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第七十四話『乗り越え』

『本ルートです』


『それでは本編へどうぞ』

向かう道中で考えていた。防御を捨てた攻撃がどうなるのか……


未知数過ぎたから。それに星龍としてなら……どうにかなるとも思わないし……生前の力でも勝てる気がしない


かと言って、帝王機と軍王機でも勝てる気がしない……


これ、負け確なのかと思った。けど、考えただけ無駄とはならない……


『勝てるとしたら本の僅かな隙……』


それしかないと思った


その隙を作るには……意識を向けさせる必要がある


となれば……想定外の行動をすれば問題無いけど……


『参ったなぁ……』


立ち止まると仁王立ちする鬼龍が居り、刀を抜こうとしたら


『我も非常じゃない。殺り合う前に語り合おう』


突然そう言ってきて


『どういう風の吹き回し?』


彼は私を見ると


『いや何。星龍にしては人間の姿をしてる。言わば……君は星龍の巫女とやらでは無いのか?』


……


『さぁね。私もようやくと思った矢先なのだから……ただ、分かるのは……私はあの子達の刀なだけ』


構えようとしたら


『死に急ぐな。ここなら何しても感知されない。それに見ていただろ?


全てのルートで君は我に殺される』


……


『何が言いたい?』


彼は立ち上がり


『何、我も大人しく従うつもりは無い。君に少しでも力となる為の相手をしよう』


……


『そう』


ゆっくりと目を閉じて一気に懐に入り込むが視界が下に向いていて上下逆さまになって視界が揺らいでいた


『無作に突っ込むのも悪手だ』


そうだと思ったよ……


ゆっくりと目を開けると、骨喰藤四郎の刀が折られ……水心子正秀にヒビが入っていて


私のお腹に刀が突き刺さり、腕が胸を貫いてる


『ゆったろ……どうする。もう時期……』


その瞬間に黒い影が差すと


『悪い癖だな。鬼龍』


そう言うと鬼龍の笑みを零して私に覆いかぶさるのと同時に吹き飛ばされ、剣先が私の頭に向けられる


『死にかけの……私を人質に……随分と……』


その時に彼は剣先を降ろして


『死にかけとは良く言う。まだ致命傷じゃないだろ?』


抑えていた傷口を話して折れた骨喰藤四郎とヒビの入った水心子正秀を手に


『君は割って入ってこないでね。これは私の戦いだから』


その時に私の横に立ち


『君では鬼龍を倒せぬ』


……


『だから君が我の片割れとなり君を強くした方が確率は上がる』


……


『昔の私なら頼んでたかもね』


何も出来ずに水子の贄にされ、恨みにより水心子正秀の帝王機になり……今では帝軍王機になった


そんな私に後戻りなんてする気はなかったけど……何処かであった……けど……


『星龍……力を貸して欲しい。出来れば……あの頃の私の様に……あの時の望む時のように』


目を瞑る


あの時は、ただ……生きたかった。生きて普通に暮らせればそれで良かった


だからこそ……あの時の私のまま……


『良かろう』


その声と共に包み込まれる感じがしてゆっくりと目を開いた


フードを深く被り、胸元が見えるように何か突き刺さった淡く青く光る突起物、着物を着つつも裾が無く動きやすく、黒のタイツが見えるようになっている


両手には修復された骨喰藤四郎と水心子正秀。それぞれの刀身の刃には骨喰藤四郎は赤い刃と水心子正秀は青い刃に


龍の尻尾こそ生えないが、不思議と星龍扱いとしての感覚があり、星龍扱いされているみたいだった


『さ……始めるよ』


構えてから一気に向かう


『面白い!』


刃先が迫ってきたのを防ぐのと同時に、弾き飛ばそうとするが……


更に抑え込まれ、脇腹が抉られるが……


『何だ?』


急に飛び引くとバランスが崩れて何とか持ち直して構えて見る


『私達は共通の能力がある……』


一気に踏み込み飛び出し振り上げて、連撃を繰り出そうとした瞬間に


『このままやられる訳にはいかない。終わらせる訳にはいかない……そうだろ?』


その瞬間に全身から血飛沫が舞い散り地面に叩きつけられる


何をされたのか分からない……分かるのは、少しのズレと違和感のみ……


起き上がろうとした時に足で踏みつけられる、そのまま刀を振り下ろされ……


るが、何とか弾いて後ろへと飛び引いた


侵食して無ければ……流石に対応出来なかった


『面倒だな』


侵食された手を見ながら刀を振り構え始める


『……本当に出鱈目な速度……』


そう思った時にズレる違和感が強まった


もし速度が早すぎるのなら……ズレを感じるのが僅かなのに対して、今回のズレは一瞬な上に何か阻害された感じがしていた


でも……その感覚がようやく……分かった気がする……


時をズラされてる……


そう確信した。けど、分かった所でタイミングなぞ……ほぼ意味無い


となれば……


『最速で決めるだけ』


鬼龍が動いた瞬間に動く。向こうの方が速度は早い……が、見ててさえすれば問題無い


だが……


『何度も同じ事だ……』


腕と足が吹き飛ばされ、体が真っ二つにされる


が、侵食のお陰なのか……青龍のお陰なのか……


広がれた


『……なるほど……お前……彼奴の弟は出来なんぞ悪くない……それ所か異端すぎる』


そう言って刀を納めていた


『俺ではお前達に勝てない。かと言って彼奴をみすみす殺される訳にはいかないからな』


そう言うと翼を広げて飛び立つ


それと同時に膝を着いて


『同じだよ』


口から血を吐き出し拭う


本当に……無理矢理だったからこそ無理出来た訳だけど……普通なら即死だ


水心子正秀を破壊されかけてるのだから尚更……

『解説』


『今回は特に無しです』


『それでは今回はここまで。次の話まで……またね!』

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