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37 .ついに糸口が


ジャイアントスパイダーを倒した俺は、レベルが上がった。

レベル70 魔攻249 MP350

やっと初級魔術士程度のMPになった

しかし、レベル70なのに普通の冒険者のレベル30台だな。

やっと、C級冒険者レベルだ。

しかし、さすがにレベル180を倒したから12も一気に上がっちゃったよ。ボーナスもそのまま付くとはラッキーだった。

これが、ジャイアントキリングってやつだな。

本当は、重症の魔物だったから、弱点が有りスピードも足が悪くて出せなかったんだろう。

俺にとっては超速だったけど。

初めて見たよミスリルの盾が貫通するの。

 しかし、こんな化け物に誰が重傷を負わせたんだろうか。

俺など眼中にない魔物なんて10万回死ぬほどいるから考えても仕方ないか。

ちょっと戦闘で疲れたので、村の人に防具を作ることにした。

大蜘蛛が居なくなったのはいいが、他の魔物が寄ってくるだろうし、狩猟も出来るようになる。

長老に聞いたところ、ビッグボア、オークが狙い目らしい。

オーガ族なので大振りの剣を15本と槍を10本、片手で持てる盾を15枚作った。全て魔鉱石とミスリルを混ぜ貫通力、切れ味アップの強化魔導回路が付いている。

防具は機動性が重要なので自分で作るそうだ。

大変喜ばれたが、これを返す金が無いと言ってきたのでオーキを育ててくれた謝礼ですと突っぱねた。

ちょっと思い付きで言ってしまって後悔している。

魔獣オーキがくっ付いて離れなくなってしまったのだ。

今は長老が持っている倉庫を借りて魔導回路の研究をしている。自分の魔攻の低さをカバーしないと何時まで経ってもここから出ていけない。

ただ、研究材料はそんなに無いが、せっかくジャイアントスパイダーの糸があるのだから研究はしておこうと思う。


ジャイアントスパイダーの糸は、最強の弾力性を持っていて切れない。

とにかく細さ1mm長さ2mの糸を数作った。

注ぐ魔力量をMP1~1000と段々と注入する。

驚きは、こんな細い糸にMPを1,000注いでも保有が出来る。いったいどこまでできるのか全く想像ができない。

MPが20までは、元の白濁色から茶色になった。

MPが50で白色になった。

MPが100で青色になった。

MPが150で透明になった。

MPが250で光り出した。

それ以降は光が増すだけ。

結果を見ると150~250未満が最高と思われる。MP250は過負荷だろう。

魔力を注ぐ魔力を吸収すると衝撃を幾ら与えても熱しても冷やしても伸縮を何万回繰り返しても何ら劣化の兆しすら見えない。

どこまで伸びるのかだが、何百倍も伸びる。ゴム以上だ。

どんなに色々な刺激を与えても魔力が減った感じがしない。

魔力保有力が異常に高く、100年でも無理なんじゃないかと思う。

蜘蛛の糸は、通常白だ。MP50使用と思われる。

ん?んん?ちょっと待て

この変色の仕方、どっかで見たぞ。

そうだ、ユグドシアルの繊維だ。最強硬度の変幻自在の伸縮機能を持つあの繊維。魔力を流し続けないとあっという間に灰になる繊維。

これ混ぜ混ぜしていいトコ取りすれば最強繊維になるんじゃあない。

その後、悪戦苦闘を繰り返した。

魔力を通した両方の繊維を編んでもやはりユグドシアルの繊維は、時間が経つと灰になる。しかし、灰になるまでの経過時間が数分に伸びた。

同量のMPとか違うMPでの編み込みとか長さを変えたり、蜘蛛の糸の太さを変えたり、何をやってもうまくいかない。

段々面倒臭くなって、二本同時にくっ付いたままMPを流した。「え?」

どちらともなく同じ長さ同じ幅の一本の糸になった。

魔力を吸収したり注入したりを繰り返しても全く劣化しない。

