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部屋に戻ったのは夕飯の待ち合わせの1時間ほど前だった。

のんびり湯船に浸かる訳にもいかず、俺は『帰ったらきっと!』と手早くシャワーを浴びて身支度を整えた。


待ち合わせのロビーへと行けば、センセイと博士が一番だった。

「上司を待たせるとはなぁ~」と二人に突っつかれているうちにルパートとバートもやってくる。

「明日はコース料理だから、今夜はここのレストランで良いだろう?」

センセイが言うのに、部下である俺達にはもちろん異論はない。

「ハロルド、お前もだぞ」

俺が部屋を出るのに一緒に出てきたハロルドにセンセイが声をかける。

「え?」

ハロルドが怪訝な声をあげるのに「俺達と一緒の行動だ。カインのお守もお前の仕事だぞ」と先生が肩を組みながら声をかけている。

「不服か?」なんて一応聞いてはいるが、どう考えても強制に近い。

──第一俺のお守りって!

俺が博士に一言言おうと口を開いたところで、「じゃ、移動な」と言ってセンセイが歩き始めた。

──センセイ、タイミングがうますぎます・・・


「あら、ハロルドじゃない」

レストランの入り口で、ハロルドが声をかけられた。すらりとした美人だ。ハロルドはああと言った感じでそつなく挨拶を始めた。

誰?と皆の視線を感じたのだろう、「クライアントの奥様だ」と説明してくれた。

彼女はこちらのメンバー全員の顔をさっと見た後、ハロルドの腕へと手をかけ、そっと自分の方へ誘導する。

「ちょっとだけ話してもいい」

ハロルドがセンセイと博士の顔を伺うのに「どうぞどうぞ」と博士が安請け合いをする。

と、席が準備できたようでボーイがやってきた。

「先に行ってるから早く来いよ」

センセイがハロルドへそう言って奥へと足を進める。一番最後、バートの後へと続きながらハロルドのほうを見れば、その女性はハロルドへと寄りかからんばかりになって話をしている。

俺の中で、もやもやっとしたものが広がっていった。

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