第九十五話『イベント』
『修正中』
『それでは本編へどうぞ』
気が付けば……イベントの日……
未来さんは既に帝王機を展開していて、私が変幻した状態で既に能力が発動してる状態
「未来さん……誰を待ってるのですか……?」
気になって聞くと
「まぁまぁ。ポイントを稼ぎつつ、この劇場を拠点にする。簡単な話……ここに来るプレイヤーはきっと来ない。帝王機持ちはイベント不参加……けど……」
言葉を止めて暫くしてから
「何れ来るよ」
そう言って歩いて出ていく
私はバイオリンを手に奏でていく……
「嫌な予感して来てみれば……開始と同時に発動。未来の入れ知恵かしら?」
先輩が入ってきて、私はバイオリンを下ろしていた
「それで、未来は?」
先輩は私に聞いてきて
「知らないです。多分……点数稼ぎに行ってるんだと思いますよ
それよりも……続きします?」
バイオリンを変形させて弦と合わせて剣のような形にした。そしてナイフである『宮廷楽長』を手に突き刺し更に変幻していく
そして、ディスクを抜いて剣に挿入しリロードして構え、一気に振り上げて返し斬撃を飛ばした
が、先輩はそれを刀一本で叩き切り真っ二つにし左右へと広がって壁に激突し煙を出していた
「一応聞くけど……その軍王機の名前と効果は……聞くまでもないね。ただ、見ただけの私と知ってるだけは違うからね」
……
「『『不協和音』ルートヴィヒ=サリエリ【Я(アヴェンジャ)】』
・周囲の全てを侵食する
・二段階の変幻で劇場を生み出し、中に存在する者全てに『死の猶予』を付与し、流れる曲の終わりと同時に死を与える
・劇場内は侵食による創造が可能となりほぼ全ての物体になる事が出来る
これが、主な能力ですね」
階段を降りていき三本の指を立てながら舞台の真ん中へと
「へぇ。大盤振る舞いじゃないの。これを対処しようと思ったら……骨が折れるね」
そう言って刀を思いっきり振り下ろすと斬撃が飛び、私の横をすり抜けて劇場の壁を引き裂いていた
「先輩……一応、私は初心者ですよ」
破壊された劇場。修復しようとしたが、手をかざして侵食の盾で防ぐのと同時に
「それが本当の未夢ちゃん?」
横目で先輩を見て
「まぁ、未来さんが決めた事だし……私もそれに答えるだけですよ」
剣で攻撃しようとしたの……足で受け止められ、手から無理矢理引き剥がされて遠くの方へと飛ばされる
それを見て『から』盾で押し返し、侵食を伸ばして突き刺そうとするのを刀で無数に斬られて、距離を取られる
周囲を見て崩壊していく劇場。流石に手に入って数日じゃ、ここらが限界……
「本気じゃないのかしら?」
……
「手探りなんですよ。私はイベントでタッグを組んでる未来さんの為に動くだけですし」
指を鳴らすと新たに周囲を侵食していき、全てを飲み込んでいく
大きくフィールド全体の範囲を包み込む様に囲んでいき、街を作り上げていく
「……なるほど……ベートーヴェンとサリエリは音楽の偉人。そして、音楽は人を魅了し全てを包み込む
大昔の偉人がこうして……脅威になる。それも……兵器ではなく、声で……」
周囲は音楽で満ち溢れ、そしてそれは……呪いの歌が流れ続ける
「私を止めるしかないですよ。先輩」
この全ての曲が終われば……
「全プレイヤーの死滅……いや、未来と貴女だけかしら?」
私は首を横に振り
「復讐に生きた人間は死からは逃れられない。私も未来さんも死にます
これは……closedLiveの私と未来さんの最初で最後のライブだからです」
そう宣言し、呪いの曲と並行して……
未来さんに渡され、そして何時かは歌おうとしていた曲が流れ始める
先輩はそれを察してなのか……
「噂は本当のようね。それで……貴女はどうするの?」
私は……
「……答えれません。一言だけ言えるのは……私は私のやりたいようにやるだけですから」
一気に走り出すのと同時に先輩と殺り合う
無数の斬撃が周囲へと広がり全て破壊していき、プレイヤーすらも巻き込みながら
躱すよりも弾き返した方が効率は悪いが生存が高い。最悪の挙動されても困るのもあるけど……
問題は……私が何処までやれるか……そして、やれる事で未来さんの望みが叶うのなら私は……
