婚約破棄~そんなことするならあなたの国はホワイト国から外しますね~
私と隣国の王子は幼い頃からの付き合いで、国ぐるみで友好な関係を築いてきた。
私の国にとってはそのつもりだった。
しかし、この数年で事情がかなり変わって来た。
いや、今まで気づかないふりをしていただけなのかもしれない。
ある時、隣国から私の国に出稼ぎに来ていたという老女たちが、我々は私の国によって無理やり従軍され、嫌らしい仕事に従事させられたと騒ぎだした。
私達の国はそんな事はしたつもりはなかったのだがー。
あくまで、仕事として雇用して、その老女たちは働いていたはずなのだけれど。
しかしその証拠は何十年も前のことで曖昧となってしまい、我が国は老女たちの言うとおり賠償を払わざるを得なかった。
代わりに、その事はもう二度と言わないでねと、念入りに隣国に頼み込んでおくことにした。
が、しかし、隣国の国民はその事を今でもぐちぐちと蒸し返す。
賠償したよね? なんでまだ問題蒸し返すの?
建設的な未来のために前を見ようよ。
どないせいっちゅうねん、本当に。
また、ある時。
隣国から私の国に出稼ぎに来ていたという老人たちが、我々は私の国によって過酷な労働環境で従事させられたと騒ぎ始めた。
はぁ……そうですか。
でも確かあなた方はその当時、友好国である私の国に進んで働きに来ていたはずではなかったのでしょうか?
労働環境もそんな劣悪なものではなかったと思われるのですが。
そもそも問題、その事に関する賠償金はあなた方の国にまるっとお渡ししていますので、賠償金を請求するならあなた方のお国の方に請求してくださいませんでしょうか?
私はそう言うのだけれど王子達は首を縦に振らない。
そしてこともあろうに、賠償金を国民に払わなければ私達の婚約は無かったことにするという。
はぁはぁ……、そうですか、そうですか。
それならこちらにも考えがありますよ。
今まで、輸出に手心を加えていたのを他の国と同じにさせていただきます。
だってあなたの国に輸出したものがなんか敵対国に横流しされてる疑惑もあるみたいですし。
今までそのことには目をつぶって来たけど、しょうがないよね。
それに婚約破棄したら友好国でも何でもないし。
グッバイ、隣国の王子様。
あなたとの関係は……。
うーん……よくよく考えると私がみつぐばっかりの関係だったような気がするよ。
……よく私、こんなやつの婚約者やってたな、本当に。
今日の教訓。
婚約者はよく見て考えて決めましょう。
昨日に引き続き時事ネタぱーと2です。
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