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第1話 『俺は偉い』

 とある大陸のとある王国のとある都市、そこにはとある領主様がいました。


 その領主様はご機嫌斜めなことが多いのです。


 ほら、今日も……。




「クソったれが!!」


 領主様の怒号が執務室に響き渡りました。


 これに直立不動で立っていた執事の男が領主様に尋ねました。


「如何なさいましたか? ブルース様」


 ブルースとはもちろん領主様の名前である。


 ちなみにフルネームはブルース・ラーズ。爵位は辺境伯。歳は30を少し過ぎた頃。顔立ちは整っておりやや短い髪を逆立てている金髪碧眼。身体つきは筋肉質。まさに戦える身体である。


 そんな執事の問いにブルースは返事をせず、読んでいた手紙を執事に投げ渡しました。


「これは……、王家からの手紙ですが読んでもよろしいので?」


 ブルースは「ああ」とだけ返事をしました。


 そこにはずらっとお決まりの挨拶があり、そこは読み飛ばすと本題に。要約すると……。


「『王、危篤、直ちに王都に戻られよ』ですか」


「まあ、そんなところだ。そこで一つ問題だ。何で俺が王都に行かなきゃならんのだ?」


 この問いに執事の男は答えます。


「ブルース様はこのアルデイン王国の上位貴族でございます。王の最期をみとるのに問題ないかと。それに後継者争いもありましたか。後見人に望まれる方もいますでしょうに」


 うんうんと頷くブルース。すると……


「そこだ! クソっ! ふざけやがって!! ジジイが死ぬのは良い。年だからな。だがな……、何で俺が看取らなきゃいけないんだよ! 勝手に逝けよ! 挙げ句に後継者争いだと? 勝手にやってろ! 国王が誰になろうとどうでもいいわ!! 俺はそういうのが大っ嫌いなんだよ!!!」


 鼻息荒くまくし立てるブルース。


 それもそのはず、ブルースは国王を自分より下の存在としてみていた。辺境伯なのに……。


 つまりブルースの機嫌が悪い理由は自分を呼び出そうとしていること。自分を利用しようとしていることだった。


「そもそも、アイツらは俺が爵位を継いだ時のことを忘れたんじゃあるまいな?」


「13年前ですか。アレを忘れるのは難しいかと思いますけどね。影ながら見守っていた私も呆れましたから」


「忘れてなければいいんだがな」


「「……………………」」


お互いに顔を見合せ、まさかねというような顔をしていました。


執事がコホンと咳払いをし、続けます。


「まあ、ブルース様が行かなくても代わりを用意すればよろしいのでは?」


「俺の代わりなどこの世に存在しない」


「……。えー、あのー、そうではなくて、代わりは代わりでも、ほらっ、わかるでしょう」


面倒くさそうに対応する執事にブルースは鼻で笑いながら応えます。


「わかってるよ。冗談だ。そうだな、親父か王都にアホがいたろ。ソイツに行かせろ」


「ロワイド様はお断りになるでしょうから、王都にいる兄君のハインス様でよろしいかと」


「決定。それで。手紙は書いといてくれ」


「ハッ! では早速そのように取り掛からせていただきます」


執事はスタスタと執務室から出で行き……


「チッ。この忙しい時に面倒ごとを持って来たらタダじゃおかんぞ」


ブルースの不穏な小言を聞き、ため息を漏らすのだった。








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