18.エルフは奇麗で強い
エルフ対策のため、一度賢者の隠れ家に戻った俺は、まずエルフについて調べることにした。
・エルフは300~1000年以上の寿命を持っている。ユグドシアルを守る使命の質により寿命が変わると言われている。人間と同じで刺されれば死ぬ。
・エルフは、狩人であり、弓に長けている者を森エルフと言う。
今回の奴はこの森エルフだ。
・魔法に長けている者を精霊エルフと言う。超絶美人らしい。
ここでは、未だ関りがないので割愛。
・子供ができにくい。人間とのハーフも生まれるが非常に稀
ここでは、未だ関りがないので割愛。
・男女とも美しい。お嫁さんにしたいNo.1
ここでは、未だ関りがないので割愛?
・スレンダーだが、お尻がセクシー
ここでは、未だ関りがないので割愛?!
・ファンクラブに入りたい。パンチラ見たい。
何考えてんだ、エロガキ!!
待て、思考が段々健康な思春期男子大爆発状態になって来た。
父ちゃん今日は、ホームランだぞ!。
ちょっと脱線してしまった。町に行って女の子を見るようになったら何か”ムッシュムラムラ”(超死語)、ハッスルハッスル(超絶死語)、SLの汽笛が”ポーポー”(意味不明)となってしまった。
この頃、子象ちゃんが頗る元気だ。朝の生理現象なので気にしていなかったが、思考にも影響を及ぼすようになったのは大変危険だ。
冷静になろう。心頭滅却、
臨兵闘者皆陣列前・臨兵闘者皆チンX爆発寸前
・・・
今日は、寝よう。・・・・・いいなエロフ。裸エプロン・・
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”あー、いい朝だ” すっきりテカテカだ。
ーーー 猿 ーーー
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まず、天弓について調べてみた。
天弓は世界樹の枝から作られた数少ない弓で、才能のあるエルフのみに与えられる。
天弓の義で100m先から正確に的を射たものに与えられる至高の弓である。授かった者は、自分用に長い年月をかけ改造し、技量を高めていく。
多天弓:複数の魔力矢を同時に射る者
豪天弓:攻撃力1000を超える矢を射る者
精天弓:数百メートル先から正確に動く獲物を射る者
などの超達人がいる。
エルフが死ぬとき、自分の弓をユグドシアル(世界樹)へ返すらしい。
才能を認められなかったエルフは、通常の弓,盾、剣の修行を行う。魔物の追い込みや、天弓士の盾になり、解体、運搬の役割をする。所謂下っ端だ。
世界樹を守る使命が少々薄いものや全く持たない者も稀に生まれるが当然、天弓士には選ばれない。
町にいるエルフは、ユグドシアルを守る気のない下っ端しかいない。・・・はずなのだが、あれは普通の弓では絶対ない。魔力矢であの大出力は不可能だ。完全に魔力供給のセオリーを無視した伝説級の魔導弓だった。 町に天弓士が来る事はあるそうだが、特殊な事情以外ではあり得ない。天弓士は、ユグドシアルを守る天命を持って仕える使途であるので、余程の事情がない限り世界樹を離れることはない。
過去に無理やり天弓士を連れ出した国があったが、天弓士は、時間が掛かっても必ずユグドシアルに戻る。
天弓士の才能は、ユグドシアルを守る者に与えられる加護だ。
では、なぜ町に住む一般のエルフが天弓を持っていたのか、
それに、的を外すことのない天弓士が今回精度が悪かったのか、
威力が本物であれば、おそらく俺の腕は無かったはず。
なぜ彼が天弓を持っているかは分からない。
しかし、導き出される結論は、一般のエルフが天弓を使ったが、加護が無いため威力、精度が低かったと推測できる。
つまり、彼に真正面から戦い勝ったとしてもエルフの天弓士には勝てないということだ。
当然、対峙するなら少しでも本物の天弓士に勝てる方法に沿って今回のリベンジを考えれば、また一つ強くなるだろう。
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第一案:シールド(現在耐久100)
耐久度を上げる。
衝撃吸収シールドを開発し耐衝撃防御を上げる。
問題は、どこまで上げるかだ。当然上げれば時間も魔力の消費も増え、戦闘時の攻撃力が落ちる。
例えば、地震が起こることから津波の防波堤を作ったとする。想定を超える波が来たら甚大な被害になる。その膨大なコストは誰が払い、誰が得するのだろう。確かに作るものは何かを想定して作られるが、自然であっても人間であっても想定内の事しかして来ないと誰が分かるのだろうか。
地震について、過去のデータを出して過去に起きないから未来は起きないみたいに説明している人がいるが、安易に安心させようとしているのだろうが、皆それほど馬鹿じゃない。起きないかも知れないし、それ以上かもしれない。人間は、一度でも想定外が起きれば簡単に死んでしまうことになる。
この天弓対策もそうだが、ガードを固めてもそれ以上の攻撃力が来れば壊れてしまう。
どうすればいいかだが、シールドは壊れるものと考えるしかない。
でも被害を減らすには、シールドの表面を固くするのではなく、柔らかくする事で衝撃力を減らす。内側も一定以上の衝撃は、固めて受けずに一緒に飛ばされれば体への衝撃は相当減らす事が出来る。
こうすれば、想定外に強くてもダメージは受けるが、生き延びる確率は増える。
実際に作成に入った。
外側は、弾力性のある布を作るような回路を作った。
内側にはクッションのような柔らかいシールドを形成する回路を作った。
