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35 .とにかくレベル上げ


危機感知の訓練を何となく始めた。

長老からいきなり野良ダンジョンを紹介されたが、10階層までは、あまり強い魔物は出てこない。

長老が言うには、格下の魔物との戦闘が重要で、相手の動きに合わせて回避しながらカウンターで倒すを繰り返す事が初期段階だそうだ。

カウンターを一撃必殺で確実に仕留める。全くレベルは上がらないが、危機感知が何となくわかって来た。

 危機感知とは、カウンターで仕留める時、相手の動作を予測するのではなく、気配察知を張り巡らし相手の出す波動が動くのを感じて実際に動作に変わる前に対応する。と表現できるだろうか。

おそらくだが、脳から出る指令が筋肉や魔力などを動かす。その信号を感じている感覚だ。

それ以外に心臓の鼓動や心拍の強さなども感じるようになる。 今までレベルの恩恵は、魔攻、MPを上げるだけだと思っていたが魂の器なのか源の大きさと言うのか、魂の共鳴と言うのか正体不明の何かとしか表現できていないが、相手から感じる波動がある。

 この世界には魔素が在り、皆が魔力を共有して生存している。自分よりレベルが低いものは感じ易い。このダンジョンにも俺よりレベルが高いものがいるが、魔攻やMPに関係なくレベルが上だと少し感じにくくなる。

 今までレベル上げの為、格上ばっかり相手にしたから感じなかったんだろうな。

 これだと魔攻やMPよりもレベルが高いほど戦いを有利に運べる。

だから、俺と対峙した時危機感知が働いたら互角に近いかそれ以下の力と判断していたのかも知れない。

ーーー

通常では、自分よりレベルが高い相手の危機感知は、直前にしか感じ取れない。器の大きさの違いと言えば分かり易いが、相手が大きいと言うことは、情報量も多くなるが受ける自分の器が小さければ全ては受けきれず中途半端になる。

近づくと、一部の流れに集中することで反応するのだろう。

 レベルが上位になればなるほどレベル差は戦いの中で致命的な差になりやすい。魔攻、MPも攻防には大事だが、一般的な上位の戦いでは、初動で9割の勝ち負けが決まると言っても過言ではない。

 この世界の達人同士の戦いでは、力量差が少ない場合でも一瞬でほぼ勝負は決する。レベルが低いから一撃で倒しきれないで混戦が起こるのだ。

 タケオは、気付いていないが、彼は、自分のレベルより10や20の差であっても相手の情報を全て感知できる。

 彼の魔力循環は、明鏡止水の極地に到達している。これは、受け取るスピードが驚異的に早く、受け取った後の処理スピードを鍛錬して上げていけば、レベルの10や20差どころではなく感知できるだろう。

・・・使い熟せればの話だが。

ーーー

これで分かったのは、弾丸が通用しなかったのではなく俺自身の”撃つための動作と流れ”が丸見えだったと言うことだ。

”誘閃黒風斬”が凄いのは、魔力循環・突風魔法・身体強化・不可視化、急激な変化とスピード。とにかく情報量が多過ぎの上にレベル差が付いたらもうお手上げだ。

弾丸のように一方向のベクトルではない。

知れば知るほど一対一の近距離では、絶対無敵に思えてくる。


考えても近づけないので・・・今は自分のできる事をしよう。

ダンジョンが森と違うのは、倒すと消える事と一定時間でリポップする所だろうか。偶に魔石以外で何かを落とすが骨だったり錆びたナイフだったりどうしようもない物ばかりだ。ダンジョンによっては、ポーション・希少金属など落ちて来るらしいがレベルの低い魔物なのか何も出てこない。

稀に変なスクロールが出て来るが、今は解析せず収納している。

俺は、ダンジョンで10階層を超え、段々自分より格上の魔物を相手するようになった。

危機感知を研ぎ澄ましナイフでカウンターを狙うが全く当たらなかった。実戦練習あるのみだ。

今、オークジェネラルと対峙している。

レベル60 魔攻400 MP1000

化け物だ。

現在の俺のレベル

レベル45 魔攻149 MP225 になった。

俺は、頭の上に5個のファイアーボール(魔攻220 MP10)を浮かべている。

ショルダーガードに仕込んでいる改良した魔導回路だ。

 魔法陣の前にファイアーボールが浮かんでいるとどっかの神様みたいに、いや孔雀みたいに見える。俺を拝んでもご利益ないからね。


ジェネラルが切り込んでくる。3mの巨体なのに

「発射」・・ジェネラル危機感知して右に避けるのは分かっている。

俺は、左側に風魔法突風を使い俊足で進む。

「発射」・・ジェネラルが避けて着地するところに着弾、しかし左に避ける。これも相手のオーラの動きで分かる。

 ジェネラルは、巨体の為やや踏ん張りが緩くなる。

これもオーラの薄さで分かっている。

「発射」・・ジェネラルは、俺のこれから行う攻撃力とファイアーボール攻撃220を考え、ファイアーボールを剣で斬ろうとするが、ここが間違いだ。

前もって左に避けたのは、振り被るのを待っていたのだ。隙のできた腋の下に右手の人差し指を合わせた。

「魔鉱弾発射」

「ファイアーボール発射」

”ボン”

「グアッ」

”ボシュ”・”ボシュ”

