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テントからのそのそと出た俺は我ながら微妙な顔をしている自覚はあった。

そんな顔をバートが見逃すはずがなく

「おはよう、カイン。ブサイクになってる」

と声をかけてきた。

「ぶさいく・・・」

挨拶よりも、その言葉に俺はがっくりときた。

が、そりゃ、変な顔になるってものだ。

朝方むにょむにょといろんなことを考えているうちにまた眠ってしまったのだが、寝起きが悪かった。

眠る前に博士が言った「愛だよ、愛」が頭の中でリフレインして、それに俺は『ああ~』と妙に納得してしまったのだ。

そして、起きた途端に、すんなりと納得した自分に愕然とした。

──そんなはず、ないだろう

ぶつぶつと自分に言い聞かせながら、着替えたばかりだった。


なぜか、ハロルドの背中を見ている。

散々、小さいから見晴らしが変わらないと俺のことをからかったくせに、出発する段になり「お前は後ろ」と言われたのだ。

俺が自分にあれこれ言い聞かせているうちに、センセイ達はハロルドと話をつけたらしく、一匹のムゥロに二人ずつ乗って休憩毎にムゥロをローテンションすることになっていた。まぁ、それは妥当だと思うので何の文句もないのだが。後ろ・・・。

でっかい背中を見ているうちに朝のことを思い出す。

じたばたしている自分を認めたくなくて、でもこんなことでぐるぐるするのは初めてなのだ。

『あ・・』

ふと先日一緒に飯を食べに行ったときの事を思い出す。あの時、背中を褒められた。見上げてくる視線が照れくさくて。

『そうか・・・そうなんだ』

わ~~~っと思って、思わず頭を抱える。足もじたばたとして暴れだしたいほど、自分の鈍さが恥ずかしい。意識して感じまいとしていたとしても、申し訳なさ過ぎる。

芋づる式に自分の鈍さエピソードを思い出してしまい、俺はムゥロの背で一人悶絶していた。

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