4 レスラレ夫は本当だよ
トイレから出たところでユミと出くわした。
「あの牛雄先輩・・・。さっきはごめんなさい。角川先輩が怖くて・・・話あわせちゃって・・・」
「いいのいいの。気を遣わせちゃってありがとな。それよりさ。ユミくんこそ本当にやばかったら、早くコンプラ室に相談した方がいいよ」後輩のユミを気遣うくらいの大人の度量は見せないとなあ、と考えていた。
「わ、私のこと心配してくれてるんですか!ありがとうございます。それに・・・自分で撒いた種なんで・・・。なんとかします。って、今は私の話じゃなくて!牛雄先輩の彼女さんの話です!」ユミは頬を赤らめる。牛雄は小さい声で話そうと一歩ユミに近づいた。ユミの顔がさらに赤くなったような気がする。小さい声で牛雄はユミに伝える.
「ああ、情けない話だけど。その、なんていうの、レスラレ?っていうのかな。それは本当だよ」
顔を真っ赤にしたユミが下を向いたまま何かモゴモゴ言う。
「そんなの普通っていうか。どこもそうだし、たぶん牛雄先輩は悪くない、っていうか。ちょっとしたボタンの掛け違いだって思ってて・・・。だって牛雄先輩はこんなに・・・」顔を上げたユミの目を牛雄は上から覗きこむ。その瞳は潤んでいる。
「僕がなんだって?」
「何でもないです!あのレスなんて普通の事だし。それに女風も普通の事ですから!みんなやってますから!だからもし良かったらコレを!」
ユミが急に牛雄の手を取った。熱いユミの体温がつたわってくる。ユミが手渡したのは、黒いショップカードだった。牛雄がそのカードに目を落とす。
「え、なにこれ、ちょっと・・・女性向けセラピストって!?」今度は牛雄が顔を真っ赤にしてユミにカードを押し戻す。ユミも顔を真っ赤にして押し戻して突っぱねる。
「違うんです!ほんとに違うんです!そんなに変なものじゃないんです!本当なんです!とにかく騙されたと思って彼女さんと仲良くしてください!それじゃ!」ユミは全速力で廊下を走り逃げていった。
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