第十四話『躍』
『今日の分です』
『それでは本編へどうぞ』
ログアウトするのと同時に
「帝都の屋敷が家事になってたけど、大丈夫なの?」
飛霞姉さんが聞いてきて
「まぁな。言ったけど……死んだ」
俺はそう答えた。まぁ、正確には……俺が一人殺したのと一人を見逃した事になるけど……
更に殺したと言っても、彼女の家族間の問題だけど……
「そういう事にしておく。それよりも……遊飛。そっちは大丈夫なの?」
俺は頷いて
「飛霞姉さんに頼みたい事がある」
飛霞姉さんは目を見開いてから頷いて
「夜と終夜をなるべく引き止めておいて欲しい」
それだけ言うと
「多分だけど、無理矢理にでも行くと思うけど?」
知ってる
「だからだ。知ったら……どう思うか?。約束もあるしな」
俺は立ち上がり飛霞姉さんを押して
「もう……分かったよ。なるべくそうするよ」
俺は頷いて部屋から追い出した
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次にログインしたら最初に居た村。まぁ、焼け落ちたのならそう言うもんか……
まぁ、でも……
「居るんだろ?」
そう聞くと空間が歪み、彼女が出て来て
『待ってた』
そう言って座る。明るかった服装が漆黒のワンピースに着替えていて、帝王機である眼が見える様に肩出しのコートを羽織ってる
「んで、欲しいものは見つけたのか?」
火を起こしつつ彼女に聞くと
『まぁね』
そう言って立ち上がると自身の帝王機の眼を動かしながら、何かを取り出して置いた
凄く気持ち悪いが……見た目は完全に触手の様な物で、先端は鋭利なモノだった
『帝王機の中には人を逸脱するものや……気味悪いものもある。私が所有してるのはそういう物……
これは中でも気持ち悪く気味の悪い帝王機。『妖危種』『触手種』『『無限悪食』サウザントワーム』から作られた帝王機で……
使えば人体寄生される代わりに触手を操る事が出来る
言わば、この目と同じ……私が死ねば解除される帝王機』
そう言って手のひらに置いて起動すると、彼女の手首を突き刺して中へと入っていく
『っ……ふぅ……っ……!?』
頭を抑えるのと同時に、彼女のワンピースの下から二本の触手が伸びていき、先端は鋭利に尖っている
『大丈夫……私の中で変形し寄生しただけ』
ゆっくりと立ち上がる。内股になりながらも触手を操り、支えとして動かし
『脳に神経を繋いで操る。このサウザントワームは寄生型だからそう言う仕組みみたい……
気味の悪い帝王機は……決まって、強力な代わりに誰も使いたがらない性能と見た目だから……』
そう言って更に心臓みたいな臓器を取り出して
『ユウ……私は人間を辞めるよ。目的の為に……人類の破滅を……』
そう言って触手を自身に突き刺して引き抜くと、口から血を出して
『扱うのに……移植させないと駄目だから……』
そう言って心臓を自身に入れる。その瞬間に神経が広がり彼女は苦しみながら座り込み
『あがっ……凄い……拒絶……流石……ユウ……五つも扱うのに……生きてるなんて……』
そう言って火に手が着いたが暑がる様子もなく胸を抑えて苦しみに耐え、やがて落ち着くとゆっくりと顔を上げる
負っていた傷は回復していて
『凄い……死ぬのが確定した人生になった……でも……後悔無い……もう何も無い……感情も奥深く沈められ……感じない……』
ゆっくりと立ち上がり白く長いく伸びた髪が靡くと酷く冷たい目と表情をし、頬には筋が心臓と目に入っていて
『始めよ……この無意味な世界を壊す為の反乱を……』
あー、やっぱりそうだよな……
これは大きな収穫だ……
「同時使用の条件が……」
俺はメールを送って彼女に断ってログアウトした
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ファミレスで夜と終夜と会っていた
「お前なぁ……いきなり革命軍に喧嘩を売ろうとするか……普通……」
終夜に呆れられた
「あっちが勝手に勘違いした。それにこっちは……お前達に情報を上げる代わりに条件を出しに来たんだからな?」
夜は俺を見て
「それは飛霞さんの言ってた一人にしろという意味なの?」
俺は頷いて
「簡単に言うと……帝国でも革命軍でも無い第三者……帝国からしたら嬉しいが革命軍からしたらはた迷惑な……革命軍からしたら嬉しいが帝国したらはた迷惑な……
それを『俺達』がする」
そうハッキリと答えた
「俺達……とは、ソロでするんだろ?それじゃ、お前の行動理由にならねぇぞ?」
俺は微笑み
「昨日屋敷が火事になった。俺はそこで一時的にお世話になっていてな、そこのお嬢様と仲良くなったんだ」
二人共目を見開いていたが
「問題はその火災でお嬢様は完全に壊れた。世界を滅ぼすつもりみたい。最初は人類の完全な消滅
理由は簡単に……帝国みたいな人間を消して革命しても、結局は元に戻る。そう考えたらしい」
二人共押し黙っていた
「彼女……何したと思う?」
二人に聞くと二人共首を横に振る
だろうな……分からないだろうな……
「帝王機の三つ同時使用をした」
目を見開いていてグラスを落としかけていた
「はぁ?。ありえねぇだろ?。お前だって三つだけでも有り得ねぇのに……」
俺は指を5本立てて
「五つだ。ただし、同時使用するとなると最大三つまでだ
少女の方の帝王機三つと俺としての帝王機二つだ」
そう答えた
「どういう事だ?」
分からないか……
「帝王機の同時使用の条件は『狂う』事だ
もっと正確に言うと憎悪や憎しみだな
俺が扱えてるのは……それじゃない。ただ、あの世界を壊し、革命軍も帝国も全てを敵に回して破壊する……そう目的にしたから
初めから……お前達と初めて会った時から……俺は狂ってるからな」
そう告白した
「どういう意味なの?」
俺は目を伏せて
「そのままの意味だ。この世界はつまらない。二人に言ってなかったけ……俺、この世界の事初めから興味無い
それは二人も同じ意味でだ
信じてない。信じる訳ない。俺はお前達と友達と思えた事ないから」
二人共明らかに動揺してる……そりゃ、そうか
「それ本心なのか?」
俺は頷いた。これで離れるのなら……それまでだから
「遊飛は悩んでたの?」
……
「さぁ。分からないな。飛霞姉さんにも危険と言われたし……下手したら俺が人生そのもの壊すかもしれないな
だから我慢してる……いや、簡単に言うと抑えてるだな
まぁ、そういう事だ。どうするかはお前らで決めてくれ……
ただ、向こうで会ったら俺はお前らを全力で殺しに行く。彼処なら本当の俺になれると思うからな」
俺は煽りながらお金を置いてファミレスから出た。さて……楽しませてもらうぞ……
『解説』
『終夜は、夜と似た感じの雰囲気で、イケメンに入るが女子に対しては興味無く、女装した遊飛が初恋だった為に性癖はかなり狂ってる』
『それでは今回はここまで。次の話まで……またね!』