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俺たちが足を進めている砂漠では、十数キロ位の感覚で井戸が設けられている。

ムゥロや他の動物で移動した場合の給水・休憩ポイントとして古代に整備されたものだ。

・・・というのはハロルドからの受け売りで、実は昨日まで井戸があるなんて知らなかったくらいなのだが。

今はシップでの移動がほとんどで、俺たちのように陸路を利用する者は年間を通してもそれほど多くない。

それほどよりも、両手で数えてあまるくらいと聞いた。

オアシスと違い、砂漠の地平線に大き目の岩が置かれているのだと思ったら、それが井戸でびっくりした。

一見するとむき出しで放置されているように見えるが、皆が知っているシールドで覆われていてシップが不時着をした場合や緊急時のために、この井戸はきちんと整備され充分使えるようになっていた。

だが、水は地下のかなり深いところから汲み上げられているので、井戸の周りにはこぼれた水を受けてほんのわずかな草が生えているくらいだ。

俺はルパート達を手伝い、井戸から少し離れたところへムゥロのえさを広げた。

今回はできるだけ古代のルートを使い、古代のような移動方法で遺跡まで行くことになっている。

俺たちの生活もできるだけそれに近いものになっていて、食事は乾燥した穀物や干し肉などがメインだ。

だが、ムゥロのえさだけはそうもいかなかった。

7頭のムゥロのえさとなるとかなりの量が必要だ。さすがに、干しただけの草を積んで運ぶわけにもいかず、コンパクトに圧縮したえさを選ばざるを得なかった・・・そうだ。これも昨日聞いたばかりだ。

1つのパックを切るとそれはあっという間にむくむくと広がる。昨日それを目の当たりにしたときにはあまりの膨らみようにびっくりしたくらいだ。多分千倍以上になるんだろう。

ムゥロが水を飲み終え、広げられたえさを食み始めると俺たちも一息つくことにする。

その都度テントを張るのは面倒なので、伸縮性のポールを立て日よけを張って日陰を作るのだ。

かなり深いところから汲み上げられた濾過機を通してきれいにされた後も充分冷たい。

俺はそれを一口二口飲んで、ほっと息を吐いた。

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