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ハロルドから渡されたボトルを傾け、見よう見まねで腕の辺りを泡立たせてみた。
「・・・・・」
肌に服がへばりつく感じのところになんとなく泡のもわっと感が加わり、なんとも言えない感じだ。
だいたい、このへばりつくのを剥ぐようにして脱ぐのが大変そうだ。
だんだんと面倒くさくなった上に、昨日分の着替えが袋に入っていたことを思い出す。
「どこいく」
手を止めて、袋へと歩みようとするとハロルドから声がかかる。
「昨日の分、洗わないと」
「・・・ああ」
腑に落ちた声を背に、ごそごそと服を出して戻れば「お前・・・その量は」と言われる。
「え?」
「一日でそんなに着たのか?」
バートが飽きれた口調で聞いてくる。
「???シャツと下着とズボンだけど」
そんな異常な量かとかしげながら、ばさばさとたらいの中へ落とし込む。
実は下着は2セットあるのだが、そこは言わなくても良いだろう。
先ほどルパートが服を脱いだ後、足で踏んでソープを落としていた。
初めから踏んで洗ってしまっても問題ないだろう。
──ついでに、ぺたりと張り付いていた服も脱いでしまえ。
そう思って、シャツのボタンをはずしていると、また声がかかった。
「カイン!」
返事をしないで、声の主のルパートを見る。
「何でそんなに着てるんだ」
「え」
言われて自分の服を見れば、別段変わらずシャツの下に下着を着ているくらいだ。
「クスコスの下は1枚で良いんだよ」
「え・・・」
言われてみれば、洗濯兼水浴びをしていたルパートはノースリーブのシャツを着ていた気がする。
「そんなに着こんで、よく干上がらなかったな」
そばでハロルドのあきれた声が聞こえた。
「それでその量か。頑張れよ」
バートの励ましは嬉しくなかった。




