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14. 冒険者になろう

いよいよ第二部スタートです。


ーーーー

人生に偶然は無い。出来事は一生に一度その時しかないのだから起こる全ての現象は全ては必然である。

それをどう受け止め選択していくかが人生である。

タケオは、何を選択するのだろうか

ーーー

もうすぐ俺は16才になる。

賢者トウースの隠れ家を発見し、色々な修行を一人で行った。

俺は今、廃棄賢者の森を出て、トワールの町に向かっている。

もう、”うきうき うっ君 タケオ君”である。


魔物には二度三度遭遇したが、ミスリルナイフの練習台になってもらった。

首筋を斬った時、血しぶきを浴びない様に動く動作。

3匹のゴブリンをナイフで倒す練習も行っていた。

いつでもどこでも修行である。不得意であっても接近戦の感性は、磨いておかないと瞬時の対応が出来なくなる。

野宿は、結界の魔道具を四隅にめぐらす。発動時の魔力は、ゴブリンの魔石を使っている。1個で5回は使える。

キャンプ用の魔導コンロ(自作)を使い、ちび鍋で芋とオーク肉のシチュー風を作り食べた。

小さい魔導コンロは、ゴブリンの魔石で何回も使える。


この町では、しばらく弾丸発射の魔法は封印する。

オークソルジャーには勝てたが、自能力は、下の中ぐらいになったところだ。

この魔導兵器を手にしても、最強ではない。近くの森では最強に近くなっただけだ。

直接攻撃されると簡単に殺される。弱点は多々あるだろう。

自分が弱いことを知っている事が重要だ。

誰にも知られず、最大火力は最後の切り札にすることが生き残ることに重要だと思っている。


朝、トワールの町に着いた。

門番のおじさんに、

「おはようございます。」


「ああ、おはよう。この街には何しに来た」

「はい、ぼ、ぼ、冒険者に成りに来ました。」

何か言っててかっこいい。冒険者だよ。冒険者

「はいはい、まず身分証は在るの。

その恰好じゃある訳ないよね。

この街の浮浪者でももっといい恰好してるよ

通行料が銀貨1枚、払えなければ通れないよ。」

 わざと、ぼろぼろのマントと手には、汚い包帯を巻いて指輪を隠している。母さんの教えだ。

初めての場所では、お金のない恰好をしないとパンツ一丁にされて小便をかけられるそうだ。町は怖い。

銀貨1枚を門番に渡した。

「冒険者ギルドは、この大通りを真っすぐ行くと、右側に剣と斧が十字になった看板があるからすぐ判るよ。

判らないことがあったらまた相談に来ていいよ」

「ありがとうございます。」


「あ、忘れてた。 ようこそトワールの町へ」


結構良さそうな人かも・・

しかし、ここで心を引き締める。

「だめだ、だめだ。父さんの教訓を思い出せ」

・・簡単に人を信じるな。特に町の者は危険だと。

そのまま大通りを歩いて行くと”トワール冒険者ギルド”の看板があった。

両方から開くスイングドアから中に入ると右側は、酒場だった。朝は誰もいないようだと思ったが、6人が座っていた。

じろじろ見るのも気が引けたので横目で見ていたが、一人エルフがいる。

初めて見たが奇麗な顔をしていて、耳が尖ってるよ、肌が透き通るほど白い。服装としぐさからすると男だと思う。

何か雰囲気が怖い、殺気とは違う何か人間ではないような冷たい雰囲気がある。

エルフは皆そうかもしれないからな。人相が悪いから悪い人と決めつけるのはよそう。近寄らないけど。

そんな事を思いながら受付らしいカウンターに向かうと2つの窓口があった。

キレイなお姉さんと男の人がいたが、男の人の前には3人ほど並んでいたのにお姉さんの所には誰も並んでいない。


これは絶対お姉さんに行くという人は早死にします。並んでいないのは嫌われていると思うのが賢い選択だ。

男の人の列に並んだ。


横からお姉さんに

「そこは、買取カウンターだから、普通の受付はこっちよ。」

と言われた。

顔が赤くなった。

「で、今日はどんな御用事かしら。」

「冒険者登録に来ました。」

「新規登録ね。こちらの用紙に記入して下さい。字が書けなければ代筆しますが」

「大丈夫です」

用紙が渡された。

そこには、名前、年齢、出身、才能、経験、アピールポイントが書かれていた。

名前と年齢だけを書いて提出する。

手の内は見せられない。魔導回路術士など一般にはいないだろう。対人戦になれば、相手の事を知っている方が絶対有利になる。

父さん母さんから冒険者ギルドは、海千山千の集まりで、気を許すと頭のシラミまで盗まれ、パンツ一丁にされておしっこをかけられるそうだ。


「才能は何?」

「・・・秘密です」

「別に全てを書く必要は無いけど、あなた見たところ初心者よね。経験がないなら才能を書かないとどこのパーティーも入れてくれないし、E級試験も受けられないわよ」

「・・・秘密です」

「ははーん、あんた、クロなんじゃない。だったら冒険者なんてやったら1か月で死ぬわよ。登録なんて辞めなさい。やるならポーターぐらいしかないわよ。」

「冒険者は、自己責任で入退は自由ですよね。」

「私の話聞いていたの。死ぬって言ってんの。

・・まあ、どうしてもって言うならポーターを紹介するわね」

「いいえ、ポーターにはなりません。早く登録してください」

「ちっ、新人冒険者の半分は、1年以内に死んでるのよ。ソロで出来るのなんて見習い冒険者の時だけなんだからね。信頼できる仲間がいないと即死ぬわよ。

