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24.B級冒険者ゴンボの逆襲③


満身創痍ながら何とかボンゴ以外は倒した。

MPもない。

速攻仕留めなければ負けだ。今ある全力で出し惜しみなしだ。


ボンゴは両手剣を構えてきた。

「なかなかやるじゃねーか。殴られていたのはフェイクか」

「いや、本当に弱いんでね。殆ど本当だよ。」

「その装備もどこに隠していたんだか、どうせ言わんだろうが、エルフはお前がやったんだな。」

「さあな、それは戦えば分かるんじゃないのか。お前が勝ったら教えてやるよ」

「食えねえ奴だ。」


俺は、不可視の弾丸を収納からゴンボの四方から同時に打ち出した。

(不可視の攻撃:12. だいぶ強いやつ③参照:オークソルジャー対策に作成。弾丸の入った筒を作り、魔石の魔力で自動発射する。それを異空間収納から20m以内の任意の位置に取り出すと自動発射する魔導回路)

「「「「ズキュキュキュキュン」」」

え?、こちらに向かってきて避けた?

受けが一瞬遅れた。

右からの横薙が来る。

左横に飛ぼうとするが”ズキン”と右足が痛む。筋繊維が切れているので早く飛べない。

倒れながら、35cmのミスリルナイフで上に力を逃がすように受け流す。

後ろに下がると斬撃で切られるから。


返す刀で左上から切りかかる所に、”ウインドスクレイバー”を相手の振りかぶった左脇腹に放つ。

左に飛びながら体を後ろに捻り避けられた。


俺は、直ぐ態勢を立て直しながら後ろに下がり、”スクレイバー”をもう一発撃つ。

追撃を防ぐためだ。

”バフュン”

魔法の間合いを見切ったのか、魔法を剣で切られた。


ウインドスクレイバーは攻撃力80 消費MP2

ゴンボ  レベル38 魔攻152 MP76

両手で最大攻撃力76+剣の攻撃50 で攻撃力126と言った所だ。

魔力纏は、最大76で上回るが剣では負ける。彼は一瞬で能力差を見切っている。

発動のタイミングも見切られている。


一瞬の接敵の攻防だが、やはり強敵だ。

不可視の攻撃を見もせず見切った。あれは何だろう。オークソルジャーも同じような動きをしたが、もっと訓練されている気がする。

”剣士の感?”


「どうして避けられたか不思議だろう。これがレベル差なのさ」

いや、違う。何かがある。

言うや否や即座に仕掛けて来るゴンボ。


もう一回仕掛ける。MPが無くなるなんて言ってられない。

四方から不可視の弾がを発射。

同時に前から、右手、左手同時に「ファイヤーボール」

やはり前に出て四方の不可視の攻撃を回避、左側のファイヤーボールを向って左袈裟切り切ると、前に一歩踏み出し、返す剣

で下から逆袈裟に右下から斜め上に切り上げて来る。

先ほどと同じように右足に力が入らない。

ナイフで力を殺せずナイフが吹き飛ばされた。

握っていた指が全て使えるので、”魔攻弾を胸に発射”した。

今度は、完全に見切られ右真横に体ごとズレて避けた。

そのまま。右下から左上へ切り上げが来る。

ただ、右にスライドした分、到達するまでの距離が開いた。


もう間に合わない。


俺は、前に出ながら手甲を斜めに出し、剣の柄近い部分を受け止めず斜めにズラすように受ける。

”ズルズリ”

腕が折れそうだ。ミシミシ言っている。


この時を待っていた。

さらに、一歩前に出る!

懐に入った俺は、腹にMP30使い魔攻120のエアハンマーをぶち込んだ。


”ごふっ”

初めてのクリティカル。


吹き飛ぶゴンボに追撃の魔鉱弾MP2 攻撃200を胸の中心の心臓近くにぶち込んだ。


”ズキュン”

クリーンヒット


頭を狙わないのは、避けられた場合にまだ反撃される余地を残す。もし反撃されれば、MP残量の無い俺はジ・エンドだ。


MPは既に12しかなかった。目の前の画面右上にMPがピコピコ赤く点滅していた。


MPは、10秒で1戻るので165戻るのに27分以上かかる、やはり戦闘中は、MPがあっという間に無くなってしまう。


ゴンボに近寄り、

「今日は、俺の方が運が良かったな」

 「ああ、そのようだ。ゴフッ、、最後の一撃は何処で習った」

「あれは、オークソルジャーとの対戦で、上級剣士は、返す刀で2撃目、3撃目をして来るのを見ていた。

本当に懐に入れるかは、ぶっつけ本番だったから奇跡に近かったよ」

あの時、MPは殆どない。右足負傷で機動力がない。最早これが最後の攻防と思い最後の賭けに出るしかなかった。

 上級剣士は、効率と最速を目指す傾向がある。だから必ず返す刀で切ってくる可能性が高い。

右足が負傷しているのを知っているから、右下から切り上げて来ると思っていた。

実際に手甲のアーム部分で受けるには相手の力と受ける角度に寸分のズレでも吹き飛ばされるか、切られてお陀仏だったろう。


「命乞いは、しないんだな。」

 「お前、自分を殺そうたした奴を助けるのか、そりゃあ相当の甘ちゃんだな。さすがにこの傷だ。助かる見込みがないのは自分でわかる」

「ギルドの受付譲は仲間か」

 「いや、仲間じゃない。勝手に情報を持ってくるだけだ。煩 い奴だが、偶にいい情報があるから話だけ聞いている。

 あいつも頭のネジが曲がってるから何するかわからねーぞ」

「情報ありがとう。今までで一番強かったのは、お世辞抜きでお前さんだよ。」

「・・・・ふふふ、そうか ゴホ、ゴホ・・・」

そのまま息絶えた。


悪いやつだが、往生際はいいようだ。

自分も倒された時は、往生際は良くしたいと思った。

人間は、環境の動物だ。だからと言って盗賊の子が盗賊なのが当たり前とは思わない。

殺しに来ているのに、殺しは良くないと躊躇などしない。

どんな環境に居ようと生き残る事が人間の基本なのだ。


今回の戦闘で刃物のリーチの長さは、色々な面で有利。

剣士には、何か危機感知のようなものがあるのだろうか、賢者の隠れ家には剣士について、あまり文献がなかった。

今後、弟子入りでもしてみようか。



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