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「待たせたな」そう言ってハロルドが戻ってくる。その手の中のキーを覗き込めば、先程と色が変わっている。メタリックがかった水色だ。
「・・・それ」
俺が指摘すると、「ああ、空きがあったから変えてもらった」と返事がある。
「空き?」
「ああ、面白い部屋だ」
「面白い?」
「ま、みればわかるだろう」
じゃ、たのむと少し先で待つポーターにハロルドは声をかける。
ポーターとハロルドが歩く後ろを、俺は追いかけた。
結局、鍵の色の違いは教えてもらえないままだ。
──これって
上から見れば明らかに円を描いているのだろうなと思いながら、通路を進む。
右手は大きなガラスがはめ込まれて、その向こう側には緑が向こうの方まで幅広く一面に植わっている。
そしてその先には湖があった。このオアシスにある湖はカラカラの乾季になっても干上がることはめったにないらしい。前回干上がったのは百年以上前だったと聞く。
ポーターが「こちらです」と声をかけ、左へと折れる。折れた先には階段があり、そのまま十数段を下りた。
「あ・・・」
下りた先にはガラスがしっかりとはまっているが、草がぽやぽやと生えた砂地が見える。その向こうに湖だ。
俺は天井を見た。
先程、ガラス越しに見えたたくさんの緑が生えていた部分がこの上らしい。ガラスの向こう側に湖へと突き出る壁が見える。その壁には小ぶりな窓が3つついている。
足を進めるとどんどんとそれが近づいてきて、ガラスの壁が普通の壁へと変わる。そして、数歩進んだところには扉。さらに進むと壁がまたガラスになり・・・。
扉の向こう側が客室になっているのが俺にもわかった。この空間は歯車の歯に当たる部分が客室に、歯底円の部分が通路になっているようだ。
2つ扉を通り過ぎた後、次の扉がポーターによって開かれた。




