第五話『義妹』
『まぁ、一応は……ですね』
『それでは本編へどうぞ』
次の日は学校が休みだから病院に来ていた。面会手続きをしてからボーッと暫く待ってると
「遊飛さん。こちらへ」
案内されて着いていく。そして目の前には病室が……扉を開くと白銀の少女が窓の外を見ていて
「お兄ちゃん」
その声を聞いて俺は
「そうだ。飛舞」
そう名前を言うと微笑む。彼女は俺の義妹。両親の再婚と共に妹になった家族
両親は海外へ行っていて日本には俺と飛舞のみ。その飛舞も体が弱い
「ゲームしてるんだ。夜さんに?」
飛舞は勿論、夜や終夜と顔見知り
「まぁな。何故か女の格好する事になる羽目になったけどな……」
飛舞は微笑み
「お兄ちゃん、似合うもんね」
……
「そっか……お兄ちゃんが……」
と、悲しげな表情をしていて
「お前……俺に姉になれというのか?」
飛舞は俺を見てから
「一日だけ……終夜さんが偶然来た時から全然してくれないんだもん……
私、お兄ちゃんのお姉ちゃん好きよ?」
……
「あほ」
デコピンをした。まぁ、痛そうにはしてないけど……
「お医者さんに頼んで私も始めようかな……」
俺は言いかけた時に飛舞は俺を見て
「あの子も話したいて言ってるけど……どうする?」
俺は優しく撫でて
「構わん。でも、大人しくしておいてもらわないと困るな」
飛舞は小さく頷いて目を瞑り、再び目を開けると冷たい赤い目をして
「僕が大人しくすると思う?」
冷たい声でそう言うと
「飛嘩……大人しくしないと、お前を二度と呼ばないからな?」
彼女は酷くつまらそうに
「分かったよ。それで……楽しそうな事してるみたいだけど……僕が飛舞の代わりにする。この体の事を考えると……飛舞は大切な役割の人格だから」
……
「話し合ってくれ。俺は飛舞や飛嘩は妹と思ってるし、可愛い妹だからな。好きにさせたいから」
立ち上がると
「もう帰るの?」
俺は飛嘩を見て
「どうせ飛嘩が交渉するんだろ?。なら、俺は待つから。俺の事を知ってる飛嘩なら分かるだろ?」
飛嘩は笑みを浮かべ
「当たり前」
そのまま部屋から出た。飛舞の体が弱いのは普通に体が弱い
だからほぼ病院で過ごしてるが……
もう一つ……
解離性同一性障害……つまりは二重人格の飛嘩。これがどういう訳か彼女に気に入られてしまってる
脅しても次の交代にはもう普通に意見を変えるくらいに……頭の可笑しい存在
俺が飛嘩の手綱を握れるのはほんの数分のみ……
全く……嫌になる
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ログインした。まぁ、売るにしても街に行かないとダメだろうし……
そうなってくると……移動するか?
「ただ、あの飛嘩だからなぁ……本気で俺がどうにか出来る人格じゃないからなぁ……」
はぁ……
全く……飛舞の裏の人格は化け物だよ……
それじゃ、出来る事をするしかないか……
俺の持つ、『『希絶望心』水心子正秀』の本当の能力は二つあり……
・暗黒機関を自身の中で生成する事が出来、『暗黒空間』と『暗黒物質』を操り、自身の体を変質させる事が出来る
奥の手が……
・性別変換し情報を偽装する
これが、『『希絶望心』水心子正秀』の本当の能力
「全く……ここまで導き出す為にあんな苦労したのか……」
はぁ……嫌になる
まぁ、兎に角……問題は……最後の帝王機と……
ブラックホール空間に放置されていた二つの帝器だった
「これは血なのか?。いや、それにしたっては生臭い……」
血の独特よりも湯気が上がってる時点でろくでもないと思って見ないふりしてブラックホール内に放り込んでおいた
それじゃ、確認の為に……『『暗影絶器』刀光剣影』を確認した
夜に渡された資料を見て把握はしたけど……
・暗闇を広げる
それしか記されてなかった。素材も不明で良く分からない刀のは分かった
その暗闇で同行する訳じゃないみたいな感じで……
「まさか……」
水心子正秀の為だけに作られた最後の帝王機なのかと思うと……しっくりと来る
でも、それを最後にしたのは……何でだろうか……
「お兄ちゃん。多分……それは帝王機を全て破壊する力を引き出す為だと思う」
振り返らずに少しだけ笑みを浮かべで
「早かったな……飛嘩」
俺がそう言うと抱き締められ
「結構時間が掛かったけど認められたから。それとお兄ちゃんを探すのは簡単。問題はバレずに来れるかだ」
なるほど……まぁ、それでもいいか……
義妹である飛舞ではなく飛嘩……
まぁ、病院側から見ても特例とかじゃなく、身体検査とか全てクリアした上で状態が良い時にしてもいいと言う条件でしてもいいみたい
まぁ、病院側も少しは遊んで欲しいのかとと思ったけど……
「まぁ、僕が居るから大丈夫と判断されたんだろう」
……
「お前がなぁ……」
納得しかねるけど仕方が無いか……
「まぁ、まぁ。合流出来たし……何より暴れれるのが最高に良いんじゃないか」
……
「ならこれでも飲んでろ」
俺はさっきなおした血の帝王機を投げ渡すと
「……お前、妹に飲ませるのか?」
俺は満面の笑みで
「帝王機だから。俺はこの二振りで十分」
それだけ答えると飛嘩は諦めて飲んでいた。まぁ何が起こるかは気にする気はならないけど……
「んで……あー、これ……お兄ちゃんは飲まくて良かったかも」
平然な顔をして辛そうな口調をして言う
「だろうな……まぁ、何か分かったら教えてくれ。コレ見てもサッパリだからな」
一応、夜が送ってくれた資料を見せて飛嘩は暫くみてから
「これ、偽造されてる。こことここの文章が変
夜。騙されてる」
なるほど……
夜にメール送っとこ
「良く分かるな」
飛嘩は俺を見てから平然と
「こんなの簡単。それよりも……帝国と争う気あるの?。有るなら僕、お兄ちゃんの指示に従うけど?」
まぁ……
「適当にする。当面は……頑張って鍛えるかな」
鍛えると言っても特に何かする訳でもなく、普通に攻略した方が良いと思うけど……
「ふーん。まぁ、そういうならそれで良い」
どの道……夜と終夜が俺の所に来る気満々で居るみたいだしな……少し遊ぶか?
「最後の目的が帝国なら……国でも作ってみるか?」
巫山戯て聞いてみると飛嘩は微笑み
「面白いからいいよ。でも場所どうする?」
そんなの決まってる
「此奴の故郷で良くない?」
水心子正秀を見せて言うと納得したのか頷いていた
『解説』
『『暗影絶器』刀光剣影』
最後に作られた帝王機。詳細不明。刀型
・暗を広げる事が出来る
奥の手
無し
所有者
ユウ
『本当に補助的な意味合いで、他の帝王機が無いと意味の無い帝王機です』
『それでは今回はここまで。次の話まで……またね!』