第十二話 ルーヘント
凄く短いです。主人公じゃ無い人視点です
「何!?妹と姉を間違えただと……何を言っているんだ」
「た、大変申し訳がありません!一応私共は区別をつけれるようにはしていたのですが、第1王子がエスコートしたのを見てファリシスの方が妹だと思ってしまい……」
「……まさか、やつら気づいていたのか?いや、これは……」
言いかけようとしたところで、扉が豪快に開く。
「……失礼します!ルイトの者より情報が!第1王子カイルスが暗殺されかけました」
「……やったやつは?」
「それが……ルーヘントの服を着ているということしか分かっていません」
(訳が分からないな……)
誘拐をしてから早3日。誘拐してきたやつが「内」のペログリファであるリシスではなく、その姉であるファリシスであった。さらに、見に覚えのない暗殺。何処にあのカイルスを殺して得をするやつがいるというのか
「……ひとまず、ファリシスは殺しておけ。それと、その暗殺の件の調査を続行しろ」
「はっ」
部下達が出て行ったところで椅子に腰掛け瞑想する。
(こちら側には外のインペログリファ……これに関しては殆ど軍用可能。そして、大魔導士の魔法陣さえできれば外のペログリファも連れて来れる)
そこまで考えると、別の部下を呼び、命令を下す
「魔法陣の完成まで後何日か確認してこい。いいか?絶対に出来る時間を言わせろよ?こちらにビビって変に無理な時間を言われるのが1番困る」
「承知しました」
しばらくすると、先程の部下が帰ってきた。
「6日以内には出来るそうです。」
6日、貴族が誘拐されたとなれば騒ぎにはなるだろうが、たかだか男爵家。しかも、その次女ならそこまで厳重には保護されない。なら、インペログリファで速攻で攻め、リシスを連れ去るのが1番良い
俺は席を立ち扉へ向かう。
「俺は陛下に会って話をしてくる。お前は……暗殺の調査の方へ行ってくれ」
「はっ」
若干の不安が残る。ただ、勝利のためには時には盲目とならなくてはならない
目的の部屋へ辿り着き、ノックをしてから入り先程のことを告げる。
「陛下、戦争開始は……」
『3日後です』