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「・・・そんなんじゃ体が冷えるばっかだぞ」

やってきて隣に座ったハロルドが何にするのかを聞くから、これとこれとメニューを指し示せば呆れるように言われた。

「え・・・」

「第一、昼間に酒も飲んだろう」

「う・・」

「せめてこっちのスープを足せ」

「スープ・・・」

『暑いのに、熱いものかぁ』と俺は心の中で思った。が、勧められるままにそれを注文した。

「結局世話を焼かれるんだな」

そう言ってバートが笑うのを、左足でがつんと蹴飛ばした。


レストランを出たセンセイ達は足取り軽く──いつになく浮き浮きとした様子でロビーの方へと足を進めていく。その後ろを歩いてたルパートとバートは「俺達寝るわ」と一番最後に歩いてたハロルドと俺に言って、ロビー手前の角を折れていった。 食事後に「朝食・・・いや、昼食から一緒にとるか。十一時半頃、またロビーに集合な」と博士がキッパリと言うのに俺達は頷いたから、今夜はもう各自自由行動だ。

センセイ達は気にすることなく、エントランスから外へと出て行く様子だ。

俺は数歩先を歩くハロルドの服の裾をつんと引っ張った。ハロルドが振り返る。

「どうした?」

「なぁ・・・センセイ達どこに行くんだ?聞いてるか?」

ハロルドはちらりとセンセイ達の背を追ってから、俺の方を見た。

「いや、特に聞いていないが。だが、大体察しはつくぞ」

「どこ?どこ?」

ハロルドの視線が泳ぐ。

「うん、まぁ、なぁ・・」

視線だけでなく言葉まで泳いでいる。何を言いよどんでいるのだろうか。

「はっきり言えよ」

俺が促すと、ますます困った顔になる。

「まぁ、夜だし」

ごもごもと濁すところに「夜?飲みに行ったとか?」と俺が突っ込めば「いや、そうじゃなくて・・・」とさらに言葉が濁る。

『何が言いにくいのだろう?』首をひねる。もう一度ハロルドの顔を見上げて『あ・・・』と思う。

三週間近くの陸路。各オアシスではたまった欲を解放する色のサービス業がこっそりと・・・でも盛んな時代が過去にあった。昔に比べてオープンになった為、そういった業種は少なくなったとはいえ無くなることはない。

──センセイ達も男だもんなぁ

よくよく考えれば、男盛りって言われる年かもしれない。ショックといえばショックなのだが、しょうがないとも言える。

俺の微妙な顔の変化を見ていたのだろう「お前も行ってみるか?」とハロルドが聞いてくるのに、俺はぶんぶんと首を振る。 と、ハタと気付きハロルドの胸辺りの生地をつかむ。

「ハ、ハロルドも行きたいとか!?」

「行くはずないだろう」

ハロルドが苦笑いするのに、俺はほっとした。

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