表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

大好きだった彼

作者: ぬな

彼に出会ったのは高校二年生のクリスマス

大好きだった元彼から電話が来て「今男友達といるんだけど、三人でホーム・アローンを家でみよう」と夜の十時くらいからいきなり電話がかかってきた。会ったこともない友達がいるのが気まずかったが、バイト終わりで暇だったしすぐに向かった。

着くと元彼が玄関で出迎えてくれていた。赤色に変えた髪色を自慢したが「黒髪の方がいい」と言われてしまって帰りたくなった。下向きのまま部屋に入ると彼の友達がいた。部屋が真っ暗で顔がよく見えなかったが、優しそうな声をしていたのを覚えている。

結局ゲオにホーム・アローンがなくて結局みんなですずめの戸締りを見た。

見たいと言い出した元彼が途中で寝落ちして二人で見た。

友達が「コンビニで飲み物を買いたいからついてきて」と言うので重い腰を上げて徒歩7分くらいのコンビニに二人で向かった。

コンビニに着くと「これも買って!」ジュースを奢らされ正直今まで奢らせてくる男性に出会ったことがなかったからびっくりしたが、その時はお金があったので「いいよ」と大人ぶって奢ってあげた。

帰り道「彼氏欲しいとか思う?」と言われ正直いきなりだなと思いつつも「欲しいから今探してるところ。でも運命の人なら探さなくても寄ってくるから大丈夫」と自信満々に言うと「そんなんだから今いないんじゃないの?」と言われ少しむかついたのを覚えている。

最近憧れて吸い始めたさっき買ったばかりのたばこを取り出し開けようとすると友達が「この開け方すると取り出しやすいよ」と教えてくれた。

気がつくともう家の前だった。大好きな元彼の横で寝ようとすると「まだ眠くないから話そう」と言われ嫌々付き合った。なにを話したか覚えてないがよく喋るな〜と思った。自分が喋るのは苦手だから喋ってくれるのはむしろ助かった。

インスタを交換しようと言われ、IDを検索しプロフィールを開くと見覚えのあったアイコンと共通の欄に私の親友がいた。

「え、前にこの子と話してたよね?」見せながら言うと「え!もしかして友達?前喋ってたよ!」とびっくりした顔で言っていた。

一年前ほど前、男の子と滅多に喋らないかわいい親友が「男の子からDM きたんだよね。でもなんて返信したらいいかわからないから返信考えて」と言われ、私が答えた返信をそのまま送信していたので「君が喋っていたと思ってるかわいい親友の中身は私だよ」と言おうと思ったが、会話は一ヶ月したくらいで自然と話さなくなったみたいだし、別に今更どうでもいいかと思い言うのをやめた。

時間を見ると深夜二時だったのでもう寝ようとなると二人しか入らないベッド一つと寝袋があった。元彼が寝ていたベッドに入ろうとすると、「二人で寝よう」と元彼を抱きしめ始めた。嫌そうにしていた元彼の顔が忘れられない。

「私もベッドがいい」と言うとなぜか元彼がそこをどき、一人で寝袋で寝始めた。

そうじゃないのにーと思いながら嫌々友達の横で寝た。朝起きると横に友達の姿はなかった。そういえば明日朝から現場の日雇いがあるって言ってたな。と思い出していると、元彼も朝から用事があったらしく私もすぐに家に帰った。

家に帰り二度寝から目覚めると彼の友達からDMがきていた。しょうもない内容だったがなぜか会話が続き、話の流れで二人で遊びに行くことになった。

それから定期的に二人で遊びに行くことが多くなり、気がつけば大好きだった元彼を忘れ、彼のことが気になるようになった。インドアだった私を地元のダムや映画、喫茶店など色々なところに連れてってくれた。

デートして三回目で告白がベストと言われている中で何回も遊びに行っているのに告白をしてくれないことに少しむず痒さを感じた。

出会って週2のペースで遊び始めて一ヶ月後、やっと告白をしてくれた。告白も不慣れで可愛かった。

それからというもの月日はあっという間に過ぎ、6月3日、私の誕生日になったが私の誕生日には何もなし。高いものをねだっているのではなく手紙でいいからほしかった。彼に聞くと「お金がなかったから少し遅れて渡すつもりだった」と言われた。「そんな高いものいらないし、遅れるなら一言欲しかったよ」というと彼も反省していたが、感情的になってしまい「本当は私のこと好きじゃないんでしょ。もう別れたい」と言ってしまったが彼は「本当に大好きだから別れたくない」と言ってくれた。その一度をきっかけに、何度突き放しても追いかけてきてくれるのが嬉しくて心地よくて本当に離れるつもりはないのに何度も突き放してしまった。

いつものように喧嘩で「もういい」といいまた話をしに家まで会いにきてくれるだろうと思い待っているとそのまま朝になっていた。

「なんで会いにきてくれなかったの?」と電話すると彼はめんどくさそうに「もういいかなと思って」と言われてしまった。今まで彼に突き放されたことがなかったので本当に悲しかった。

このままもう会うこともなくなった。

いつ結婚する?って言ってくれたのにと思い、毎日ずっと一人で泣いていた。

約二年間ほぼずっと一緒にいたのに、終わる時はこんなにあっけないんだ。と悲しかった。

復縁しようと何度も言いたかったが、彼に沢山傷つけられたし傷つけた過去を見ると戻らない方がお互いのためだと思った。こんなに長く続いた彼氏は初めてだったしこんなに追いかけてきてくれる男性は彼しかいないだろう。

付き合っているときにしていた自分の行動に後悔しかないが、気がつけばもう大学生。これから出会う人とワンランク上の恋愛をできる気がして彼にありがたく思った。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
恐らくは実話であろう生々しい恋愛話をありがとうございます。 男女ともに恋愛経験値を積んで、だんだんマシな人間になっていく気がします。 経験値が低いうちは、理想の相手は「優しい人がいい」と思うのが普通…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