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エッセイ集「或る変人の追憶」  作者: 夢笛メタ
3/6

0003 追想の「メタ氏、年越し蕎麦をいただく!!」の巻

いよいよ大晦日ですね。

あなたは紅白派ですか?

それとも笑ってはいけない派ですか?

いや、今年もガキ使は無いんでしたね。

しかし2023年はダウンタウンの二人が還暦を迎えるため、

2023年の年末は笑ってはいけないが復活するという説もあります。

あと格闘技のチャンネルもあったように思いますが、

いつのまにかやらなくなったんでしょうかね。


さて大晦日といえば年越し蕎麦ですね。

20代30代の中には特に食べないという方も増えてるそうですが、

年の暮れの雰囲気を味わいたくて召し上がるという方も、

まだまだいらっしゃるのではないでしょうか。

身体障害者施設に入所中の小生はといえば、

献立表を確認したところ夕食に出るようです。

大盛りだといいなあ。


昭和時代末期の大晦日、

小学5、6年生の小生は中学受験に向け、

モーレツに塾の問題集と睨めっこしていました。

夕食はふつうに食べます。

食後は母と祖母がおせち作りで慌ただしいなか、

改めて机に座らされ問題集に取り組まされました。

(強制的に勉強しろ勉強しろの教育方針でした)

夜22時頃仮眠することを母に許されます。

テレビの紅白歌合戦のそれぞれの歌手の歌声が、

すべてどことなくせつなく聴こえました。


紅白が終わる頃ですかね。

「蕎麦出来たから早く食べなさい」と母に起こされます。

茹で上がったお蕎麦が大きなお椀にうつされ、

立ち昇る湯気を猫背の小生がぼーっと眺めます。

ちょうどテレビからは「ゆく年くる年」の

鐘のつく音が流れてきます。

母と祖母と小生と愛犬ぺるがテーブルを囲んで、

次の一年を前にして年越し蕎麦をすすりました。


それから二十年ほど経ち、

祖母はすでに亡くなっており、

母とも別居していた小生は、

トゥレット症候群や首の障害で仕事が出来ず、

生活保護を受けて一人暮らしをしていました。

大晦日の晩は、

スーパー玉出で安く買った、

「日清どん兵衛てんぷらそば」と「マルちゃん緑のたぬき」を、

スーパーの袋から出して熱いお湯を注ぎます。

3分を経てアルミの蓋を開けても、

家族で一緒に囲んだときの味わいはもうありませんでした。

しかし2種類も食べられるなんて嬉しいなあ〜と、

なんだかリッチな気分になったりしたのでした。

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