第二十話『妖危種』
『どうなる事やら……』
『それでは本編へどうぞ』
彼は微笑みながら
「因みに私は穏便派です」
まぁ、大体予想ついてるが……
「で、全てを破壊する俺と全人類を破滅させる俺の雇い主を……」
言いかけた時に俺の後ろから彼女……ノアが出てくる
『これ以上増やしたら……幾ら、ユウでも許さないから』
これは完全に不機嫌だな
「成程……」
彼女を見て納得したのか俺を見て
『話を進めないで……』
彼女が手を伸ばそうとしたのを、俺は手で制して
「ノア。お前は俺の雇い主だ。ただ、お前はお前の目的で動いてくれないか?
それでも尚、俺が決めた意見に口出しするのなら殺すぞ?」
彼女は微笑み
『貴方になら殺されても構わない。この私を最後に止めるのは貴方だから』
そう言うと俺を見てから
『帰る。こっちの準備も終わるしね』
そう言って消えていく
「彼女が例の?」
俺は頷いて
「今は制御出来てるが……暴走はしてる。彼女は妖危種で……殺せるか分からない」
それだけ答えてから立ち上がり
「惚れたからな。慰めに行く。そっちな話は勝手にしろ」
そのまま歩いて行ったであろう場所へと向かった
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服を脱いで水浴びをしてる彼女。彼女は俺を見ると微笑み
『来てくれたんだ。構って欲しいの?』
俺は岩に座り
「ノア。話があるから聞いてくれ」
彼女は歩いて俺の方に来て、濡れたまま抱きしめてきて
「お前の目的については否定しないし、俺は俺のままやるつもりだ
もし、お前にまだ人の意思が残ってるのなら……約束してくれ、俺のやり方に口出ししないでくれ」
彼女は微笑みつつも触手の刃が俺の急所を捉えていた
『人の意思はもうとっくに無い。この思考が……もう黒く染ってるから』
……
「なら、俺の帝王機になってくれ。お前を扱うから。お前は俺の大切な人だからな……壊すのも俺の役目だから」
優しく撫でると刃を納めてくれて
『なるよ。その為に……私はもっともっと……帝王気を取り込むつもり。アナタが扱う最悪の帝王機になる為に』
そう言って俺の前に
『集めてきて……アナタの前で変化する為に我慢した。『『五肢精神』マインド』。『『強肢戦服』イクサバ』。最後の悪趣味な帝王機……『『血死支配』クイーンレッド』……これで私は妖危種であり……アナタの望む帝王機となるよ』
そう言って胸元に『『五肢精神』マインド』の帝王機を埋め込む。それと同時に彼女の目は暗くなると立ち上がり、『『強肢戦服』イクサバ』の俺と似てるやつだけど……完全に女性の為の帝王機なのか、ワンピースに黒のロングコートを
最後の『『血死支配』クイーンレッド』の指輪をはめると彼女は俺を見てから
『……凄い……もう何も感じない……触手が私の体の中で全ての帝王機に寄生し……もう私が死なない限り……奪えなくした……』
そう言うと彼女は座り込み
『ごめん……今、どうするか考えてる……触手……あぁ、分からないか……私の中で蠢いている帝王機を今支配してるから……少しだけ待ってて……』
そう言うと彼女は目を伏せていた。暫くすると刃を突き立てていた触手は地面に伏せて
『『『百足触手』サウザーワーム』が……私の全てに寄生し……帝王機にすら寄生……』
頭を抑えながら震える体を抑えて、やがて彼女は触手を更に生やして……
『……』
そう言うと立ち上がる彼女は、あの時の顔じゃなく、完全に妖危種……それも帝王機に支配された顔をしていた
「名前とかどうすれば良い?」
彼女はフードを深く被り
『……『『人造兵器』ノア』……』
そう答えた。暗い瞳は機械のように……一点を見ているだけ
「大丈夫か?」
彼女は俺を見ると
『うん……良好……これでお母さんを殺せる』
そう言うと
「なら探すか……」
彼女は俺を見てから頷いて
『任せて……』
そう言うと歩いていく。俺はそれを見てから
「殺るのか?」
彼女は俺を見てから
『お父さんの無念……だから』
それだけ答えると、俺は刀を抜いてから
「俺もやるさ。流石にアレはな……俺だってキレそうなんだから」
彼女の胸元の『『千里開眼』ヘビィドーシス』が開くと同時に
『行こっか……場所は分かったから』
そう言って俺の手を引っ張った。先ずは確定させる為に
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何処で何をしてるかは分からないが……彼女の情報と……
『何?』
俺は皇帝に聞いた
「レヴィが何処にいるか知りたい」
俺がそう言うと
『何故聞く?』
俺は目を伏せてから、予定通り……
「革命軍に反旗を翻した兵士だからだ。勿論……証拠も……裏も取れてる
帝国に忠誠を誓ったルーデルが殺されたのが何よりも証拠だ」
そう言うと
『娘の方はどうなんだ?』
そう来ると思ってたさ……
「死んださ。言うのも酷いほどにな……彼女は保身の為に嘘を言ってる
全て……皇帝を暗殺し殺そうとしてる理由付けの為にな」
皇帝は目を伏せていて
『誠か?』
俺は手を向けて
「あぁ。もし俺を殺そうとしてるのなら……この建物を壊す事だって出来るからな」
上空には彼女も待機させてるしな……
『良かろう……』
そう言って話し始めた。まぁ、罠だとしても……お前の首は貰うつもりだし、思う存分……今を楽しんどけ……
『解説』
『『強肢戦服』イクサバ』
女性用に作られた限定的な服。衣服型
・???
奥の手
???
所有者
ノア
『『五肢精神』マインド』
兵士を作る為に作られた兵器。眼型
・視界に捉えた相手の精神を支配し操る事が出来る
奥の手
無し
所有者
ノア
『『血死支配』クイーンレッド』
『妖危種』『人種』『『妖危血気』クイーンヴァンパイア』から作られた帝王機。指輪型
・自身と相手の流してる血を操る事が出来る
奥の手
対象者の全身の血を操る事が出来る代わりに、消耗が激しくなる
所有者
ノア
『これら全てがノアの持った気味悪いと言われてる帝王機です。衣服のみ、全てについて謎になってます』
『それでは今回はここまで。次の話まで……またね!』