5/5
エピローグ: 金に溺れて
数年後、一郎は刑務所の中で静かな日々を送っていた。鉄格子越しに見える空は狭く、そこにはかつて夢見た広大な未来はなかった。
新聞には、かつての仲間だった岸田の名前が載っていた。彼は巧みに立ち回り、一郎の責任をすべて押し付けて自らの地位を守っていたのだ。
「金を動かせば、人も動く。だが、動いた人間が最後にどこへ行くのか、それは誰も教えてくれなかった」
一郎は自嘲気味に呟き、窓の外を見上げた。そこには、鉄格子越しの淡い月が光っていた。
初めてここまでしっかりしてるかわからないですが、雰囲気で作った作品です。
最後までお付き合いありがとうございました。