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第四十四話『プロトタイプ』

『ようやく落ち着きそうで落ち着かないです』


『それでは本編へどうぞ』

のんびり戻ると俺は少しだけ笑みを零してしまう。帝王機自体の修復よりも……所有者が増えていた事に


それも……退屈していたプレイヤーがようやく楽しくなりそうにな状況での味方として


ただ……


「これはこれで大丈夫なのか?」


姉さんは首を傾げ、イスラムとデュークが待っていたのか近くで見えて


「さぁな。ただ、革命軍側もいよいよ、俺達を潰しに来ると思うぞ?」


さぁ


「やり返すだけ。まぁ、革命軍側が悪いわけじゃない。俺はノアと俺のただの我儘の為にやるだけだからな」


後は革命軍……それと、イギニリアスを潰すだけ。問題は潰した後だった


まぁ、皇帝のその後をやるだけだけど……


「はぁ、やること多いし……姉さんはエイミーの方をお願い」


姉さんは手を振って歩いていく。さて……爺さんが作った帝王機が幾つか……と思ったけど……あの爺さん、かなり重要な役割の爺さんか……


「なるほど……」


最初の帝王機である水心子正秀の素材の元の少女と妖危種


呪いは呪いでも希望と絶望の帝王機として最初に皇帝に贈られた帝王機


だけど、残りの素材は……他の帝王機の足しになった……それも、不要な部分で……関係性を持たせる為に


あの爺さん……かなり帝国の指示を無視してる感じがする……


だからなのか……最初のプロトタイプの帝王機を作っていた……


51個目の帝王機と0番目の帝王機を……


何かあった時の為にと……


「それは?」


イスラムは覗き込みながら聞いてきて


「帝王機を作った爺さんの本だ。会ってきたけど殺された


まぁ、幸いな事に……帝王機に0番目……帝王機のプロトタイプと51個目の帝王機は奪われてないからな」


そう言って宝石を見せて


「確かに可能性としてはあったが……本当にあるとは思わんだろ……」


まぁな。ただ、そのプロトタイプが……何なのか……それが分かればな……


「思ったんだが……プレイヤーの感覚が壊れてるから扱えると思ったけど……基本は一人一つ。なのにお前は複数所か……休みなく使ってるのは何かあるのか?」


……


「確かに……」


水心子正秀以外にも俺は別の帝王機を複数使ってる。疲れは有るけど……問題無く連続使用出来てる……


そう考えると……プロトタイプは……元々……いや、確証がない……


「確かめてみるか……」


俺は立ち上がりレオの元に


「ん?。協力してくれと?。構わないけど……何する気だ?」


俺はレオを連れて


「俺の複数帝王機使ってる理由だ。もしかしたらあるかもしれないからな」


俺は全てを展開し起動させた。レオはそれを見て帝王機であるバイルミラーを起動し構えていた


「『黒天使(セラヒム)』」


その瞬間に黒いヒビが入った


「無かったよな?」


それを見て


「あぁ。となると……やはりと言うべきか……プロトタイプは存在してしてない


つまりは形なんぞ無かったのだからな」


水心子正秀と刀光剣影を握り直し


「帝王機のプロトタイプは……」


考えてなかったし、扱えたら良いと思ってたけど……あのブラックホールの中にあった帝王機の中でプロトタイプの一部が混じっていたとはな……


「そのプロトタイプは何だ?」


水心子正秀と刀光剣影を見せて


「これがそう」


二振りで一対のプロトタイプ帝王機。名前は無い……ただ……


「水心子正秀の元の所有者がこれをブラックホール内に保管していたとなると……分かっていたんだろうな……


闇を広げるだけの帝王機……意味も無い帝王機を作るわけが無い……


水心子正秀の偽装がそうだとしたら……まぁ、何処まで本当かは俺には分からないがな」


考えたって昔の所有者の考えなんて分からないしな。あの爺さんは知ってそうだけど……知ってても聞くまでは知らぬ存ぜぬだと思うし、死んでるしな……


はぁ……厄介だな


「んで、プロトタイプ完成させるのか?」


完成も何も……


「いや、何で未完成だと思ったんだ?」


気になって聞くと


「いや、ほら……最初と最後の帝王機がプロトタイプなら……何で、最初と最後にしたのか……なら、何かしらの意図があって作るに作れずなったからだと思ったからだな」


そうか……


「なるほどな……だから51個目の帝王機を俺に見せてきたのか」


ようやく納得出来た。後は……


「はぁ、早く処理して……革命軍を潰すか」


めんどくさいけど……仕方が無い……


「普通は終わりだけどな……まぁ、こんな楽しい事……流石に辞めれねぇわな」


