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『うん?』と思って意識が浮上した。
腰の上にある何かをどかそうとして手で払ったのだが、それがうまくどかなくて、目が覚めてしまったのだ。
『うわっ』
目を開けて視界に入ったのは肌色のもので、それは人の首から顎にかけてだった。昨日はびっくりして思わず飛び起きてしまったが、今日はとっさに動けず体を硬くしてしまった。
昨日の朝のこと、そして寝た位置を考えればハロルドに違いない。
自分の記憶をたどるが、肌寒い思いをした覚えも「寒い」と口走った覚えもない。・・・が昨日同様に抱え込まれて眠っていたようだ。
『ってか、近いし!』
気付いてしまえば、時々おでこ当たりに寝息があたる。それがむずむず感を増す。なんか照れくさくて、俺は離れようと身じろぎをする。
が、腰の辺りに回されていた手が背中に回って、ぽんぽんとなだめるように叩かれる。
逆に距離が縮んでしまい『~~違うって!』俺はさらに体を硬くした。
こうなったら強引に動いて腕の中から抜け出せばいいとはわかるのだが、この距離になれなくてうまくいかない。
ぐるんぐるんと頭が空回りしているのが自分でもわかる。
そして、ハタと気付いた。──変なところに着地した自覚も込みでだ。
小さい頃からずっと一人で眠ってた。寝相が悪かったのもあって、大きめなベッドで一人眠ってたのだ。
両親は仕事で不在がちだったし、方針としても、歳が離れていたのもあって兄達と一緒に眠ることなんてなかった。
熱を出した時も一晩中付き添いしてもらった記憶はあるけれど・・・。
学生の頃キャンプに行ったり、雑魚寝をした時もこんなに近くに人の気配を感じたことは今までなかった。
『あ・・・』
距離の近さを再度意識したら、鼻がふんわりと匂いを拾った。昨日使った、ボディソープの匂いだ。
自分じゃなくて、ハロルドから香ってくる。
『う~~、わ~~~っ』
胸がドキドキする。そして、ごろ寝した翌朝男くさくって閉口したのを思い出した。
そんなことを思い出して、比較している自分にますます『う~わ~!恥ずかしすぎる!』と思い、思わず体を大きく動かした。




