裏第三話『シンギュラリティ』
『ほい』
『それでは本編へどうぞ』
彼女……水心子正秀が俺に居るのは……そういう事……
アルターエゴであり俺自身にもなってしまう
先生はゲームする時は気を付けてと注意を受けていた。受けていて気を付けていたけど……
「無意識とは言え……シンギュラリティに至ってしまったかもしれないと……そう考えてるのしから?」
俺は頷いた
「可能性はなくも無いけど……全てがそうじゃないわ。でも……そうなると個人間の問題でもなくなるわね……」
先生は危惧して電話をしようとしていたのを……
「先生。それは待って欲しい……少しだけ……待って欲しい」
先生は俺を見て
「分かったわ。聞かなかった事にする」
それだけ言うと受話器を置いた
「すみません……」
俺は立ち上がり
「また来ます」
それだけ言うと部屋から出た
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俺は皆に黙ってログインしていた
水心子正秀と話したいから
『珍しいわね』
そう言われて
「ああ。お前と話したくてな……遊璃」
そう言うと彼女は目を見開いてから
『誰かしら?』
俺は彼女の前に座って
「しらばっくれても無駄だから。お前……何時から遊璃としての自我になったんだ?」
彼女は無言のまま俺を見て、暫くして
『分からない。最初こそはAIとしてだった。でも君と混じってる内に悠那岐遊璃として私は思い込んで……そうなった
だけど……この前に居るのは私……水心子正秀としてよ』
……
「もう一つだけ。お前は死ぬのか?」
彼女は言ってる意味が分からないのか首を傾げていて
「悪い……
混じり過ぎたらどうなる?」
彼女は寂しい顔をして
『消える』
そう答えていた
それだけを聞いて俺は目を伏せてから
「そうか」
ゆっくりと立ち上がり
「お前は俺の好きだった女の名前を語ったんだ。俺の我儘に付き合ってもらうぞ」
それだけ伝えてログアウトした
『解説』
『AIの自我についてです』
『それでは今回はここまで。次の話まで……またね!』