(4)
「で?結局俺は何したらいいの?」
俺の部屋の前で弟に問われた。
「ホームステイに帰宅させれば勝ち」
「殺害は?」
「認めない。」
「厳しいな。」
「いいか。このミッションはホームステイに危害を加えず、快く帰ってもらうこと。そして、一番大事なのは、母親にこのことを知られないこと。わかったな。」
そう言うと弟ははいと返事をした。
「ただ問題が一つある。今俺らの目の前にあるドアしかホームステイを帰宅させるルートがない。本当に厳しいミッションだけど健闘を祈るよ!」
そういい終え、俺はドアを開けた。
弟が先に入り、次に俺が恐る恐る部屋に入っていく。
しかし、ホームステイの姿がどこにもない。あれ?おかしいな。さっきまでいたのに。
「兄ちゃん。ホームステイいないね。じゃあミッション完了だ。よし、俺戻るねー。」
「待て。あいつは恥ずかしがり屋なんだよ。どっか隠れているんだ。」
「えー?もう帰ったんだよ。もう戻るよ。」
「ジャンプなしだよ。」
「わかったよ。5分探して居なかったら諦めてね。」
そう言い、弟は探し出した。
俺はホームステイ!どこだー!出てこーい!と意味のない声を出して弟にうるさい。と怒られる。
黙々と探し続けたが時間がきた。
「5分たったね。じゃあ俺戻るわ。」
その時だった。一つの黒い影が俺と弟の足元に横切った。
「いた!」と2人揃えて叫んでいた。
ついにホームステイとの戦いが始まった。