これは、大発見だろう。


次に糸づくりに専念した。

スパイダーの糸は伸ばしているだけなので簡単だが、ユグドシアルの繊維は、数メートルで切れている。

切れるところを重ねて寄り糸にしようとしたが、魔力を通していくと勝手にくっ付いて一本の糸になる。おそらく蜘蛛の糸と融合しているため繊維も融合しているのだろう。

 試作品の縦横に織った布を作った。これで腕全体を覆うアームカバーを1つ作った。

とりあえず試着すると体にフィットしてくる。

「あれ?魔力循環が乱れる」

腕の魔力循環がおかしい。魔力循環が上手くいかない。段々腕が冷たくなるような感覚がする。

 「そうか、この布は、俺の皮膚と一緒なんだ。だから今までのように自分の皮膚までの循環だと布がその中の魔力が引き摺られ鈍化したり布を抜けると早くなったりするからおかしな感覚になるんだ」

と、恰好良く言ってみたが制御出来ない。

そこで、初めて魔力循環をした時の事を思い出した。

腕だけで魔力循環を行う部分循環だ。

今はテストなので取り合えずやってみる。

冷たくなる感覚はない。動かして違和感はない。

ボールを腕だけで投げると魔力強化がアームカバーまで行っている感じだ。

スナップだけで自分で身体強化最大力で投げたが何のプラスアルファ―もない。

 そこで、ほぼ、筋力は使わないで投げるよう魔力循環に働きかけるが、アームカバーは少しは反応するだけだ。

これでは、硬くするだけのただの最強防御だ。(それだけでもすごいと思うが)

1か月、種々諸々の実験の結果

スナップだけで投げて石ころが1kmは飛んだ。

要は考え方が固かったのだ。筋肉と同じ様に動かせば、補助になるだけで、骨の耐久力限界までしか飛ばせない

せっかく最強の強度を持った布があるんだから、それを外骨格にして手首を引っ張ればとんでもない力が使える。

魔攻の耐性力が低い自分が、自分の骨の強化が低いため攻撃力が出せないなら、外から補おう作戦だ。

 これは、ジャイアントスパイダーとの戦いでミスリルの盾に穴をあけた驚異の破壊力からヒントを得た。

しかし、ここまで出来るようになる為には、苦労した。脳からの指令をもう1セット別に作って実行している感覚だ。

俺の脳大丈夫かな。

布も改良した。縦横の布を4枚重ねるんだが、角度0、右45度、左45度、角度0にして重ねると魔力の動きや固くしたい部分を縦横無尽に変えられる。

一番外側の布を内部の骨と同じ位置を固くする。関節が曲がる所は伸びるようして、3枚の布が動く方に引っ張るのだが、要は外骨格の蟹や蜘蛛の関節の動きだ。

 本当、俺の脳の負担は半端ないな。こんだけ頭使えば老後ボケないかな。それとも逆にボケるかな。

手首のスナップだけで1か月だよ。全身馴染むのにおじいちゃんに成んなきゃいいが。

全身タイツを作り実験。

 最初は、魔力循環の訓練をしたが、腕で練習していたので以外にスンナリできた。部分で循環させる方が大変だった感じだ。

 次に硬化・軟化の高速変化の訓練は、魔力循環さえ出来ていれば脳の指令をうまく連動するのもアームカバーでやっていたのでさほど問題はない。だが、瞬時に動かすには、やっぱり実地で頭に焼き付かせないと駄目だ。無意識にできないと死神ジョーには太刀打ちできない。

 次に外骨格操作だが、これは直ぐに上手くできるものではない。時間をかけ少しずつ能力を上げるしかない。


「はああ、頑張らないと死神ジョーが寿命で死んじゃうよ」

溜息しか出ないタケオだった。


もうここからは、自分にスパルタだ。自分パワハラ上等、自分虐め上等だ。元々皆から受けてきた事を自分で自分にするだけだ。

超えられる糸口は掴んだ。後は実践。

努力は、才能じゃない。成し遂げる実行力だ。




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