で寝転がると、丘と山の差がハッキリ分かるのね」千夜は残念そうに話す。

「またまた~。千夜は十分大きいじゃない。それに比べて私は」頭を押さえながら、涙を流す夏織。

 そんな会話をしている女子は知らない。既に教室にドローンが侵入している事に。男達はそんな警戒心の無い女子達を見て楽しんでいた。

「うひょ~。絶景絶景。これはお腹いっぱいになるなぁ~」

「これは中々良いですね」

「いやまだだ」歩は手を広げ前へ突き出した。

「俺達はこんな所がゴールなのか?俺達は知っているはずだろう?俺等なら更にもう一枚この壁を壊す事が出来るって。俺はな、この世界に来た時に決めたんだ。どんな手を使っても絶対に夢を叶えるって」歩の話を聞きながら涙を流し頷く、信二と涼太。二人は歩を輝いた眼差しで見る。二人の反応を見て更にギアを上げる歩。

「あの強大なATフィールドを破り、その先に眠る黄金のタピオカを見るまでは、俺達は止まれね~」

「あぁ~そうだ。俺達ならあのATフィールドを壊せる」

「けどどうやって壊すんですか?あんなチッコイドローンに何かできるんですか?」涼太の質問に歩が答える。

「俺がそんなスペックの低い機会作ると思うか?」

 今までの会話を聞くと凄い思うのだが…ホントにこのドローンを作ったのかも怪しくなってきやがる。と俺は心の中で思った。

 その頃、教室にあるドローンは既に動きを見せていた。ドローンは一人一人の女子生徒の胸のすぐ上でホバリング中だ。

「このドローンのパワーは約10キロ。下着を引きちぎるくらい、どうって事ない。エンターキーを押せ。そうすれば、黄金のタピオカまで一直線だ」

「俺に押させてくれ」俺は二人に頼んだ。

「別に構わないですけど」「いいぜ。この中じゃ信二がリーダーだ。押せよ。俺らの希望を乗せて」

 なんて仲間思いなんだ。案外この世界に来た事は俺にとって+になったのかも知れないな。俺は乱れる呼吸を整え、指を高く上に上げる。その時俺の鼻から血が出る。しかしそんな事は気にしない。今は仲間の期待に応えこのキーを押す事だ。

「よろしくお願いしま~~す」俺は願いを込めて、力いっぱいにキーを押した。

 パソコンから、ピーーーと音が鳴り、ドローンがブラを掴み引き剥がしに掛かる。

「なにこれーー、何かに引っ張られてるんですけどーーー」夏織がブラを抑えながら叫ぶ

「どうなってるの?こんな事して…見つけたら絶対殺す」

「キャーーーーーーーーー」保険の先生も叫びながら、目をつぶりしゃがみ込む

 屋上では男たちが奮闘していた。

「いけーーー引きちぎれーーー」歩がパソコンに向かって叫ぶ。

「はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!」信二は高笑いをしながら、キーを連打する。

「あと少しです。あのATフィールドを破壊できます。頑張って下さい伊藤先輩」

「あぁ~任せろ。こっちは既に覚醒しているからな」と信二が言う。それに続いて歩と涼太も「とっくに覚醒してるぞ」「いつでも俺は覚醒してます」と言った。

 悲鳴が上がる教室で一人、一切動かず真顔で声も出さない少女が居た。普段から表情を出さないこの少女の名前は菅野スズ。身長も低く、見た目は子供といった所だ。

「皆元気いいね。何か良い事でもあったのかな」言葉のトーンを変えずに話すスズ。

「あんたにはこの状況が見えないの!!!」すかさず夏織がツッコむ。

「まぁ皆困ってるみたいだし、場合によっては助けてあげない訳では無いの知れないけれども、どうする?」

「助けてくださーい」すぐさま答えた夏織だった。

「そう。なら助けてあげるよ仕方なく」その言葉を発した後、スズは目を細くした。

 スズはベットの下に手を回し、二つのリボルバーを取り出し、自分のブラを引っ張っているドローンを打ち落とした。スズは立ち上がり、そのまま銃弾を連発し、目には見えないドローンを次々破壊してゆく。

「やばいやばいやばいやばい。どんどん破壊されてるぞ」

「クソ。作戦変更だ。まずスズをやる。涼太操作してくれ」信二に言われた涼太が操作を変わる。涼太はドローンを操作し、スズに攻撃を仕掛ける。

 スズは目に見えない敵を倒すために、目を閉じた。スズは耳に気を持ってき、かすかに聞こえる風の流れを感じ取る。

 右に二つ。左に三つ。何かが近づいてくる。

 スズは自分の方に飛んでくる何かをジャンプして避け、そのまま頭を下にして、銃を5発撃った。見事に全て命中し、スズは地に足を着けた。そして顎を上に上げ、見下したような目で言った。

「何はともあれ、壊滅したね。スーパー壊滅だね」

 スズにドローンを全て破壊された信二達は膝を着き悔しがっていた。

「おのれ。よくも俺らの夢を壊してくれたな。菅野スズ…末代まで呪ってやる」

「やっぱ女はクズですね。人の夢を簡単に壊し、まるで自分は悪くないと言わんばかりの顔。だから俺は昔から女が嫌いなんですよ」

「まったくその通りだ」と歩も続いた。

「けど、こんなに準備して失敗なんて、何か悔しいですね。俺らのやって来た事がすべて無駄になったって考えるときついですね」


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