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托卵された公爵  作者: 干物
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人造人間を使い始めて教育や試運転も行い、人並みに自分自身のメンテナンスをさせると美男美女だ。双子のような造形ではあるが兄弟程度に差別化は出来ている。

シュヴァリエの礎に契約したものだけが持つことを許される人造人間ということにした。

これは嫁げない結婚した後もシュヴァリエ公爵家に縛り付けるものなのに契約したか確認するもの、この際に契約するものが増えて私への挨拶も兼ねて公爵家に来た。

まぁ、美男美女どちらかを忠実な使用人として傍に置けるのだから欲しい人は欲しいだろう。

今まで仕えていた人間を邪険にすることなくバランスよく重用することくらい容易い程度に付き合い方としては悪くなかったようだ。

父が命令として絶対的忠誠を誓っているが使い捨てではないし、人造人間は人造人間で本家であるパーシヴァルやヴェロニカに直訴して改善要求するツテを教えており、それを阻むことは許さない。

という制約もある。それなのに、家庭教師として重用していたりあっという間に広がった。良き主従というのが大半だ。

ただ……奥様方は好みの美形騎士や従僕にして着せ替え人形のように着飾らせて自慢するのが公爵領内限定の遊びらしい。

センシティブな衣装は厳禁なのだが……作る過程で夜伽禁止を叩き込まれているのでそういうことにはなってないらしい。

エメルとアンジュを初めとする人造人間のコミュニティが出来上がって情報共有もされているが着せ替え人形止まりという平和に落ち着いている。


「本当に困った主人の情報回ってないの!?」

「そうですね。昔の剣闘士みたいな戦闘をさせるとかはありますが……」

「……何それ。」

「奥様方主催の模造刀による手合わせを眺める回と言いましょうか……」


センシティブは禁止だが、素敵な筋肉を拝みたいので義務はない日課に近い訓練を同じ趣味の方々で集まって手合わせの訓練所でただ眺める。という、スレスレをしているらしい。まぁ、手合わせもしていたら汗も流して気持ち悪いからと上半身くらい脱ぐだろうが……


「良いの?それ。」

「怪我をしたら心配させてしまいますが、得手不得手はあることも承知されているので必ず勝てなどと争いではなく、真面目に稽古に励んでいる姿を眺める。だけに留まっているので実害はないのです。」

「そ、そう。それならいいのだけど……女性型の方も大丈夫?」


女性型は男性型より需要がない。鍛えても男より武力では劣るし、妻がいる男の人が人造人間を得てうつつを抜かすにしても夜伽禁止で使用人扱い、愛人禁止にしている。ご令嬢の側仕えや家庭教師くらいしか需要がない。


「はい。」


本当に?と、疑っても彼女が聞いてなければ何を聞いても答えはない。


「……ただ、乳兄弟のような子供の大きさが欲しいという声は届いているようです。」

「却下。それ以上に何に使うか分からないから許可しないき、作るなって言ってあるからダメ。どうしても必要なら私とお父様が納得して許可を出すような理由を並べなさいって伝えておいて。」

「承知致しました。」


アンジュはメイドの装いではあるけれど、動きやすさなどを重視した本人なりに利便性を追求したデザインになっている。戦闘必須だからスカートの中に武器を隠したり足を上げやすくするために色々工夫したらしい。


そろそろ学園に入学しなければならない。学問を学ぶのではなく権力闘争前哨戦。ラファエルは黒烏とのパイプと自分の趣味のために領地にお使いに行かせている。定期報告では勉強楽しいと読めるないようなので苦労はしてなさそうだ。


「ラファエル様からの報告書は文体が楽しそうですね。」

「……楽しいけれど表に出さないように貴族らしい表現で感情を殺しまくった表現だけど文字の端々から楽しんでるが出ているね。勉強になるの?」

「はい。代筆の可能性もあるならば文体も学ばなければなりませんので。」

「私のは定型でいいよ。口語を貴族らしい言い方に変えるだけで。都度指示するから。」


筋肉とかは人間のそれよりも発達していて図面見ても何もわからなかったのだが、見た目だけ人間で中身は魔獣や魔族のそれらしい。素材が魔獣とかをふんだんに使っていたし……


「姫様?」

「手加減なしで手合わせしたら私は負けるのかなって。」

「主に対して武器を向けることが出来ませんので分かりかねますが……騎士団と手合わせしながら人間基準を覚えました。」

「ウチの騎士は国の中でも手練ばかりだからアレを基準にしないでね?状況に応じて手加減というか圧倒するかを決めて欲しい。王族の護衛にはそんな加減しなくていいから。」


そこだけ一貫している。王族には手を出せないが、護衛を圧倒するのは我が家では推奨されている。あくまでも向こうから手を出させて返り討ち一択しかないが。


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