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美肌なんてふれこみだったから、どんな食事が出てくるのかと思ったら意外と普通だった。保水に富んでいる果実や野菜が多い為に肌が潤うとゲンを担いでいる部分が多いらしい。

さすがにあの直後だったので、俺の食欲は激減していたがそれでもデザートまで食べきることができた。

店を出た先で皆で集まる。

「俺達と行くか?予約してあるぞ」

「よ、予約!?」

とんでもないと俺はふるふると首を振って断る。

──第一、予約って、予約って。センセイ達何を考えているんだろう。信じられない!

「気持ち良いぞ~。お前、好きそうなのに」

その言葉に、俺はますますと気持ちも体も引く。文字通り、後ずさりしたくらいだ。

「俺、付き合います」

『え!?』

ルパート、バートを挟んで向こう側にいたハロルドが言うのを聞き俺は肩をはねさせ、次の瞬間さーっと血の気が下がるのがわかった。

──昨日の今日で・・・

先程の怖い顔を思い出す。あの時に嫌われたのだろう。

『目の前が真っ暗になるというのはこのことを言うのか・・・』

悲しい気持ちになりながらも、どこか冷めた部分で俺はそんなことを思った。

「俺も行く~」と元気な声をあげるバートの声を聞きながら、俺はため息をついた。

「じゃ、俺先に帰ります」

「ちょ、カイン?」

センセイが呼びかけるのを気付かない振りして、背を向けて歩き出した。

「泣かせるなって言っただろう。送って来い」

そういうセンセイの声が聞こえ、俺は足を速めた。

──そんなの必要ない

店の前の道を進むと南北に走る大通りに出る。俺はちらと左右を確認して左手に曲がった。

「カイン、待てよ!」

通りに出て数歩進んだところで、ハロルドから声がかかる。

「必要ない!」

俺は振り返りもせずに大声で答える。

──センセイの指示がなかったら、来なかったくせに

そのままずんずんと足を進める。

『やばい・・』

そう思ったときには、もう目の前がうるうるとしている。にじんだ視界ではほとんど前が見えない。俺は目をしばたたかせた。

ポロリと涙が落ちると一瞬だが視界が開ける。

本当は手で拭いたかったが、まだそばにハロルドがいるかもしれないと思うとそうもいかない。

──泣いているのがわからないように、腕は上げない肩も震わせない

自分に言い聞かせ、ぽろぽろと涙が落ちるまま俺は足を進めた。

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