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「・・・・」

俺は博士のヒゲ面をまじまじと見た。旅に出て以来、博士はひげを剃っておらず、微妙な伸び加減になっている。朝一番の休憩の時、「剃れよ」とセンセイが言うのを聞き流している。

俺はもともとヒゲはほとんど生えないタイプだ。おまけに肌の色もあってか目立ちにくい。剃るのでははくて、撫でてみて気になるのをぴっと抜けばいいくらいだった。

なので、服の上から体を洗った後にヒゲを剃る面々を見るのは毎回複雑立ったりする。ちなみにバートが面白がって、初日だけ剃らずに伸ばしたままにしていたのだが、童顔なのにヒゲが不評すぎてその翌日には無言で黙々と剃っていた。

「それになぁ」

センセイが声を出したので、今度はなにを言われるのだろうと思いながらセンセイへと目を向ける。

「なに、ごちゃごちゃ考えてる?」

覗き込むように言われて、俺は首を傾げた。

「お前、煮詰まってくるとあれこれ暴れるんだよ、昔から」

「ああ」

言われて、先程のことだと気付いた。

「特に紙と鉛筆がないときはな」博士が付け足す。

「・・・そうでしたっけ?」

自覚がないので聞き返せば「そうそう」と二人で仲良く頷く。

「で?なに考えてたんだ」

ニヤニヤと博士が笑いながら聞いてくる顔を見て、『ああ、そう言えば昔もこんな風に言い寄られていろんなことを吐かせられたなぁ』と幼い頃を思い出した。

その頃は読んでいた本の感想だったり、友達とのやり取りだったりした。

「いや、昔のことを思い出してたら、つい。考え事じゃない・・です」

「ああ、あるある。あの時~って頭抱えたくなること」

ルパートが納得する。

「なんか、次から次へと浮かんできちゃってさ」

「あるよねぇ」

「あるな。俺なんて・・・」

その後はなぜか皆の思い出すとわーっとなるが今だったら話せる話大会になった。

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