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膝の辺りをぽんぽんと軽く叩かれている感覚がして、俺は目を開けた。
あれ?と首を回した先に、センセイの顔がある。
「・・・」
その顔が自分より下にあって、こちらをのぞきこんでいる。
──何だろう?
と思い、やっと気付く。
「!」
びっくりして飛び上がろうとすれば、腕が固定されている。
「やっと起きた」
俺の反応を楽しそうに見ながら、センセイが言うのが聞こえたがそれどころではない。
確認すれば、俺の腕はハロルドの腰へとぐるりと回され、前でハロルドの手で固定されていた。
「ちょっと!」
暴れて手を取り戻そうとするが、がっちり抑えられていて抜けない。
「暴れたら落ちるぞ」
そう言われて、少しだけ大人しくするが「放せってば」と口は相変わらず乱暴だ。
「後ろで寝るから落ちないようにしてやったんだろう」
そう言いながら、ハロルドは俺の右手を離した。
「悪かったな!」
「背中にもたれて寝てるくらいが、かわいくてよかったな」
左の手も放された。
──もたれて寝てただと~!?
そ、そりゃ言われてみれば・・・気がつく前までは体を預けきって寝ていた・・・ようだ。
だが。
ああ、背中が凝っていると言いながらハロルドは首をこきこきと左右に揺らしている。
「かっ、かっ」
「うん?」
「かわいげがなくて悪かったなぁ~!」
俺は言い返すのもお礼を言うのも諦め、捨て台詞を残してムゥロから飛び降りた。




