表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/90

47.耳族の脅威


ある時、薬屋にオーク玉卸しをしていると、繁華街の方から喧嘩の声が聞こえる。

野次馬根性剝き出しで駆けつけると、酔っぱらいが酒が零れたとか何とか言っている。なんだと思いその酒場を見ると

「お客さん、お店の前で喧嘩は止めてくださいな。とにかく今日は楽しく飲みましょう」


何と、二人を酒場の方へ連れて行く店員が狐耳だったのだ。


耳の色が金色でなく茶色だったが、殺害されていた狐耳族の女性に容姿がそっくりだ。

 俺は、お店の主人と当人にアポを取り、次の日の昼に会う事になった。最初は渋っていたが、金貨2枚払うと言ったら、”一晩中でもいいわよ”と勘違いされてしまった。

 テンコも連れて3人で話をした。

この狐耳族の女性は20代後半位だろうか、目が垂れ目で凄く妖艶で椅子に座った時の腰をくねらせる感じが色っぽい。そこに表は薄茶色で裏側は白の尻尾が絡みつくと色気度50%増しって感じだ。


まず、筋肉の付き方について聞いてみた。

筋肉がぷよぷよしていることが気になったのだ。

「それ、この子の事を言ってるの」

「ああ、鍛錬しても固くならず、これは柔らかい筋肉で狐耳族特有なことなのか」

「当たり前でしょ。どの種族だって同じよ」

「同じ訳ないだろ。レベル40にもなる猛者が筋骨隆々になるのは常識だろ」

「だってこの子女の子よ」

え?

今なんて言った?

テンコはカミングアウトしたのか?


「あり得る訳ないだろ。いつも自分の事、僕って言ってるし。胸は抉れて、、、、今は出てるな。そいえば近頃いい匂いが」

こいつ馬鹿だし、ちびだし・・今は150cmになったな。

胸もお尻もまん丸大きくなったし・・・・顔は、中性的で超可愛い。・・・・・・・・

うん、こいつ女だわ。

えーーーー、不味いなんてもんじゃない。未成年の時から15才の成人に成った今まで、女の子を一晩中抱き枕にし、近頃は、耳にしゃぶりつき、尻尾をずっと触りながら寝ていた。

 これで、外に放り出したら15才の子を弄んで捨てた鬼畜になってしまう。

・ーーー既に鬼畜ですーーー


どうする俺、俺どうする!

タケオの頭の中。

・・・逃げる?

・・・このまま自然消滅を待つ?

・・・もうやっちゃう?

三択ー高速思考始動・ちっ・ちっ・ちっ・ちっ

・・・・何も浮かばん。

「何か混乱しているようだけど、誰が見ても女の子よ。」

テンコ「マスター、今更狼狽えても耳は毎日紗ぶって、尻尾は、根元までずっぽずっぽシゴキまくっといて知らないは通じないです」

あ、こらバカ狐、他人様に暴露するな。俺の人格を疑われるだろ。

「そんな事しちゃったの。狐耳族の4000年の歴史上絶対の掟をテンコちゃんは知ってるでしょ?」


何か前にもこんなくだり聞いたような気がするな。


「僕は知ってるです。狐耳族3000年の絶対の掟、尻尾の付け根を一晩中撫でるのを許したら”ミートゥ”だって」

1000年減ってるぞ。

・・何か”ミートゥ”の意味がちょっと違っているような。

「狐耳族2000年の絶対の掟は伊達じゃないわ。”ミートゥ”に男の浮気は女の恥、監禁して赤玉出るまで絞りつくす。」

1000年減ってるぞ。何か”ミートゥ”って過激な性癖の夫婦のことか?

オーキは上手く逃げたが、テンコはかわいい弟子でもある。


だが、まだ最後の一線は超えていない。


「テンコ、実は俺には妻がいる。だから「問題ないです」・」

「一夫多妻は、英雄の証です。マスターが好きになった人なら僕も好きになれるです。もうテンコは、マスター無しでは夜も眠れません。

だから二人で頑張って、子供はダースでチーム作るですーー」


「あのな、いきなり夫婦と言われても心の準備が必要だろ。俺達は一線は超えていないんだ。もっといい男など履いて捨てる程いるんだぞ。成人したばっかりのお前が今将来を決めるなんて早すぎるだろ。生活基盤をどうするか考えるんだ。もっと将来を考えろ」

