20
夕食後、俺はセンセイ達のテントの前に立っていた。
夕食は古代のように日が落ちる前、少し早めの時間に済ませているのでまだ外は薄暗くなり始めたくらいだ。
テントとテントの間の移動も明かりなしで充分できる。
テントはさすがに当時のものを用意することはできず、似たような生地を用意して代用している。建て方は、砂漠の風をうまく流すようなドーム型で遮光性にも優れていた。
ぽすぽすと入り口の布を叩き、声をかける。
「センセイ」
「どうした?」
生地の向こう側で声がする。位置からして、奥の方にいるようだ。
「ちょっと良いですか」
しばらくしてから「どうした?」とテントの入り口が開きセンセイが顔を出した。
「今夜の夜番ですが」
「ああ。俺達がやるよ」
「えっ?そうはいきませんよ」
俺、一番ペーペーだしと付け足すが、センセイはうんと言わない。
「今夜はそんなに必要じゃないんだよな。やっても二、三時間だし」
「だったらなおさら、俺が」
「アーサー?どうした?」
ハロルドが声をかけてきた。
「夜番をやるって」
センセイが俺を指差しながら言う。
「ああ・・・」
ハロルドが俺を見下ろす。
「俺が一緒にやりましょうか」
「いや、今日は俺達が。話したいこともあるし。そんなに真剣じゃなくても良いんだろう」
「ええ、かなり距離も離れましたから。あくまでも念のためです」
俺を蚊帳の外に置いて二人は話をつめていく。二人でツーカーと話が進んでいくので俺には話の背景が見えなかった。
「じゃ、アーサー達に任せます」
行くぞと、ハロルドが俺の背を押す。
「ええ、だって」
センセイがひらひらと手を振る。
「俺もセンセイ達の話を聞きたい!」
じたばたと暴れたら「アーサーの邪魔はするな」と叱られた。




