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「・・・・・・・」

昨日、自分が乗っていたムゥロには全体的に荷物が乗せられていた。

──俺、これのどこに座るんだ?

──それ以前に嫌がらせかと思った方がいいのか?

どう考えてもこんなことするのはあの男──ハロルド──しかいない。

──どういうつもりだ!?と詰め寄っても良いよな

心の中で自分へと激を檄を飛ばし、俺はきっと目に力を込めて振り返った。

と、ちょうど目が合う。

すぐに言葉が出ず、口を二度程ぱくぱくさせてから、声にする。

「俺の乗るところがねぇんだけど」

──ああ、エルヴェがいたら言葉遣いが悪いと叱られそうだ

ちらりと思った。

「ああ、今日は俺とだ」

ハロルドは自分の前の空きスペースを叩きながらさらりと答えた。

「はあぁぁ!?」

とっさに大声が出た。

「なんでお前と!」

「お前の座り方が悪い。おかげでこいつは昨日の疲れがとれてない」

ハロルドが顎をしゃくって示すのはもちろん俺が乗っていたムゥロだ。

「えっ。・・・わ、悪かったな。初めてだったから」

ハロルドから視線をはずしムゥロの腰の辺り、置かれた荷物のからのぞく肌を撫でて謝る。

「すふぅん」とムゥロは息を吐いた。

許してくれたのか、呆れているのかは残念ながらわからない。

ムゥロはもちろん、俺は今まで動物の背に乗ったことがない。

ムゥロの背は大きくて意外と安定感があったから、初めのうちは緊張していたがしばらくするとリラックスできたから大丈夫だと思っていたのに。

それは独りよがりだったのかと、俺は反省した。

──が、

じゃぁと「ルパート・・・」と視線を動かせば、ルパートの前にはバーンが乗っている。

「なんで!?」

不謹慎にも大声で聞いてしまった。

「俺、夜番だったから、移動中に寝るんだよ」

バーンが目をこすりながら言う。

あ、あくびもしている。

「ああ、それで二人・・・」

──一人で移動中に眠ったら確実に落ちそうだ。

納得しつつ、『夜番って順番?俺もやるんだよね?』なんてちょろっと考えて、はっと我に返る。

「じゃ、センセイ」

往生際の悪い俺に「カ~イ~ン!」ってセンセイからのゆるいお叱りが来る。

「はい、わかりました!」

そう返事をするも「アルもダメだからな」とダメだしが来る。

「わかってます!」

センセイと共同研究をしているアルベール博士はたいそうな強面だ。

第一、自分の上司を差し置いてお世話になんてなれない。

俺はムゥロに乗っているハロルドを見上げた。

不本意だが、ハロルドに乗せてもらうしかない。

「・・・お願いします」

ペコリと頭を下げた。

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