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「んーーーーーーーーー」

 花穂は中腰になり、力を溜める。

「教師の鉄槌!」 

 その言葉と同時に拳を振った。その拳圧によってルンルンの作り出した、空間を斬る光が粉々に砕かれる。その拳圧はルンルンのいる所まで突き抜け、歩の作ったシールドを破壊した。

「あちゃ~やり過ぎちゃいましたか」

 花穂が頭を掻きながら言う。

「これじゃルンルン生きてるか分からねーぞ?」

「ですね。普通の人間なら即死ですよ」

「とりあえず行ってみましょう」

 皆でルンルンの所へ向かった。

 砂煙の中探していると、ルンルンが倒れていた。

「おい大丈夫か?」

 俺はルンルンの体をさすりながら言った。どうやら死んではいないらしい。さすがとしか言いようがない。あんな攻撃食らって、気絶するだけで済んでいるのだから。

「痛たたたた」

 ルンルンは頭を痛そうに触りながら言った。

「大丈夫?あなた死んでもおかしくない攻撃食らったのに、よく生きてたわね」

 千夜が人の心配するなんてな~。雨でも降ってきそうだぜ。確かにルンルンの綺麗な魔法使いっぽい服は、埃まみれだし、顔も傷だらけ、でもだからこそここにいる皆との距離感が近付いた気がする。同じ釜の飯を食うとはこの事なんだろうな。

「ごめんねルンルン。ちょっとやりすぎちゃって」

「大丈夫ですよ。久々に体動かせて気持ちよかったです」

 笑顔でそんなセリフを吐くルンルンを見てその場にいた皆が大爆笑をした。

「ルンルンお前こんなボロボロでよく言うな」

「そうですよ。しかも体育ですからね」

「全くだ」 

 千夜やスズも心なしか良い表情に見える。

「さて。これからどうしますか?チャイムまであと少し時間ありますけど」

「そんなの決まってますよ」

「そうだね。これ以外考えられないよ」

 千夜とスズは良い顔をしながら言った。

 その場にいた全員がその言葉の意味を理解していた。

 俺達男集団とスズは校庭の端で座って話していた。そこに復活した夏織がやってきた。

「ルンルンでもおねーちゃんを本気に出来なかったか~」

「はい。簡単に負けてしまいました」

 ルンルンは苦笑いをしながら言った。

 夏織は、ルンルンのスッキリしたような顔を見て言った。

「目標を見つけたみたいだね」

「はい。この教室で皆さんとたくさん色々経験して、あの人を超えたいです」

 ルンルンは決意の決まった顔をしながら言った。

 それを見た夏織は大爆笑をした。

「何がおかしいんですか?」

 ルンルンはびっくりしながら言った。

「いあごめんね。なんかさ、私達の目標って同じ場所なんだな~って思ってね」

 その言葉を聞いたルンルンは今ままで誰にも見せなかった最高の笑顔で言った。

「いつか皆で超えましょう」

 その笑顔は俺でも惚れてしまう位可愛かった。俺達3人は珍しく頬を赤くした。

「そうだね~。ところでさ、何であの二人はおねーちゃんと戦ってるの?」

 夏織の言う通り、千夜とスズは花穂さんと戦いを始めていた。二人掛かりでも勝てないのは分かっているけど、ルンルンが本気で戦っているのを見て、戦いたくなったんだろう。俺もなんだかんだ言って、こいつらのこんな所が好きらしい。

 今日は5時限目までだ。

「はぁ~やっと今日の授業終わったな」

 俺は伸びをしながら言った。俺は授業が終わったこの瞬間が一番気分が良い。

「そうだな~。やっと授業が終わったな。でもさ何で俺らこんなに宿題あるの?」

 俺らだけは辞書くらいの厚さのプリントを渡されたのだ。

「まったく先輩達は何してるんですか?悪さばっかりしてるから宿題増やされるんですよ」

「いやお前も言えないけどな」

 涼太も俺ら同様、凄い量の宿題を出されているのだ。

「何で俺ばっかりこんな量の宿題出されるんだよ。しかも終わるまで帰れないとか拷問かよ」

 宿題なんかやって何の意味になるか俺にはさっぱり分からない。

「それはそうでしょ。宿題を家に持ち帰ったら絶対やってこないし。それにこんなに量があるのは、今日のほとんどの授業に出てないからですよ」

「そうだぞ。捕まっては逃げ、捕まっては逃げの繰り返しだからな」

「そういうお前だって、ずっとスマホいじってたじゃねーか」

 俺と同じようなものだろ。

「俺にとってゲームは遊びじゃないんだよ。お前ら一般人には理解出来ないかもだけどな」

「まったく先輩達は常識がないんですか?」

 涼太が手の平を上にして、イキる様に話す。

「お前だって、授業で使うプロジェクター、ハッキングして授業妨害してたじゃねーか。ってこんな事言ってても帰れねー。やる事やるか」

 その言葉に二人も頷く。俺は仕切り直して話す

「さてどうやってここから脱出する?」

「外には地雷が仕掛けられてます。この宿題が終わる6時間後に解除されるようになってます」

 さすが涼太だ、この学校に仕掛けてある盗撮カメラで爆弾の種類を特定するとはな。

「地上からの脱出は無理か。なら空中からの脱出はどうだ」

「それも無理ですね。地上に対空マシンガンが配備されてます。人間の体温を感知するとそこに向けて撃たれる様になってます」

「ん~~~~~」

 空からが無理になると厳しいな。

「その心配なら必要ないぜ」

 そう話したのは歩。

「何か策があるというのか?」

「あぁ~もちろん。マシンガンには弾数がある」

「つまり撃たしちまえばこっちのもんなのか。でもどうやってそれをやるんだ?」

「それは簡単だ」

 そう言って歩は、また何か変なモノを出した。それは俺の顔写真が貼られたマネキンの様なモノだった。

「何ですか?この気持ち悪いのは」

「おいそれ何に対しての気持ち悪いだ?」

「え?ここに付いてる写真ですけど」

「お前ほど上下関係気にしない奴は初めて見たよ」

 本当にこいつは俺の事を舐めているな~。

「何でたまたま俺より早く生まれただけの人間に逆らっちゃいけないんですか?」

「それを言われると元もこうもないんだけど。そんな事より、歩説明を」

 歩はその何かを持ち上げ話し出した。

「これをダミーとして使う。この機械は内部で人間の体温パターンを再現出来る。さらに重力反転装置も付いてるので、空に飛ばせる」

「でもマシンガンに袋叩きにされるんじゃ…」

「そこら辺はぬかりないさ。学校にある物で作ったが、それでも弾丸を空にする程の耐久値はあるさ」

「ほほーうなるほど。で顔写真の意味は?」

その質問に歩は、え?という表情をして言った。

「袋叩きにされるならお前が最適だと思った。その顔見てるだけで、弾が飛んで来る顔だか


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