「生活基盤??ここにあるです」

タケオは、全く無視され、

何故か、狐耳族の女性が俺とテンコの似顔絵を書き始めた。

「テンコちゃん。どう似てる。」

彼女がテンコに見せると、

「マスターには、こことこことに丸いホクロとお尻のここにハート形の痣があるです。」

く、また超極秘事項を暴露しやがって、ここには、個人情報保護はないのかい。

「身体的特徴はこんな所でいいかな。」

「はいです。」

お前、寝てる間にそんなとこチェックしてたのか。

「テンコさん、タケオさんここに魔力を流してね」

ちょっと待てと言うに胸で腕を挟むと言う、健康な男は絶対に外せない無敵ホールドを決められ、無理やり魔力を流させられた。

タケオ「あのー、いったい何をされているんでしょうか」

「これは、耳族ネット・ミートゥ登録ですね」

ーーー

 これは、耳族の女たちが作るソーシャルネットワークだ。

ネット登録した女たちは、美人、かわいい、スタイルがいい、そしてか弱い(登録した女たちの主観)のだそうだ。

 人族の様に町役場は無く、定住地を持たないことが多い耳族の女は、夫婦ミートゥになっても権利を主張できない場合が多い。そこでこのネットが世界に出来たのだ。

今現在では、女性を守るネットワークと言うことで、耳族99%、獣人族80%、人族47%の夫婦が登録している。

 全世界にこのネットを持ち、登録者は、膨大で不明。

奥様方が運営し、井戸端会議で情報が拡散するそうだが、

通信機器が無いのにどうやって情報を共有しているかは、世界の謎になっている。

 登録に何の支障もないが、女性からの訴えがあった場合、世界の登録者の奥さんが敵になる。

 DV夫は、秘密裏にこの世から消えるらしい。

逃げた夫は、世界のどこに居ても必ず連れ戻される。

(二度としない様に折檻付き:各支部で内容は異なる)

一番の重罪は、他の女と逃げた場合で、男は連れ戻され、3週間監禁し登録員に交代交代バッシングを受ける。浮気された奥さんもどうして浮気されたか延々と説明しなければならない。この内容は井戸端会議で一番盛り上がるネタにされるらしい。

奥さんも相当の恥をかく事になるのだ。

その後別れる場合は、男は帰されるが、二度目の結婚はほぼ出来ない。

もし寄りを戻すには、”赤玉改心”が推奨されている。

(赤玉改心とは、伝説の赤玉が出るまで頑張りきる事だ。暫く夫は不能になるが、その後献身的な夫になると言う)

浮気相手の女性は、全登録員がその女を見つけると唾を吐きかけ、町から追い出すまで続くそうだ。

とにかく一度睨まれたら最後。男に何のメリットもない登録なのだが、タケオはバカだから言われるがまま登録してしまった。

ーーー

「やっぱりその紙返せ。ちょっと考える時間をくれ」

テンコ「マスター、往生際が悪いです。既に登録はなされました。ここで逃げても耳族ネットの追手からは逃げられないです。”ミートゥ”の掟は絶対です。」

何と恐ろしい。三択なんて2個埋められてもう一択しかない。

ガシッとテンコが抱き付いてきた。

フラウには事後承諾してもらうしかない。もう土下座土下座で最期は五体投地しかない。

ああ、フラウ許してくれ。俺はやってないんだ。


「お取込み中、申し訳ないというか、適齢期の女性の前で失礼じゃない。」

「テンコ、早く離れろ。」


「テンコちゃん。先祖返りでしょ。私始めて見たわ」

「先祖返りって、オークステーキより美味しいです?」

こいつ筋金入りのバカなんだよな。そのくせ登録はこんなスムーズに進めるんだ。

「貴方の尻尾が白銀なのは、古の妖狐の血が色濃く出たからなの。狐耳族1000年の歴史の中で顕現したのは数十人程度と言われているわ。

尻尾が一尾だから斬鬼の力を持つと言われているの。

爪の斬撃が有名ね。

鍛えればそこそこの使い手に成れると言われているわ。

参考までにお話しすると、

二尾は、今まで十人程度しか顕現しなかったけど、強靭な筋力とスピードは、人間では到達できないと言われていたわ。

三尾からは、幻影から擬態なども使えて、いるのかいないのか分からないの。

但し、九尾は別格なの。世界を滅ぼすと言われているわ。私の里の長老の話だと世界の天候を操り、天変地異を引き起こすと言われているそうよ。ただ、文献もないおとぎ話だけどね。」

どうしよ。9本見えたよ。でも最期は一本に戻ったし。

御伽噺を信じる阿保もおるまい。見なかった事にしよう。

人間は、理解できない時は忘れるのが一番だ。俺ルールだ。


そんな事どうでもいい、何でこんな事になるんだ?

偉い地雷を拾っちまったかもしれない。

かわいい嫁が増えてしまった。小っちゃい牙もかわいい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