悪夢の始まり inガマ
沖縄・某ガマ内
かつて沖縄戦で防空壕として使われたといわれるガマの中で、俺は戦争体験者の講話を聞いていた。ガマの中は風が吹いていて、真っ暗なので少し怖さがある。ましてや過去に戦争があった場所である。暗いとかの怖さの他に、『別の怖さ』もある。なんせ俺は霊感強いからさ…つーかさっきから2、3人この世の方じゃない人見かけてるし・・・
(多分こん中の4〜5人は取り憑かれてるな…)
まぁ、今回は取り憑かれてもしょうがないと思う。なんせこのガマは沖縄県内のガマの中でも有数の危険度らしい。俺と同じように霊感持ってる友達も『ここ絶対危険だろwww』って言ってたし…そもそも笑い事じゃないし…
そんなことを考えているうちに、戦争体験者のおじいさんの話が終わった。しおり通りだと、これから黙祷する流れになっている。
『黙祷』
おじいさんの声で、みんな目を閉じた。うん、上の方から視線を感じるのは気のせいだと思っておこう。気にしたら負けだ。
やがて黙祷が終わり、ガマを出ようとした時、見えない段差に躓き、軽く転んだ。近くにいた仲のいい友達に『大丈夫か?』とか『幽霊の仕業か?』とか言われた。暗くて見えなかっただけです。
しかし、その転んだときに、壁に手をついてしまったのがまずかったと、後になって気づいた。その危険度は、この後起こる悪夢によって証明された。