ジェネラルは、右腕が千切れ、ファイアーボール2発を顔と胸に受け絶命した。


今までの戦闘と同じように感じるだろう。見た感じもそうだ。

だが、全く違う。

それは、相手の動きを読んでいるのではなく、どう動くか知っていて誘導しているのだ。

隙を突くのではなく、隙を見抜いて作っているのだ。

「ジェネラルは、A級魔物だがこうすれば簡単に倒せるのに何で誰も近寄らないんだろう」

ーーー

先ほど話したが、レベル上の魔物や人に危機感知はこんな簡単に感知できない。格下扱いのような完璧に感知することは一般では不可能なのだ。

ーーー

今回、魔導回路を大幅修正した。

 ・ゴンボのところの魔術師が杖でファイアーボールを浮かべタイムリーに発射していたのを見て、待機型魔法を作った。魔術士は、杖の振る方向で照準を定め魔力を流して発射していたが、動作ロスが多かった。

改良は、作成スピードを上げたのと、目で追うだけで照準発射が出来るようにした。

・リングの魔導回路の改良だ。

 今まで安全性も考え、魔導回路の移送で魔法陣展開をした後に魔力を注入転送していたが、これを同時に行うようにすることにより発射までの速度を大幅にアップさせた。

転送してないでどうしてかと言うと転送する魔法陣に畜魔力陣を追加で書き込んだ。これにより魔法を発動する魔法陣が展開しながら即魔法が発動される。

困難だったのが、展開後の発動順に転送するのが一回でできなかったので苦労したがMP使用量に影響はなかった。

今回、死神ジョーとの戦いで、危機感知されれば避けられるが、スピードを極限まで上げて行けば分かっても避けられなくなると言うことを、今回攻撃されて思ったからだ。

でもジョーにはまだ追い付けない。

一撃でも貰えば即死は変わらないのだ。

「危機感知力は上がって魔法では大分魔物を倒せるようになったのですが、詰められれば終わりでどうしたらいいか悩んでいます。長老何か知恵ありませんか」

「お前の知恵袋じゃあないんだ。そんな”ぽんぽん”浮かんだらワシが剣聖になっとるわい」

「お主の非力さをどうにか出来れば簡単なんじゃが、こればっかりは才能の無さを恨むしかないわな。

確か、東の島国に刀と言う剣を使った一族がいたな。

反りのある片刃の剣で切ることに特化した剣じゃ。

一般の直剣は、叩き切る感じじゃが刀は、なで切ると言った感じじゃな。

包丁に似ているが、直剣と違って一瞬のダメージは少ないがな斜めに切りながら内側に入るのでトータルのダメージは大きい。どちらも長所短所はあってどちらが優れたとは言えないのじゃが、片刃であるということは、刃の反対側に魔法陣を展開すれば色々な工夫が出来るのと、お主の非力さから思うのだが片刃の方が軽くも出来る。重い方が威力も上がるじゃろうが工夫は可能じゃろう」

それから俺は、刀擬きを試作し、形は同じだが中身は全く違う魔法刀を作った。


名を”黒魔路刀”と名付けた。


刃も含め真っ黒な刀だ。材質は、ミスリルに魔鉱石を混合した材質で、棟に薄いオリハルコンが混ざっている。

刃の後ろ側にはジェット発射(速)の回路が4基搭載され、刃の先端には刃の先に魔力の刃が伸びる。

峰の側両面にもジェット発射(強)が2基ずつ付いている。


峰の側両面にもジェット逆噴射(強)が2基ずつ付いている。


刀の真ん中にフォジックの固定を一基、鍔近くに2基付けたハイテク魔法刀である。

※ジェット発射は、フォジックの発射を極限まで早く飛び出す推進力にしたもので安全性完全無視の回路


黒魔路刀 渡り65cm幅2.3cm反りのある刀だ。


試し切り1:八相から斜め横へ、ジェット発射。

”ピューン” 

結果:刀が飛んでいきました。


試し切り1:八相から斜め横へ、ジェット発射。

”ザクッ”

結果:はい、踏み込んだ左足の親指と人差し指の間が広がりましたー。

逆噴射のタイミングが遅かったようです。

「痛ってー」

3日間お休みしました。

包帯の上からオーキがなでなで「早く良くなってね」。

「やめろー、余計くっ付かないだろ。」

オーキの頭を右足で蹴りながらポーション飲んでお寝んねしました。

2週間必死でゴブリン狩り、段々様に成って来た。

再びジェネラルとの戦い。

ジェネラルの横薙に固定で受ける。

”ガキン”

横に10m吹っ飛んだ。

”ゴロゴロ”

「う、痛って―」

ジェネラルが間を置かず突っ込んでくる。

上段から切り下ろしてくる。

右に避けると、止まりざまに横薙。

これを、再度受け止める。「固定」「ジェット発射」

”ズザザザ”

横に2m程ズレたが踏ん張りながら耐えた。

八相に構えて振ってくる。

その横をジェット噴射で瞬発通り過ぎる。

(ブーツも走る俊足とは別にジェット発射を装備した)

”スパン” ・ ”ボババババ” 

ジェネラルの横っ腹を奇麗に切り裂いた。

残身・・・

ジェネラルは魔石だけになった。

俺のレベルは、レベル58 魔攻201 MP290になった。



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