制作に取り掛かるが、超細かいながら難しくはなかった。
細かい線上にするのは、魔力変換時のシールドを固めないで超極細の線を縄のように編み込むように放出する。
この縄を縦横に格子状に射出する回路を作りまた編み込む
この回路を二つ作り、同一タイミングで射出することで、編み合う形になる。
もう一つ内側に使う柔らかいシールドを作る。中に魔素を軽く圧縮した空気の入ったゼリーを注入する。
これで、外側は、編み込みシールドで内側は、柔らかいクッションが出来上がる。
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表面の網上のシールドが壊れることなく衝撃を受け止める。受けとめきれない余剰圧力を中に食い込みながら分散減少させ、内側のクッションが再度分散減少させる。
それでも受けきれないエネルギーは、シールドが本人の体ごと吹き飛ぶことで当人へのダメージを最小限にする。
テストしてみると、形成時間は、通常のシールドと大差はない。通常のシールドは、固めるのに圧縮工程が時間がかかるため大差なかったが、MPコストが、7になってしまった。
防御時の爽快感はないが、相当の防御力だと思う。
攻撃力500でも耐えきる自信があるが、当然吹き飛ばされるので目が回りそうだ。
これは、魔法では絶対再現できない魔導回路の超精密装置だ。
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通常の魔導回路作成者では、到底できない領域にタケオは到達していることに気づいていない。
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ここまで微細だとオリハルコンが必要になり、大きさを補うには拡大転送が必要だ。
”多重スパイダーシールド”と名付けた。
これを利用して、”捕縛ネット”も作成した。以外に固くないので破るのが難しい。手前5mに丸く発動する様にした。
今までのシールドと違うのは、固く圧縮していないので、シールド内に魔力が通る。五分毎に少量の魔力をチャージするだけでシールドが継続する。フォジックを使うと触らないでも移動と継続できる。
テストで捕縛ネットの弱点も見つかった。
魔力吸収の魔法か魔導具を内側から発動されると、解除されてしまうのだ。魔力注入で継続できるのが裏目に出てしまった。そこで、逆手にとってネットの内側に魔力吸収魔法を発動させた。これにより、内部の魔力を吸い取りながら持続する。尚且つ、相手の魔力吸収魔法が発動出来ないようにしてしまう。
◇
気配察知能力の向上
今のままでは、戦闘前に半径30mの気配察知をパッシブ(常時発動)していたが、あの速度の矢は、反応できなかった。
魔力感知はMPコストの関係上アクティブ発動にしていた。
反応できない理由のもう一つは、気配察知の察知範囲が楕円を半分にした形だから、横は30mだが、上からの攻撃では10mしかない。
半球型にするだけで、MPコストが30%上がる。殆どの場合真上からの攻撃は、飛行する鳥系くらいなのでコストカットされていたのだ。
また、気配察知は、MPを沢山消費すれば範囲が広がり、感度の質が上がる訳ではない。感知魔法のサーチを出来るだけ薄くし、受ける感度を上げないと、能力は上がらない。
今まで気配察知が30mと言っていたのは、自分が受けた情報を受け取れるのが30mと言う意味だ。気配遮断をされると10m手前か当人を目視、または音を聞いた段階でしか分からない。
匂いも感知するのだが、獣人や魔物のような感知能力はない。
人間の五感の中で体感を鍛えるとサーチ(電波)の跳ね返りを鋭敏に捉えることができる。
森で実地訓練をした。
形、魔力の大きさ、動いている場所
段々能力が上がると、石の後ろ側、地面に寝ている状態、気配を遮断しても薄く分かる様になった。
これは、超感覚だな。
出す魔法の電波も高周波で薄く早くする。
どのくらい薄くしたのか早くしたのか分からないが、気配遮断した魔物を50m離れたところから発見した。
相手の気配遮断のレベルにもよるが、こちらも相当レベルが上がったのだと実感した。
半円球に察知できるようにしたし、感知スピードが物凄く上がった。
半径60mくらいは、自分が静止していれば、察知出来る様になった。
未だ、自分が動いていたり、周りの条件次第で感知範囲が不安定だが、実地訓練で精度を上げていくしかない。
エルフに反応出来なかったのは、この気配察知能力が実際には劣っていたためだ。
認識した時は、既に数メートル迄迫っていた時は死を覚悟したし。。
結局修行に1か月掛かってしまった。
隠れ家に返ってきたから内部収納も60個増えて240になったのは副次敵に助かる。大きな魔石があるからね。
しかし、いろいろ魔導回路魔法を開発するのはいいけど、魔力が初級魔術師の半分しかない俺にはMPコストの計算が難しくなってきたな。
とにかく、ドーピングしているMPチャージのおかげで魔回をある程度無視できるのは大きいが、今のチャージ限界10秒にMP1をパッシブ機能が超えてしまうと直ぐガス欠になってしまう。
気を付けよう。
そうだ、他者、自分の能力感知のMP残の数字が最初は青、半分で黄色、30%で赤、20%で点滅 10%で”ビービー”音がなるようにしよう。
(極秘の色魔法だ)
1か月の修行を終え、俺はトワールの町へ戻る事にした。
他にも機能アップしたのでこうご期待だ。
戦闘とは、100の訓練、10の準備で1の実践。そして10の反省を冷静に繰り返す事。