「っ……!?」
侵食する触手が先輩を突き刺していく
「流石に……て!?」
伸ばした触手を斬り落とされたが……横のなぎ払いには気づかなかったのか吹き飛ばされていた
音楽は続くが……
「さて、どうしたものかしら?」
そう言って向かってくるのを見て……
防ごうとしたが……受け止められ、蹴りで顎に。そのまま、引き寄せられ、目の前で斬撃が飛んでくるのを躱しきれずに肩ごと吹き飛ばされ、斬撃も周囲を破壊していた
吹き飛ばされた肩側を見てから先輩を見た
「アイドルらしからぬね。私達」
先輩は私を見ながらいい
「止めるのも分かるけど……私……今が一番楽しい」
自分の配信を見た。垂れ流しにするつもりだったけど……
応援等のコメントや批判を見たくなく……だけど……それでも、応援が多く
「愛されてるね。それに……音楽ももうすぐ終わり……これがラストかも知れない
もしくは……」
流れる音楽が佳境に差し掛かってる
「ブラフ。私には分からないし、こんな自爆する軍王機を国が作るわけないのは分かってる
だから……見てみたいのよ。その後を」
向かってくる。消失してる肩から先、体はほぼ動かない程に硬直してる
多分……受けきれない。立つだけでもやっとな状態の私に何が出来るのか……
答えは何も出来ない
「あー、やっぱり……負けたくないや」
ディスクを手に剣を挿入。そして……ナイフを剣に突き刺して、構えた
「……行くよ」
その掠れる声と共に一気に振り上げて、先輩とぶつかり合う瞬間に閃光と共に音楽が止まり、私は立っていた
周囲にはクレーターが出来、先輩は私を抱き締め突き刺してる
手の剣が離れ落ち、私はふらつきながら先輩を押すと先輩はゆっくりと仰向けに倒れ
「まさか……相打ちとはね……」
抉れたお腹を抑えながら、そう呟く。私は中身が露出し立ってるのがやっとの状態。それも肉で辛うじて足の骨が剥き出しでくっついてる状態
顔なんて、片目が抉れている
「だね……」
剣を抜き、地面に落とすのと同時に座り込み掠れる意識の中で
「負けたくなかった……けど……流石にもう動けないや……」
私と先輩はゆっくりと光の粒子となって消えようとしていた時に
「やっぱり……死ぬべきじゃないね……」
そう言うと歩いてくる音が聞こえて、私の頭を優しく撫でる。掠れる意識の中で見あげると椿が立っていて
『及第点よ。私は君の帝王機だから強制的に参加させられたけど……まさか、別々に飛ばされるとは思わなかったよ。まぁ、お陰で……見つけれたのもあるけど』
そう言って先輩を見た
先輩は血を吐きながら咳き込み
「まぁね……気づいてたけど……楽しかったから……それに……」
ゆっくりと起き上がると微笑み
「限界だわ……」
そう言うと光の粒子となり消えていった
『さて、私は別の用事があるから戻るし、これを私に来ただけだから』
素っ気ない感じで薬みたいなのを渡されて消えていった。ゆっくりとそれを疑いなく飲むと
「回復した……」
致命傷なのにあっという間に回復していて、流石に困惑していると……
「ユグドラシルよ。帝王機ね。て事は……上手くいったみたいね」
また知らない……
「さて、椿がどうにかしたのか知らないし、対策が偶然していたのか、半数は生き残ってるからね。動ける?」
未来さんに言われて
「まぁ、回復したし……」
私は刀を手に取って仕舞うと
「んじゃ、大物をお願いね。次は正直、生き残れなくても問題無いから。足止めが出来てれば上出来よ
流石に……アリスを仕留めれるとは思わなかったけど……これなら……」
……
「また、同じ展開をしたらいいのですか?」
未来さんは首を横に振り
「残りは私でどうとなるから……ここが最終残られても困る場所だから」
渡された地図を見て困惑しつつも移動することに。暫く歩き……やがて
「待ってたよー」
……
「先輩と組むのは多分だろうだと思ったけど……」
変幻した状態でも誰か分かる彼女はやっぱりかと思った
目を伏せて構えて間合いを見る
分からないけど……椿の反応速度までなら見えるはず……だから……
「は?」
吹き飛ばされていた
『解説』
『今回は特に無し』
『それでは今回はここまで。次の話まで……またね!』