あんたも大概だな……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


イギニリアス……所属で帝国側の……彼女を待っていた。来るとは思うけど……


「まさか、貴方から呼び出しとはね……何かしら?」


彼女……アスモだったかな?を呼び出して


「交渉だ。と、その前に……何で向こう側なんだ?」


彼女は目を見開いてから笑みを浮かべ


「気まぐれよ。貴方があっちよりも楽しい事を出てきたら仲間になってあげても良いけど……どうかしら?」


……


「なら、交渉は……さっさと終わらせよっか」


翼を広げて、水心子正秀と刀光剣影を抜いて構えた。まぁ、流石にめんどくさいことだから、さっさと終わらせたかったのもあるけど……


「へぇ……なら、この先の戦いは……国じゃなく私としてやらせてもらうね」


そう言って飛び立つ。俺は目を伏せて二振りの帝王機以外の帝王機の機能を停止させて


「加減かしら?」


少しだけ笑みを浮かべ……


「んなわけないだろうが!!!」


一気に向かって飛び立ち引き裂こうとしたのを、彼女は普通に躱し、俺は近くの岩肌に足を付けてもう一回、振りさげ……


「だから意味無いよ」


躱される。そんなの分かってるからこそ、数回の斬撃を飛ばした


無数のブラックホールが生み出されるが、彼女の周囲に羽が舞い上がり


「殺せると思うの?」


中心点を突き刺してブラックホールを破壊して周囲を吹き飛ばしていた


「まじかよ……」


彼女は降り立つと


「簡単な話よ。さて、続きよ」


無数の羽が向かってくるのを、躱しつつも弾いて避けていく


当たれば腐敗する……それは理解してるし、この二振りの為だし……


「へぇ……弾くのね」


まぁ、流石に……腐敗されればそれまでだけど……


俺の帝王機はこの二振りのみ。そう考えて……使っていたが……


「譲る時か……」


プロトタイプの完成が済めばいいけど……無理なら、やっておくに越したことはないし……仕方が無い


「何をしたか知らないけど……」


そう言って羽の渦が砲撃の様に向かってくる。今度は……躱さずに……


「全て受けきってやる!」


持ち方を何度も変えながら全てを弾き返し……たが……


「残念だったわね」


二本の刀身が砕ける音と共に俺の左右で吹き飛び、地面に突き刺さったのが目に入ったのと同時に無数の羽が突き刺さった


地面に血を撒き散らしたがら、横たわり……浮かんでる天使を見て


「あはは……フフ……あはは!!!!」


元の姿に戻りつつある俺は自然と笑みが零れ始める


「おかしくなったのかしら?」


俺はゆっくりと起き上がり、折れた水心子正秀と刀光剣影を握り直して


「いんや、これで良かった……ようやく、こいつがこれだけの能力じゃない、証明となった」


刀光剣影を投げ飛ばしたのと同時に走り出し向かった


彼女は弾こうとするがすり抜けて突き刺さり、そのまま水心子正秀の剣先……刀身が黒いまま彼女を引き裂いていた


「なっ……防御……」


羽が防いでいたがそれすらも貫通し彼女にダメージが入り血飛沫が舞い上がる


「……最初と最後……そりゃ……そうだ」


何せ……強い希望と小さい絶望なのだから


そのまま反転し、羽と二振りの刀が衝突し、衝撃波と共に吹き飛ばされた


「絶望の中の……希望……」


彼女がゆっくりと立ち上がるのを、俺はかがみ込んで一気に突っ込み


「希望を……世界へと広げ……帝国を守る兵器」


そのまますれ違って、俺は刀を地面に突き刺した。血が滴り息を切らし


「全く……最後の最後で……私の負けだ」


ゆっくりと倒れ彼女は羽を撒き散らし消えていった。そのまま俺は倒れ込む……


筈だったが……


「心配して来てみれば……何してるのよ」


夜だった。優しく撫でられ傷口を押さえつけられ


「いや……何でお前が居る……?」


彼女は俺を見て


「聞いたからよ……」


だろうな……ゆっくりと起き上がり、元に戻ろうとしていた少女の姿になる……けど、変質してるのは着物だった


溶け込むように黒く染まり肩出しは変わらず、黒のタイツ……白銀の白い髪色……


そして……


「これがそうなのか……?」


赤い血が黒くなり消えていく。有り得ない現象……


「取り敢えずは……と、流石にアレだけ暴れればそうなるか……」


目線を向けると革命軍のプレイヤーが向かってくるのが目に入って


「夜。悪いけど……俺一人で遊ばさせてもらう」


プロトタイプを握り直して歩いて向かう


「先に戻ってて」


俺は夜にそう言った



『解説』


『そりゃ、出さないと駄目……』


『それでは今回はここまで。次の話まで……またね!』

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