魔物を舐めるのもいい加減にしなさい。

ポーターを紹介するから従いなさい。」

「いいえ、ポーターにはなりません。死ぬか生きるかは自分が判断します。

早く登録してください。

それとも冒険者ギルドはポーターにならないと登録できないのですか」

ちょっとイラついたので、大声で話してしまった。

周りの者がこちらを見ている。職員が怪訝そうな顔で受付嬢を見ていていた。

受付嬢はきょろきょろ周りを見ながら大声で、

「別に親切心で言っただけだから、そんな大声出さないでよ。ただ冒険者は自己責任だから何かあってもギルドは助けられないからね。それを分かっていればいいのよ」

何かこいつ怪しい。

「では、登録は終わりよ。

この木札が見習い冒険者の証になるから失くさないようにね。

字が読めるようだから、その”冒険者の心得”の冊子を読んで規則を破らないように」

そそくさと登録は終了した。


ギルドの左奥にあった待合用の長椅子の端っこに座り、冊子を読んだ。

・冒険者同士のいざこざにギルドは干渉しない。

・犯罪が行われた場合は、冒険者証を剥奪する。

等々一般的な内容だった。


目を引いたのが、税金と手数料である。

クエストの達成料金は、2割が手数料、3割が税金となっていた。

買取品は、全て2割の税金、2割の買取手数料、1割の解体手数料、解体手数料は、確認が必要なので血抜きなどの処理をしても必ず1割取られる。また、状態により買取価格は減少すると書いてあった。

村では、収穫物の半分が税金だった。五公五民だ。

結局、冒険者も半分しか手取りが無いんだな。

クエストを見る時は、表示金額の半額と覚えておこう。

(あまり頭が良くない冒険者も多いんだから手取り額で表示すればいいのに)

但し書きがあり、町役場の依頼は税金が掛からないそうだ。


冒険者のランクについては、

見習い冒険者:1か月で3回見習いの仕事を完了すると自動昇格

F級:初心者冒険者、1年以上依頼を受けないと抹消。

通常3か月で昇格するが、特に昇格しなくとも罰則はない。


E級:一般冒険者、1年以上依頼を受けないと抹消。

通常3か月で昇格するが、特に昇格しなくとも罰則はない。

D級:一般上位冒険者 町の防衛などのギルド長からの強制依頼がある。不参加時罰則はない。

C級:中級冒険者、町の防衛などのギルド長からの強制依頼がある。不参加理由が認められない場合罰則がある。

B級:上級冒険者、国、領主からの強制依頼がある。

不参加は、理由がない限り大きな罰則がある。

ギルド長からの強制はないが、要請はできる。

A級:最上級冒険者、国からの強制依頼がある。

不参加は、理由がない限り大きな罰則がある。

領主、ギルド長からの強制はないが、要請はできる。

S級:伝説級冒険者、一切の縛りはないが、英雄であり国に数人しかいない。


F級以外の昇格は、テストがあり、ギルド長の承認がいる。

A級は領主、S級は国王からの承認がいる。

冒険者は、自分の級の1個上まで受けられる。

E,F級に強制は出来ない。理由は、生計を立てるのが難しく兼業者が殆どなので強制することはしない。

D級からの強制依頼だが、不参加が認められるのは、その町に居なかった場合や病気、ケガの療養中だった場合以外は殆ど認められることはない。


依頼についてだが、常設依頼がある。角ウサギF 銅貨5、ゴブリンF銅貨2、オークF金貨1、ダイナボアD 金貨2、ワイルドバッファローC 金貨5、ビッググリズリーB 金貨5、など食肉用は、ランクに関係なく買取されている。

ゴブリンは、食肉用ではないが、人を襲うし女性を苗床にしたり繁殖力が凄まじく狩らないとあっという間に増えてしまうので、耳を持ってくれば賞金が出る。

狙い目はオークだ。

数が多い。人間の女性を苗床にして繁殖するのはゴブリンと同じで、数が増える。

ただ、見た目はヒト型だが、豚系で肉が旨いので以外に需要があるし討伐していかないと人間の方が襲われる羽目になるので討伐を推奨している。金額も高い。

ーーー

タケオは分かっていないのだが、オーク討伐は、F級になっているが、実際はD級ぐらい強い。たくさん狩ってほしい思惑からランクを下げているようだ。つまりこの依頼の死亡率が最も高い。

もう、ナイトやソルジャーに会ったらD級冒険者でも太刀打ちできない。

ーーー


ゴブリン、オークの雌も結構いるが、彼らの性欲はとんでもないようだ。

特にオークの睾丸は、2個で銀貨2枚で取引されているそうだ。持って帰る時切り取って薬屋にこっそり売るそうだ(脱税だが、物がモノだけに取り締まりはない)。

ギルドの買取に睾丸は含まれていない。


この国の貨幣基準だが、

銅貨:パン一個、日本円で100円程度

大銅貨は、銅貨10枚 千円

銀貨は、大銅貨10枚 一万円

金貨は、銀貨10枚 10万円

白金貨は、金貨100枚 1000万円

この通貨は、各国でも使える共通通貨になっている。

大きさ、形は各国同じだが、絵柄などが違う。

ただし、物価は、各国まちまちだ。

実際に他国からの旅人は、両替商で換金している。

外国通貨の偽物が多いので一般人は、売り買いで他国通貨を認めない。

もし、税金の中に偽通貨が混じっていて役人が気づいたら、国家動乱罪で斬首の刑である。怖くて使えないのが現実なのだ。

タケオは冊子を読み終わると、ギルドの動きを観察していた。





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