3 まったく自信をモテないセックス
「ユミが言えばいつでも俺が・・・。ぐへへへ。いくらでも慰めてやるからよ。ジュルジュルっ」角川がユミの顔を舐めるように見つめた。
「え、えーっと・・・。は、はいっ」ユミは身体を一瞬びくっと震わせてのけぞりながら、ちらりと牛雄の方を見た。それからいつもの笑顔を角川に向けた。
男子トイレ、鏡の前に立つ牛雄。
鏡に映った自分を見る。あまりに情けなくて涙も出ない。それでもこの会社に居座り続けなければならない。就職氷河期の学生時代にまったく就職できなくてやっと拾ってくれた会社だ。乙葉とも出会った思い出の会社でもある。それに・・・とてもじゃないが今でもお荷物扱いされてるのに辞めて転職できる自信もない。40代中盤の転職なんて大穴狙いのギャンブルが出来るほど度胸が無いのだ。
鏡に映る中年男は太っていて吹き出物が多い。どう考えてもストレスだなと思う。髪も薄くなったなあと思う。いつまでも若くはいられない・・・。いや若い時も決してイケてはいなかった。自分で選んだコーディネートも地味でそれでいて野暮ったく。致命的なセンスのように思えた。
そもそも乙葉はなんで俺なんかと付き合ったんだろう。角川の言うとおり、自分自身でもそれが最大の謎だ。それに、その後もよく無かった。付き合って最初のうちこそ、自分の性欲を乙葉にぶつけ続けた。しかしそれも続かなかった。それよりも乙葉の神々しいほどの裸に気圧されないよう必死だった。まったくもっと自信を持てない無いセックス。乙葉はどう思ってたのだろうか。怖くて一度も聞いたことがない。
そして自分の欲望を満たすためだけのセックスをくり返したが、どんなに美しい身体にも次第に飽きが来るというか、自分が性欲を吐き出す元気を徐々に失い、乙葉に対しての自信を失う中で、自分の固い部分が萎えてくるのを感じた。40代ともなれば、自分の性欲や女体への興味なんて言うことは、すぐに枯渇してなくなってしまった。
そして致命的な気づきを得る。セックスがなくなった時に、乙葉があきらかにほっとしていた。
「乙葉は無理して付き合ってくれてたのか」そう思ったらもう情けなさと悔しさで涙が溢れた。そしてあっちのっ方はもう完全に機能しなくなった。
Hなビデオを観たり、自分でする分には反応する。なんて役に立たない僕の相棒。しかも乙葉との夜が無くなったことに自分自身もほっとしていると気づき。二重三重二情けなくなる。僕の人生には、誇れるものは何にもない。
関根るりです。良ければAmazonフォローよろしくお願いします。
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