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「勝手に茶いれるからとっとと水浴びして来い」

いつもよりかなり早く博士とセンセイが戻ってきて、日陰へと荷物をずらしていた俺はびっくりして顔を上げた。

「あ、ロープ」

洗濯をしたなら干すところが必要だと今更ながらに気付き、慌ててロープを探そうとすると「いいから」と言われる。

言われてみれば二人とも手ががら空きだ。

なぜかがわからなくて首を傾げれば「出発したばかりだろー。肌着だけで充分だ」そう言って、博士は日除けを固定するロープへとそれをひょいとかけた。

言われてみれば、確かに自分も洗濯するものはない。昨夜風呂に入った直後に全て洗濯して乾かし済みだ。

「じゃ」

言葉に甘えて、かいた汗を流すことにする。

井戸の側へと足を向け、ばさばさと勢いよく服を脱いでいく。

と、ハロルドが後ろに立った。うん?と違和感を感じて、ああと気付く。

今までだったら、俺に陽射しが当たらない位置に立つのに今日は違ったのだ。

「・・・やっぱり跡、残ってるな」

「え?」

後ろで服を脱ぎながらハロルドが言うのを聞き返す。

「跡って?」

聞き返すが、ふふんと笑ってかわされる。

「なんだよ?」

井戸を漕ぎ、水をばしゃばしゃと桶へと溜めながらもう一度聞くが、答えるつもりはないらしい。

ふと、ハロルドの肩口辺りに小さなかさぶたが点々とあることに気付いた。

「それ引っ掛けたのか?」

幾筋にも見えるそれは今にでも取れそうなくらいになっている。俺のように遊歩道にでも入り込んだのかと思い聞いてみる。

俺の問いかけに、うん?と言う顔をして傷を見たハロルドは「ああ」と今気付いたかのような声をあげた。

「引っ掛けた・・・とは違うな」そういってにやりと笑う。

と、後ろを振り返った。

なに?とその体越しに覗き込んでみれば、博士と目が合った。

──なに???

博士がにんまりと笑ってひらひらと手を振る。

──なに???

ますますわからなり、再度首をひねるがハロルドはもちろん博士もこたえる気はなさそうだった。



「へぇ。これってこんなサイズにもなるんだ」

一日の行程を終え、宿泊用のテントを広げながら俺は感心の声をあげる。

四人になったことだし、てっきり俺達が使っていた大きなテント一つに泊まるのかと思ったのだが、相変わらずセンセイと博士とは別とのことだ。二人じゃ大きすぎると思っていたら「大きいままでも良いんだが」そう言いながらハロルドがいくつかの操作をすればそれは2/3位の大きさになったのだ。

「へ~~~」

もとの大きさからどこがどう縮んでこの大きさになったのか。気になりぐるりとテントの周りを一周する。が、とてもうまくできていて縮んだ部分が収納されているであろう継ぎ目がわからない。

──いや、外からはわからないけど、中からならわかるかも!

ひらめいた俺は入り口へと駆け寄って、中へと飛び込んだ。

結局、継ぎ目は外からも中からもわからず、俺はラファニャーランに到着してもわからなかった。

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