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テントの中に入り、視線をぐるりとルパートとバートの方へと向けると二人とも、もう眠りにつく寸前という感じだ。というか、既にバートは目を瞑っているので、眠っているのかもしれない。

足を忍ばせそっと自分の陣地へと戻る。

そして枕元に置いておいたバッグからできるだけ音を立てないようにして、記憶を頼りにもう一枚のクスコスを取り出した。

「・・・それ」

小さな声でハロルドが言うのに、俺は頷いた。

このクスコスも昔ながらの方法で栽培された糸と職人が手織りしたものだ。だがさすがに──タオルの件で学習済みだ──それを口にすることはしなかった。

昨夜は自分なりに厚着をした後ごろりと横になり、そのまま真っ先に眠りに着いてしまったから他の皆がどんな服装で寝たのかは知らなかった。(ちなみに起きたのも一番遅かったのだ)

見れば、昼着たクスコスをそのまま着て眠るらしい。

が、俺には無理だった。『これだからお坊ちゃん育ちは』と呆れられるかもしれないが、感覚的に無理だ。幸い、もう一枚クスコスがある。──なかったら、我慢して着てたとは思うけど。

「こっちは寝る時ようにする」

誰に言うともなしに──ハロルドが聞いていればそれもヨシで──俺は言った。

「好きにしろ」

聞こえたようでハロルドが答える。それを聞きながら俺は着替えだした。


「消すぞ」

「ああ」

俺は床に横になって毛布を首の辺りまでもそもそと上げながら、返事をした。

そして天井から吊り下げられ、テントの中を照らしていたランプをハロルドが抱えるようにして消すのを目で追っていた。

カチリ

音とともにふぅ~っと火が消えていき、テント内は真っ暗になった。

まぶたを閉じるとその最後の大きさの残像がちらちらとする。

そのちらつきと、ハロルドが隣へと横になって何度か寝返りを打つ音を聞きながら俺は眠りに落ちていった。

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