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S-Door  作者: 海月歌
セヴンス=アンツィーネ
9/17

『爆弾鬼』

高機能執筆使っても会話文とか字下げされないんですね,まあ直す気力はないです

 マラソン大会開始まであと5分。俺は何とか見やすい場所に行こうとしたが、見物客がいっぱいで思うように歩を進めない。これは困った。このままでは、最悪ボッブスを見ることもなく終わってしまう可能性もある。

 それだけは避けようと逆に遠回りして路地裏に行こうと決めた。ここは殆ど人が来ない。ここから奥に向かい、大通りに続く道に出れば、応援&撮影ができる。予めサナエさんから街の見取り図を貰ったからその通りに行けば迷わずに済むだろう。そうと決まればと、俺は奥へと走っていた。


 太陽は先刻よりも灼けるように暑くなってきた。ボッブスは深呼吸をして運営からの三十秒前のカウントダウンを静かに聞いていた。ザックもまた然りである。

「3,2,1、スタート!」

 鳴らされる合図に参加者511人は一斉に走り出す。総距離は25キロ、給水所は十五か所設置されている。

 ボッブスはトップランカー達に紛れていた。一方ザックはライバルの六番後ろにいる。しかしザックはそれを気にしている素振りをみせない。それは彼は能力に絶対的な自信を持っていた。



「おっ、もう始まっちゃったか。」始まりの合図が聞こえたので俺は少々急ぐことにした。

 ここの道を右に進めば出られる、よし合ってる。俺は安堵した。

 ……左の方から声がする。どうでもいいが、ここに転送されてから聴覚が良くなった気がする。川の時とか人の声とか神経質にでもなったのかな。

 声が気になったので、近くまで寄り道して壁に隠れ聞き耳を立てると、驚愕する会話が聞こえてきた。

「ルトロシティもうすぐ炎の海と化す。ついに俺たちが伝説になるんだよ。お前らといっしょにな。」

「はいっす。流石バングさん、爆炎なんて屁よりも簡単に出せますよね。」

 三人のフード達がバングというフードリーダーに話している。しかし内容はいたって恐ろしい。

(もしかしたらこいつら、テロリストなんじゃないか?)

 もしかしたらと思って俺は携帯で警察に電話をかけようとする。すると突然、ある男の手がそれを阻止してきた。

「いろいろと大事になるのはまずい……ってあなたは確かあの時の。」

 そいつはいつぞやの白服爽やか青年であった。青年は、

「偶然だね。だけど再開を喜んでいる時じゃないんだ。彼らはまごう事なきテロリストなんだ。市民の混乱を防ぐため僕らは極秘で動いてる。あなたには荷が重いでしょう。」

 青年の言う事はもっともだ。しかし、俺はボッブスを守りたい。あいつの走る姿を守ってやりたい。

「俺も役に立ちたいんだ。拒むっていうのなら今すぐ警察に電話をかけて、テロリストだー! って叫んでやるぜ。」脅迫まがいだが今は仕方ない。

「くっ…………脅迫には通じない。それにあなたは少しは腕がたつようだが、あのフード達には全くもって通用しない。悪いことは言わないからやめておけ。」


 青年は真剣に忠告をした。それに対し俺は携帯電話をかけようとする。答えがNOならば俺も答えは1つだ。青年はそれを見て呆れたように頷き、

「分かったよ。でも君を死なせたくないからあくまでもフードの部下とだけ戦ってくれ。それでもいいのなら、よろしく頼みたい。僕の部下がいろいろ教えてくれるよ。」

「こちらこそよろしく、セヴンスだ。」

「ライトというものだ、よろしくな。こっちは部下のエトロリオットだよ。」

 丸渕眼鏡の部下が会釈をする。この人、戦闘向きっぽくなさそうな気がする。

「さてさっそくだけど、ここには結界を張っているから大通りには音も聞こえず、進路もふさいでる。作戦は完璧だ。ただだからといって必ず勝てるわけではないけどね。」

 あからさまに不安そうな顔をしている、どういうことだ。

「フードのリーダーは『爆弾鬼』の異名をもつバングという男。彼の戦闘力はかなり高く、僕たちが正面から向かって必ず勝てる相手ではないんだ。」



 警軍(日本の警察)には、犯罪者をランク付けしている。それは残虐性、戦闘能力、知能指数で判断されるが、バングはこれのCクラスとなっている。Cクラスとは地方でも上位を誇る犯罪者に記録されるのであり、最低はD、最高はAの次にSとなっている。



「何度も言うが、あなたとエトロリオットは手下と戦ってくれ。そのためにもバングと手下を分断させておきたい。いくぞ。」おう。

 正直、俺がバングと戦いたかったが、四の五言える立場じゃない。ここは我慢しよう。手下で力試しだ。



 《ライト》

 セヴンス君と小声で話しながら尾行をしていると、突然フード達が速く走り出した。

(まさか気づかれたか!?それとも決行の合図か。)

「エトロリオット、フード達に気づかれないように挟み撃ちにするぞ。」

 了解とかえってくるとエト君は先を曲がる。彼だけは結界を通り抜けすることができる。

 細心を払って後を追っているが、どうだ。大丈夫だろうか。としても、先にはエトロリオットが待機しており、手下はセヴンス君に任せたい、ただ俺はバングと戦う。いくら分断できたとしても奴は俺より強いだろう。そんな相手にどうやって勝つか。

 フード達が十字路に差し掛かった!うまくできるか。

「今だ!!」と叫び、前方のエト君が立ちふさがる。フード達にもとっさのことで動きが固まってしまい、その隙を逃さずに俺はスピードを上げ、渾身の蹴りでバングを左路に追いやった。奴はガードもせずに倒れていったのでこちらが有利に少しだけなった。俺は正義はあっても美談とかに興味はない男だと思っているからね。不意打ちは良くある手だ。

 エトロリオットは予定通り分断できたのを確認すると、左路に結界を張る。

([閉]と[界]の合体技、[閉界]!)


 これで手下はライトとバングのいる空間に入ることが出来なくなった。入るためには解除するか、エトロリオットを倒すしかない。


 ライトはここからが本番と思っている。しかし、負けるわけにはいかない。なんとか作戦通りにやっておきたい。俺は目の前の敵に向かい、剣を抜く。

「C級バング。お前にはまた倒れてもらうぞ、市民のためにな。」



『爆弾鬼』VSライト、壮絶な戦いが始まろうとしていた。

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