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ホームステイ  作者: 夏野ホスタ
3/5

(3)

あいつに頼むしかない!

俺はおじいちゃんの部屋を後にして、隣の部屋の引き戸を静か~に開ける。

ベッドに寝っころがりながら、漫画を読み、耳にはイヤホンをして、携帯に録画しておいたアニメを聞いて、3DSまで操作している。

どれか一つにやることを絞れよ!とツッコミたくなるがしょうがない。不機嫌になられては困る。弟は気分屋だし、これが最後の頼みの綱なのだから。

部屋の中に入っても俺のことに気づいてくれなかった。

俺は弟がつけてるイヤホンを取り、

「ホームステイが出たーーー!」

と叫んだ。

弟はおめえいつからそこにいたんだ?とホームステイってなんだよ!と思ったに違いない。アホみたいな顔でこっちを向いた。

もう一度俺は

「ホームステイが出た。」と今度は控えめに言ってみた。すると、アホみたいな表情から真顔に戻った。どうやら理解してくれたみたいだ。さすがうちの弟だ。話が早くて助かる。なんて心の中で弟を褒めていたが

「やだ。やらない。めんどくさい。」

あーそうだ。こいつは自分の利益にならないことは絶対に動かないんだった。いつからこんなできの悪い子に育ってしまったのやら。

「いいのか?断っても?このままだとずっと俺の部屋がホームステイにホームステイされるんだぞ!」

「知るか!」

「待て待て。他人事じゃないんだよ。よく考えてみなさい。俺の部屋はホームステイにホームステイされているんだから、俺はお前の部屋をホームステイするしかないだろ。それでもいいのか?」

「嫌だよ。勝手にホームステイとホームステイしてろよ。」

こういう時の弟はすごくノリが良い。

「ホームステイとはホームステイ出来ないから。俺とホームステイしたくなかったらホームステイをなんとかして。お願いします。」

「嫌だ!」

くそ。このガンコ者め。こうなったら代価を払うしかないか。

「じゃあ、一カ月分ジャンプ買ってくるから」

「乗った!」

こうして、俺は弟を仲間にした。


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