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ハロルドに連れられ、自分達のテントに戻る。
センセイと博士が同じテントで、ルパート、バート、ハロルドに俺が同じテントだ。
感覚的は研究室毎になるんじゃないの?と思ったのだが、初日の晩、俺が疲れてボーっとしているうちにテント分けは終わっていた。
せめて三人ずつが良いんじゃないかと気を利かせて「あっちに行こうか?」と言ったら、三人が一斉に「ダメだ」「ダメっ」「邪魔するな」と言われびっくりして、そのままになってしまった。
──センセイ達の高度な話を聞くチャンスなのに~!
センセイと博士の専門的な話は聞いていて飽きない。ついついあれこ質問したくなるのだが、大人しく聴講することも覚えたのに。
ま、専門的な突っ込んだ話をしたいという上司の気持ちもわかる訳で、俺は気持ちを残しつつ泣く泣く身を引いたのだった。
だから、せめて夜番の間だけでもと思ったのだが。
テントの床面に座り込み、ハロルドを見上げる。
「何で、今夜は2~3時間で平気なんだ?」
昨夜は夜番をルパート、ハロルド、バートと担当したらしい。
「出発してから距離もあるしな」
ハロルドの短い説明では理由が全然わからず俺は首を傾げた。
「つまりだ・・・」
ため息をついてハロルドは細かく教えてくれた。
俺達が出発した町からしばらくの間は環境保護区域となっていた。そのため、テントを守るシールドははることはできるが野生動物の忌避剤を使うことは禁止されていた。昨夜の移動距離だと、町近くで生息している動物がムゥロのにおいをたどり襲撃してくる場合があったのだそうだ。シールドがあるとはいえ念の為、夜番を置いていたらしい。
──もし襲撃されるようなことがあれば、麻酔銃の使用も許可されていたのを俺は初めて知った。そういう点では、麻酔銃が使えない俺ははなから夜番の要員としてはずされていたそうだ。
・・・というか、ルパートとバートが麻酔銃を使えるなんて初めて知った!
今夜のテントの位置だと、巣から出発し明け方までにまた巣に戻るのはほぼ不可能らしい。だから2~3時間も夜番をする必要はないらしく、あくまでも念の為であり、どちらかというとセンセイ達の会話の時間と言った方が良いらしかった。
ちなみに、明日以降は完全に保護地域を抜けるので忌避剤の使用ができるそうだ。




