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「おい」
声とともに手をとられ、はっとする。
掴まれている手を見れば、ぼんやりとしているうちにボトルの蓋を開けていたらしい。指を突っ込みクリーム状のそれをくるくると攪拌していたようで、指の第一関節までクリームがついている。
「さすがにつけすぎだろう」
俺の指先をのぞきこんで、くくくくとバートが笑う。
──どうしよう・・・
ぼおぅっとしていると「よこせ」と横から声がして、手首をひねられる。
「あ」
指先がくるんとなってハロルドの手のひらにクリームの半分位がついた。
どうするのかとその手を見ていれば、擦り合わして手のひら全体に伸ばしている。
と、視界から消えそうになるのを顔をあげて追いかける。
「ほら」
「ん?」
かけられた意味がわからず、間の抜けた返事をしているうちに髪にハロルドの指が絡んでやっとわかる。
「んんん!」
表面を撫で付けた後、内側へとつけようとかきあげられた髪がハロルドの絡まり俺は抗議の声をあげた。
「文句を言わずに、それ腕につけろ」
言われて自分の指につけたままのクリームに気付いた。
大人しく言われたままに腕につけて伸ばす俺を見て、ルパートとバートは「昼食の手伝い先に行くぞ」と言って席を立ってしまった。
さすがに両腕に伸ばしきると香油もなくなる。
新しいクリームを瓶からすくいだし、足へと塗る。
「裏側も塗れよ」
「ああ」
言われて、足首の後ろからふくらはぎへとなであげようとして手を止めた。
一番太いところ近くがひりひりする。
後から塗ればいいやとふくらはぎは飛ばし、ひざ裏からさらに太ももへと塗ろうとしてまた手が止まる。これまたぴりりとしたのだ。
「・・・・・」
──無理やり塗った方がやばいんじゃないか?
俺は思った。
──このまま、ズボンをはいてやり過ごしたほうがいい
すっとぼけてズボンをはいてしまうことにして、手を伸ばしたところで「こら」と声がかかった。




