第四十二話『黒』
『ドッタンバッタンです……』
『それでは本編へどうぞ』
数回のコールの後に
「父さん。知ってたのか?」
俺が聞くと
『まぁな……で、終わったのか?』
俺は二つ返事だけした
『そうか。飛霞と飛舞の母さんと遊飛の母さんと話はしてる
これは情けない父さんのお願いとして聞いてくれ』
珍しいな……
『一緒に暮らしてやってくれないか。俺は無理でも、遊飛なら出来るし……何より、家族としては無理だけど、親子としてなら寄りを戻せる
話し合った結果だから無理にとは言わないけど……せめてもの俺の罪滅ぼしだから』
……
「分かったよ。エイミーに任せるからそっちも……」
父さんは息を飲んでいて
『ありがとう。エイミーには無茶ばかりさせる……』
なるほど……父さんの差し金か……
「なら、もう一つだけ。母さん達を……夢恢をどうするつもりだ?」
父さんは沈黙していて
『夢恢はやり過ぎた……権力に溺れた末路だ。遊飛……お前は俺の息子であると同時に母さんの血も流れてる
忘れるなよ?』
……
「分かった。父さん……ありがとう」
俺はそれだけ言うと
『構わん』
それだけ答えると電話を切った。全く……とんだお家騒動だ事……
「んで、遊飛の……私の義姉に会いたいけど、良い?」
姉さんがひょっこりと顔を出して聞いてきて
「飛霞姉さんにか?。別にいいけど……お前、どう……あ痛……!?」
姉さんに頭を叩かれて
「姉にお前とか言わない。お母さんが姉弟仲良く暮らしてもいいと。お父さんとそんな約束したらしい
私も弟と暮らす事になったからよろしくね」
……
これ、飛霞姉さんと飛舞……どんな反応するんだろう……それに、エイミーは従姉だし……本当に姉が多い事と……女には俺は弱いな……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
疲れたけど……ログインしてみると……飛霞姉さんと飛舞久しぶりに会うけど……
そして……
「何で姉さんが……」
家に帰ってゲームすると言ってからほんの数分なのに……そして苦笑いのエイミー……
姉さん達が沢山集まってらー……
「んで、何故、お前のお姉さん方は殺気立ってるんだ?。特にアスカさんと彼女……」
……
「あっちは俺の実姉で飛霞姉さんは義姉だ。んで、エイミーは従姉で飛霞姉さんの隣の飛舞は俺の義妹だ……」
言ってなかったけな……
「美人揃いなのは羨ましいが……お前も大変だな……何か」
一言余計だが……本当に大変だ……
「まぁ、私は様子見を見に来ただけだよ。弟が幸せそうなら何より……けど、まさか貴女が私の上とはね」
そう言うと飛霞姉さんは怖い笑みを浮かべ
「あらあら、お姉さんと言うから聞いていたけど……私より年下とはね。可愛い義妹が居たもんだよ」
と返していた
「なぁ、女て、あんなのか?」
俺が聞くとイスラムは目を逸らして、デュークの方を見ていた
「俺に振るな……」
これはアリだな……
「もう放置して俺達は俺達で昨日のアレを対策しようか」
俺は頷いて姉妹喧嘩してるのを放置して向かった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
義姉となっていた彼女……飛霞を見た。ここまで嫉妬してしまうのは初めてだけど……仕方が無い……か……
「そう言えばさ、遊飛の苗字……興味無かったけど……飛霞……夢恢と名乗ってないし、前の苗字も使われてないから知らないけどさ……何で、飛霞の母親の苗字を名乗ってる訳?」
私が聞くと
「遊飛の意向だったのよ。私達姉妹はお父さんに助けられて……お母さんに同情して結婚したの」
そう答えて
「私達の本当のお父さんは……酷い人だったから。だからお父さんの苗字を捨てて……お母さんの苗字である……
鬼灯姫を名乗ってる」
目を見開いてしまってようやく納得した。確かに……めんどくさい家系だ事……
「詳しい事情は知ってるし、お父さんと義母の方が海外に居る理由も分かったわ
でも、本当に……最後の末裔だった訳……」
私は彼女の頭を無意識に撫でてしまった。権力争いで強かったのに消えてしまった権力者……無名となった今でも……
「ありがとう。弟の意向に沿ってくれて。それと……
夢恢と鬼灯姫は……敵対しつつもお互いを信頼していた家系よ」
私は続けて……
「会えて良かった。それともう一つだけ
エイミーは実家は世界有数の資産家。私の家系は崩壊した権力者……鬼灯姫は消滅した権力者……
凄いでしょ?。それに……もっと凄いのは……
お互いを信頼してなのか、一回だけ……鬼灯姫と夢恢で一回だけ……身内になっていたのよ」
彼女は目を見開いていて
「ごめんなさいね。エイミーに教えられてお母さんに聴いて調べてもらった結果なのよ」
エイミーが頷くと……
「私の方で調べたら……まさかの従兄弟姉妹同士。多分……世界でも数えられるくらいの権力は持てる大きな家系になっていたのよ」
本当に呆れる程に……
「多分……偶然だろうけど、家の親戚共は鬼灯姫と親戚なの知っていた上に、浮いた権力は親戚が分けて握っていた
二人が拾われる前の時に知ってればどうにか出来ていたと思うけど……私もお爺さんの発言のせいでお母さんとお父さんが離婚、弟は知らないまま離れ離れで私は教育……
鬼灯姫を崩壊させたのは……私達、夢恢だった訳よ」
エイミーの調べの話だった
「不正の中にあったのよ……最初こそ、分からなかったけど……これでようやく納得出来たからね
たく……強欲の成金共が……」
そして……私はエイミーと飛霞と飛舞に向けて
「少しさ……見返してみない?。お母さんには話を着けて……お父さん達にも話を着けた
後は三人の了承よ」
困惑する三人を見て私は微笑み
「あの親戚共は納得しないからさ、私達で……夢恢や鬼灯姫そして、エイミーの家を巻き込んだ世界の権力家にね
勿論……目的は……何もしない。ただ、何かあれば介入するだけ。手に負えない時だけのね
お母さんはお父さんと話して……後はエイミーの家が合意すれば……これはエイミーに任せるとして……
少しは親戚に痛い目を合わせる為にね」
我ながら本当に黒い事だ事……
「私は構わないよ。お父さんは……気に入ってるからね。玖遠も……そして、飛霞もよ。それに楽しそうだし、お父さんも厄介者が居るみたいだからね……」
おぉ……黒い黒い
「私は……まだ分からないけど、普通に暮らせるのなら任せる」
これで決まったね。さて……後悔させてやるよ。親戚共……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
悪寒がして振り返る
「ん、どうしたんだ?」
俺は首を横に振り
「いや、何でもない」
そのまま歩いて向かった
『解説』
『これでいいのか分かりませんがこうなりました……』
『それでは今回はここまで。次の話まで……またね!』